読書をするメリット
本を読んだのに覚えていないのは知識として定着していないということ。何の役にも立っていない、ということと同じ。年100冊読んでも時間の無駄になってしまう。
情報と知識の違い
インターネットは「情報」が得られる。本は10年たっても風化することがない「結晶化された知識」が得られる。それは実践可能、応用可能で行動に繋がる知識。「情報」は「断片化された知識」。実生活に役立てるには分析、理解、体系化など手間がかかる。
他人の経験はお金で買える
本には何千人もの成功・失敗体験が載っている。読めば、マラソンでいえば10kmの有利なセーフティーリードがもらえる。例えば今からFacebookを使いこなそうとしたら、試行錯誤するより、まず1冊本を読むだけで100時間近く短縮できることもある。
読書でライバルに差をつける
文化庁の「国語に関する世論調査(2013年度)」の「一か月にどれくらい本を読むか?」という質問に対しての結果。
1冊も読まない・・・47.5%
1,2冊・・・34.5%
3,4冊・・・10.9%
5.6冊・・・3.4%
7冊以上・・・3.6%
つまり月に7冊読むだけで、日本人の上位4%に入ることができる。10冊読めば上位2%。
インプット・アウトプットが自己成長を生む。ライバルに勝ちたいなら、まずはインプットの質と量で勝つ。目安は月7冊。インプットを増やすのに一番手っ取り早いのが、本を読むこと。
アメリカの小説家スティーブン・キングは『書くことについて』には、「本を読まない、文章も書かないでは文章力は鍛えられない。」とある。本をたくさん読ん読んで、ネットにたくさん文章を書くことが効果的。
本の即戦力な効果
例えば「プレゼンでは資料を後で渡す」。著者は本に書かれたこの2行を実践しただけでセミナーの参加者が増え、満足度も高くなった。一冊の本が仕事に革命を起こすこともある。
本は不安を解消し、ストレスを軽減させる
単純に言語情報が脳内に入ってくるだけで脳内の偏桃体の興奮が抑えられ、ネガティブな感情は鎮まり、気分も改善され、決断能力が高まる。さらに、本で解決策を知ることができる。解決法を知っているラットは電気が流れるストレスが軽減された実験もある。本には二重ののストレス解消効果が期待できる。心配事があれば、その対処法について書かれた本を1冊買ってきて読めばいい。本を活用すれば不安やストレスをコントロールできるようになる。
イギリスのサセックス大学でのストレス解消についての研究によると「6分の読書」は68%ストレスを軽減させた。ちなみに音楽視聴は61%、コーヒー一杯が54%、散歩が42%、ゲームが21%のストレス軽減効果だった。
人の脳は一生成長する
・IQを左右する要因として、遺伝の次に大きいのが読書量。何を読んだかではなく、どれだけの量を読んだかがカギとなる。(アメリカ・アイオワ州立大学の研究)
・高齢者の読書は精神的退化を32%遅らせる。逆に頭を使わないと48%退化が加速する。80%の差が付く。(アメリカ・ラッシュ大学の研究)
・パズルや読書など頭を使った趣味を持つ人は、アルツハイマーにかかるリスクが低い。(アメリカ・ケースウェスタンリザーブ大学の研究)
選択肢がないと行動できない
人間は思いつかないことを実行することができない。努力もできない。例えば「年収1000万円」になりたいなら、「年収1000万円」になる方法をいくつも知っておいた方が、選択が増え、確率が高まる。本を読むほど、将来の選択肢が広がる。
「自己成長」「行動の変化」させるのが読書の目的
「行動」が変わらないと現実は変わらない。昨日と同じことを繰り返すだけ。自己成長が促進され、考え方だけでなく行動が変化する読書をすべき。そのための大前提が記憶に残ること。
記憶に残る本の読み方
長期記憶にするためには、1日、3日、7日目に復習する。つまりインプットから一週間~10日以内に3回アウトプットすると、圧倒的に記憶に残りやすい。具体的なアウトプット方法は以下の4つ
1 本を読みながらメモをとる、マーカーでラインを引く
2 本の内容を人に話す。本を人に勧める。
3 フェイスブックやツイッターに投稿する。
4 フェイスブックやメルマガに書評、レビューを書く。
脳内物質読書術
ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィンといった脳内物質を活用すれば本の内容を覚えられる。
スキマ時間を活用する
スキマ時間は合わせると1日に2時間ある。起きている時間の約10%で、埋蔵金のようなもの。ここを読書に使うと人生が変わる。毎日2時間で月10冊本を読めば年120冊。ここまで本を読めば間違いなく人生に革命がおこる。
出掛ける前に今日読み切る本を決める
「今日1日でこの本を読む!」と目標設定すると、緊張感から集中力が高まり、本の内容を忘れにくくなる。ハラハラした状態がノルアドレナリンを分泌させるので、制限時間の設定は脳が高いパフォーマンスを発揮する。
本は議論できる水準で読む
「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」「内容について議論できること」。
飲み会で10分話せれば、議論できる水準としてOK。
「アウトプット」「スキマ時間」を意識する
「アウトプット」「スキマ時間」の2つのキーワードが、忘れない読書の肝。このたった2つを意識するだけ。
汚く読んで覚える
本にはマーカー、メモを入れて汚く読む。参考書をきれいに使っても覚えられないのと同じ。
脳トレで有名な東北大学の川島隆太教授は「音読」が有効と言っている。同様にメモやマーカーも有効。考える、読む、話す、書くは脳の別部分を使っており、複数の領域を使うことで脳が活性化して覚えやすくなる。「ああ、そういうことか」と気付き、学びがあった部分にどんどんラインを引く。1冊の本から3行ラインが引ければ「1500円の元が取れた」といっていい。
話して覚える
友人や家族との会話、スピーチなどで読んだ本が「具体的にどこがおもしろかったのか」を要約しながら相手に伝える。ジャパネットたかたのように5つくらいの切り口で紹介するとよい。掃除機なら吸引力が強い、隅のごみもとれる、人工知能搭載など。
情報を絞り上げる「スクイーズ能力」を高める読み方
「本を読んだら必ずアウトプットする」と決めて本を読むと、スクイーズ能力が向上する。
「15分読書」はかなり効果的
単語がかかれたカードを連続して提示して記憶してもらう心理実験がある。最初と最後に提示されたカードの正答率が高く、中間のカードは低くなるという結果になった。15分のスキマ時間を繰り返せば、60分連続読書を超える集中力が得られる。15分は脳科学的に「極めて集中した仕事ができる時間のブロック」。集中力が維持できる時間のブロックは15-45-90分。
寝る前の読書は記憶に残る
寝ている間は新しいインプットがなく、記憶の衝突が起こらないため。
寝るまえに懸案事項に目を通しておくと、朝、意外な着想を得ることができることもある。
パラパラ読みでゴールを決める
①本を読む前に目次に目を通し、全体をパラパラと見通し、全体像を把握する。
②本を読む目的を決める。その本から何を知りたいかを定める。
③速読で読むか、精読で読むかを決める。
④何日で読むか目標を設定する。
ワープ読書術
本は最初から一字一句読む必要はない。
この本で何を知りたいかを考える。次に目次を読み、一番知りたいことが書かれている部分がどこにあるか目星をつけ、いきなり結論を読む。そのページを読んでさらに知りたいことがあれば、また目次に戻り、そこを読む。このようにワープで読む。ここまで5分かからないので、5分の法則で忘れにくい。
面白そう!と思ったら買った直後からすぐに読めば、わくわく脳内物質でおかげで覚えられる。面白そうと思えたら、翌日くらいまでに読み切れれば記憶に残りやすい。
本当に良い本と高確率で出会えれば、多読は必要ない
読書は「たくさん読む」よりも「何を読むか」の方が10倍重要。良い本と出会うためにはたくさん本を読む必要があるが、逆に言えば良い本を知っていれば多読せずとも自己成長につながる。
自分に合ったステージの本を選ぶ
守破離で自分がどのステージにいるのかを考え、自分に合ったステージの本を選ぶ。最初は図解でわかりやすい入門書で、基礎知識と全体像を把握し、基礎体力を養う。それが結局、時間節約になる。
・守 基礎を学べる「基本」本
・破 他の人の方法を学べる「応用」本
・離 自分のスタイルを模索するための「ブレイクスルー」本
手あたり次第に読むより、自分が尊敬する人、本のキュレーターが推薦する本から読んだほうが、外れが少ない。日本では年間8万冊、1日200冊の新刊が発売されており、ゼロから探すのはリスクが高い。
藤井孝一氏の発行する「ビジネス選書&サマリー」はおすすめ(https://www.bbook.jp/mag.html)
専門書を探すなら、ジュンク書店がおすすめ。「狭く深い本」が見つかる。
アマゾンを本のコンシェルジュにする
アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」欄は有能な電脳ブックコンシェルジュ。膨大なビックデータを使ったアマゾンだけができる機能といわれており、他社は真似できないほど有能なので活用するといい。
ワクワクの直感を信じて本を買う
本を手に持ってワクワクできたら即買いでOK。ドーパミンが分泌されるので高い学習効果が期待できる。
数珠繋ぎ読書をする
本を読んでもっと深く知りたいと思ったら、その本の「参考文献」を読めば猛烈に知識が深まる。複数の本に参考文献されているような「古典、銘著、代表的な本」が見つかったら、必ず読んでおく。1か月に1冊程度では効果が薄いので、短期間で固め読みする。そうすると圧倒的に記憶に残る。
論文、執筆、レポート、プレゼンにはgoogle scholar
プレゼンや学術論文で論拠を補強したいなら、google scholar(https://scholar.google.co.jp/)がおすすめ。学術資料のみを簡単に検索できる。
温泉を掘るように読む
温泉を掘るように、本もまずは広く試し掘りするように読む。興味、関心、好奇心がくすぐられたらそこに自分の「適正、個性、特性、長所、才能、隠された能力」が埋もれている。「ここだ!」という領域を見つけたら本堀、深堀りして読む。これが最も効率が良い自己成長につながる読書術。
両輪で成長する読書法
本を選ぶ際は「長所伸展」「短所克服」どちらを目的にしているのかを明確にする。
守破離でいえば、「短所克服」のための本は「守」である入門編から。「長所伸展」のためなら「破」か「離」の本を選ぶ。ただ長所を伸ばす本の方がやる気が出やすいので、成功体験を積み上げて自信をつけてから「短所克服」に進むべき。
自分にとって少し難しい、ギリギリの緊張感があるレベルの本が記憶に残る。絶妙な難易度のゲームがおもしろいのと一緒。
電子書籍を活用する
電子書籍のハイライト機能は有能。ラインが簡単に引けるうえ、読み終わった後にハイライトだけ目を通せば、アウトプット1回に相当する。復習がしやすい。
Amazonプライムの「Kindleオーナーライブラリー」は登録された好きな本を1か月に1冊無料で読める。
「kindle for pc」をインストールしておくと、パソコンから電子書籍が読める。
2024/9/30