インターネットがあるから読書は必要ない?
現在インターネットで調べれば、ほとんどの情報を手に入れることが出来ます。
なので「読書なんか必要ない」と言う方が増えてきているのも頷けます。
でもネットの情報は断片的です。
食事で言えば、商品の一部を無料で配る「スーパーの試食」です。
スーパーに行けば、無料でたくさん試食できます。
でも試食じゃお腹いっぱいになりません。
お腹をいっぱいにするには商品を購入し、お家でじっくり調理する必要があります。
本は断片的ではなく、物事の全体像を体系的に学ぶことができます。
また、本は「情報」だけでなく「知識」を学ぶことができます。
新聞やテレビでインターネットで紹介されているのはほとんどが「情報」です。
「情報」は月日が経つと、古くなって使えなくなるものです。
一方「知識」はいつまでたっても使うことができます。
試しに1年前の新聞と、5年前の本を読み比べてみてください。
新聞からは何も得られませんが、本からは新しい発見があります。
もちろんきちんと「知識」が紹介されているサイトもあれば、「情報」しか載っていないような本もあります。
それでも「知識」を身に付けるには本が優れている傾向があります。
「情報」を「知識」にするためにはかなりの労力が必要です。
たくさんの情報を集め、分析、整理、理解、体系化することで、初めて情報が知識となります。
この労力を全てこなし、体系的に知識を教えてくれる。
1から自分で学ぶより数段楽にしてくれる。
学ぶためのことを全てお膳立てしてくれる。
それが本です。
もちろん情報も大切です。
しかし、情報だけではアンバランスな頭になってしまいます。
インターネットで情報を集めながらも、自分で読書をして、知識を身に付ける。
情報と知識のバランスが大切です。
本を買う=時間を買う。そう考えれば読書する気になる。
「時間」「お金」「体力」
この3つが揃っていれば、世の中の大半のことはできます。
この中で一番大切なのはどれでしょう。
それは時間ではないでしょうか。
時間を使って働けば、お金を稼げます。
時間を使って休めば、体力を回復できます。
でも、お金をかけても、体力を使っても時間は戻ってきません。
1日の時間は生まれは関係なく、誰にでも平等です。
この時間をどう使うかが、人生の幸せを左右します。
一番大切な時間を手に入れるには、本を読むべきです。
仕事で使うエクセルの知識、メールの知識を活用して、業務時間を短くしている人は知識で時間を稼いでいます。
知識は読書をすることで身に付きます。
一冊ほんの1,000円程度の本の知識が、何100時間を節約することだってあります。
何かを学びはじめるとき、1から独学で始めた場合と、それに関連する書籍を1冊読んでから始めた場合。
後者の方が効率よく学ぶことができます。
あなたの代わりに、先人が1から独学で試行錯誤してくれたお陰です。
あなたはただ本から知識を吸収するだけで、時間を手に入れることができます。
また本を読めば、何万人もの成功体験や失敗談を知ることができます。
どう行動したら、どういう結果になるのか。
膨大な時間と手間をかけた他人の経験を、本を読むことで学ぶことが出来る。
これは他人の経験をお金で買っているのと同じです。
しかも金額は大したことありません。
本を読めば、効率よく人生を生きることができます。
時間を節約し、人生で失敗する確率を下げることが出来るからです。
本を月に3冊読めば、成功者の仲間入り
文化庁が行った調査で「1カ月にどれくらい本を読むか」という質問に対しての答えです。
1冊も読まない・・・47%
1、2冊・・・34%
3,4冊・・・11%
5,6冊・・・3%
つまり、月に本を3冊読むだけで、読書量において日本人の上位20%に入ることが出来ます。
7冊以上読めば、上位4%です。
インプットの差は、アウトプットの差に繋がります。
仕事上においても周りと差を付けることができるでしょう。
まず始めるべきはインプットでとにかく差を付けること。
そのためには読書が最適です。
また本を読むことで文書力も身に付きます。
文書力は仕事上、大切なスキルの一つです。
文章を上達させる方法は、たくさん読んで、たくさん書くことです。
現在、文章力は仕事だけにとどまりません。
家族や友人あるいは恋人とのコミュニケーションも文書力の延長です。
メールでやりとりする機会も多いですね。
文書力が、仕事の成功、私生活の充実に繋がります。
その文書力を手っ取り早く磨く手段が、読書です。
読書をすればストレスと不安から解放される
本にはストレスを緩和して、悩み事を解消する力があります。
読書家は、そのことを知っているので、問題や悩み事に直面しても本を読んで解決してしまいます。
「読書尚友」という言葉がありますが、読書をすることで過去の偉人を友とすることができます。
本を読むと、皆同じことで悩んでいることが分かりますし、人生の大先輩から解決策まで教えてもらうことができます。
本に書かれていることを忠実に実践すれば、ほとんどの場合悩みを軽減することができます。
「悩んでいるときに本なんか読んでる場合じゃない」と思うかもしれませんが、実は逆なんです。
悩んでいるときこそ、ヒントになりそうな本を読むべきなんです。
自分の病気について心配があれば、それに関連する本を1冊読んでみてください。
人間関係、仕事、お金、就職、心配ごとはたくさんあるかと思います。
心配ごとが出来たらまず本を読むという習慣を付けると、その効果に驚くはずです。
本に書かれていることを学び、実践すれば悩み事は解決します。
しかし実践が難しい場合、「これが出来れば苦労しないよ!」とかえってストレスになってしまうのではないか、と心配ですよね。
しかし、生き物は解決策を知るだけでも、ストレスが軽減するのです。
実践が伴うのがベストですが、本を読んで解決策を知るだけでも効果的なのです。
解決法を知れば、状況が全く改善していなくてもストレスの大部分はなくなります。
また、読書をすることで文字情報が頭に入ってくると、扁桃体の興奮が収まります。
扁桃体が興奮すると人は不安を感じます。
この扁桃体が興奮状態がずっと持続してしまうのが、鬱病です。
では、文字情報がどれだけストレスを解消させるのか。
その実験がイギリスのサセックス大学で行われました。
この実験では、読書、音楽鑑賞、コーヒーブレイク、テレビゲーム、散歩のストレス解消効果を検証しました。
ストレスの何%が軽減されたのかを計測した結果
読書68%
音楽鑑賞61%
コーヒー54%
散歩42%
ゲーム21%
というストレス解消効果が出ました。
読書でストレスの大半を解消できることが実証されたのです。
エビングハウス読書、感情利用読書なら本の内容を忘れない
本を読んでも内容を全く覚えていない。
そんなことありますよね。
しかし忘れてしまうのは、人間である以上当たり前のことです。
1回本を読んで、何もしなければ、記憶のほとんどは失われます。
そんな中、なるべく本の内容を覚えておくにはどうすればいいでしょう。
エビングハウスを活用する
「エビングハウスの忘却曲線」によれば、勉強後の記憶は20分後には42%、一時間後には56%、翌日には74%、一週間後には77%、一カ月後には79%失われます。
翌日には一気に74%を忘れる訳ですが、その後はゆるやかに忘れていきます。
つまり一度の読書で中期記憶は26%残るということ。
1回だけの読書では意味がない、という訳ではないのは救いですね。
本をたくさん読めば読むほど26%分の知識が積み上がり、IQも高まるというのは間違いなさそうです。
さて、ここでは消えてしまう74%分へのアプローチについてです。
記憶を定着させるコツは、エビングハウスの忘却曲線で最も記憶が失われるポイントで「復習」をすることです。
学生時代に英単語を覚えるときに、何度も復習した覚えがあると思います。
読書も同じです、復習が74%分を覚えておくポイントです。
エビングハウスの忘却曲線で、最も効率の良い復習のタイミングは
・20分後
・翌日
・一週間後
と言われています。
しかし、完璧にこのタイミングで復習するのは難しいです。
いつ学んだかを完璧にスケジュールに落としこまなくてはいけません。
なので、イメージは「1週間に3回復習すれば、覚える」です。
ちなみに読書の場合の取り組みやすい復習は
・本を読みながらメモを取る
・本の内容を誰かに話す
・本の感想を残す(ブログやレビューなど)
です。
これらの内1つを3回やってもいいですし、それぞれ1回ずつでも構いません。
記憶の定着率が段違いに上がります。
感情を利用して読書する
また、感情を利用して、記憶の定着率を上げる方法も有効です。
喜怒哀楽など、気持ちが動いたときの出来事はなかなか忘れられないものです。
楽しかった海外旅行、大好きな人とのドキドキデート、大切な人が亡くなった時など、感情が大きく動いたときの出来事は何年経っても忘れられないものです。
これは喜怒哀楽にともなって、アドレナリン、ドーパミン、オキトシンといった記憶力を増強する脳内物質が大量に分泌されているからだと言われています。
これらの脳内物質を読書中に分泌させることができれば、本の内容を長期間記憶することができます。
脳内物質なんてコントロールできるわけないじゃん、と思うかもしれません。
もちろん完璧にコントロールすることはできませんが、心掛け次第である程度はコントロールする方法があります。
制限時間を設ける
期間の目標設定をするだけで、記憶に残りやすくなります。
制限時間を決めるだけで、期限が迫ったハラハラした状態になり、ノルアドレナリンが分泌されます。
「今日中に1冊読む!」でも「あと15分で50ページまで読む!」でも構いません。
もちろん「3日以内で1冊!」でもOKです。
あまりに自分の出来る範囲を超えた目標ではストレスになってしまいますから。
少し難しいレベルの本を読む
人間の脳は「自分の能力より、少し難しい内容」の本を読んでるときに活性化します。
このとき脳内にはドーパミンが分泌されます。
ギリギリの難易度を学ぶとき、集中力がアップし、記憶力も上がります。
とはいえ、実際に購入した本が思ったよりも簡単だった場合もあります。
その場合は、上記の制限時間を設けるといったことで難易度を上げるのもいいでしょう。
ほどよい緊張感を楽しみながら読書してみてください。
好きな本を読む
好きな本を読むときはワクワクします。
このとき脳内では幸せ物質のドーパミンが分泌されています。
好きな本が無ければ、面白そうと思った本でも構いません。
面白そう、興味がある、と思った本を手に取ったときは一番好奇心が高まっています。
この場合、一気読みをおすすめします。
なぜなら、このワクワク感のドーパミンは時間が経つごとに薄まってしまうからです。
「忙しくて読む時間なかったな、まぁ興味もなくなったし、もういいか」という経験があると思いますが、とても勿体ないです。
尊敬している人、好きな作家の本を読む
好きな人の本は、親愛の気持ちをもって読むことが出来ます。
このとき脳内では愛情ホルモンと呼ばれる、オキトシンが分泌されます。
尊敬している人がいれば、その人が書いた本を読むことをおすすめします。
たくさん本を読んでいくと、師と仰ぎたくなるような人に出会えることも多いです。
もう亡くなってしまっている故人でも、本を通じて教えを請うことができます。
もし存命の人で好きになれる人がいれば、講演会などに出掛けるのも効果的です。
実際に会うとさらに好きになる、ということはよくあることです。
脳内物質をコントロールするためにも出会える機会があるなら積極的に活用するといいでしょう。
隙間時間で読書をするのが一番効率がいいワケ
文化庁が発表した「読書ができない理由」の第一位をご存じでしょうか。
それは「仕事や勉強が忙しくて時間がないから」です。
実に半分以上の人が、そう答えています。
逆に言えば、「時間があれば本を読みたい」と思っている人が多いとも言えます。
しかし本当に時間はないのでしょうか。
隙間時間を利用すれば、かなりの時間を読書にあてられるはずです。
例えば電車で通勤するサラリーマン。
通勤時間は平均1時間、往復2時間です。
3日あれば6時間、本を読むのが早くない人でも一冊読むには十分な時間です。
あなたの通勤時間は1日何時間ですか。
往復時間を20で掛け算してみてください。
往復2時間なら60時間。
本を読もうと思えば月10冊は読むことができます。
こちらで紹介したとおり、一カ月本を10冊読めば、サラリーマンの上位4%より上に入れます。
隙間時間を活用するだけで、会社で一目置かれる存在になれるのです。
その意味では隙間時間は、確かにそこにあるのに探さないと見つからない「金脈」のようなものです。
電車の中を見回すと、スマホを触っている人がとても多いです。
ほとんどがSNS、メール、ゲームをしているようです。
時間が勿体ないです。
隙間時間はほとんど読書に充てるべきです。
あなたもまずは、隙間時間を意識するところから始めてください。
通勤時間だけではありません。
電車の待ち時間、バスの待ち時間、料理が運ばれてくるまでの時間などなど。
細かい隙間時間をかきあつめて、本を読んでください。
こういった細かい隙間時間を集めると、1日2時間になるといわれます。
起きている時間の12%以上です。
人生の12%は隙間時間と言えます。
この時間を活かすか、殺すか、あなた次第です。
試しに隙間時間を集めて、1年間がんばって読書してみてください。
月に10冊読めなくても、年100冊は読めるはずです。
年100冊読めば、あなたの人生に革命が起きると断言します。