「お酒を飲むと脳が委縮する!」

よく聞く言葉ですね。

 

脳が縮むのが本当なら、酒好きにとってとても恐いことです。

せっかく勉強したり、良い経験をしたりしても、お酒を飲まない人より成長できないってことですから。

 

それでは、酒飲みは豊かな人生を送れなくなってしまいます。

でも、この脳が委縮するっていうのは、本当なんでしょうか。

なんだか、ネットで調べると、「本当」「嘘」の両方の意見があるみたいです。

 

知識人といわれる池上彰さんと佐藤優さんも著書「僕らが毎日やっている最強の読み方」の中で、

「ネットの情報は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)で、そこから「玉」だけを選ぶのは、かなりの知識とスキルが必要」

とも言ってますから、なかなかインターネットの情報だけでは分からないかもですが、それぞれ調べてみました。

 

 

 

「脳は委縮しない派」に味方したい気持ちをぐっと抑えてご紹介します。

 

「アルコールで脳細胞は委縮する」派

やばいです。ちょっと調べただけで、どんどん出てきます。

「アルコールは脳を委縮させる」系の記事。

 

アルコール飲むほどに脳が縮小(ロイター2008年 10月 14日

参考サイト:http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-34284020081014

加齢による脳容積の縮小を、適度な飲酒が防げるかの研究。

全然飲まない人が一番脳容積の減少が少なく、現在大量の飲酒する人が一番脳容積が小さかったようです。

 

酒は毒? 薬? アルコールの影響で「脳」はこう変わる(日経グッデイ2015/3/25)

参考サイト:http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100015/032000006/

「例えば、脳の萎縮が原因の一つとされる認知症、アルツハイマー病は、記憶を司る海馬や、理性をコントロールする前頭葉、言語認識や視聴覚を担う側頭葉前方の萎縮が特有なのに対し、アルコールは脳全体を萎縮させます。最近では飲酒量と脳の萎縮の程度は正の相関にあり、飲酒歴が長い人ほど進行が早いとの研究も発表されています。“休肝日”の有無など飲酒の頻度や、蒸留酒、醸造酒といった酒の種類とは関係がなく、『生涯のうちに飲むアルコールの総量』が強く影響していると考えられており、つまり、酒を飲めば飲むほど萎縮が早く進むということです。恐ろしいことに、脳内の神経細胞は、一度死滅すると、そのほかの臓器に備わる幹細胞のように再生することはなく、元の大きさに戻ることは二度とないとされています」(柿木教授)

柿木教授は自然科学研究機構生理学研究所の教授で、医学博士の方のようです。

さらに「生涯のアルコール総摂取量と萎縮の程度の関係について、学術的な結論はまだ出ていないとのことだが、飲み過ぎが脳疾患のリスクを何かしら高めてしまう可能性はやはり否定できない。」とも記載されていて悲しい気持ちになります。。。

いや、まだ学術的な結論が出てないからOK!と前向きに捉えましょうか。

余談ですが、記事の最後の方で、柿木教授も大酒飲みであることを明かしているのが面白い。

最後に「脳の委縮は少し進むが、あまり心配する必要はなし」とフォローしてくれているのが救いです。

 

 

アルコールが脳に与える影響について

(日下医院HP、Medical Tribune 1997年3月27日号、読売新聞2000年2月9日夕刊、東京新聞2000年3月6日朝刊 掲載、NHKラジオ「今日の医学」1996年5月5日放送)

参考サイト:http://www.chiba-net.or.jp/kusaka/kubota1.htm

1日2合を基準に飲酒量によって分けてみると、非飲酒群と1日2合以下の群(平均1日1合弱、363人)では脳萎縮の割合はそれぞれ27%と24%で差はなかったが、1日2合以上飲酒する群(246人)の脳萎縮の割合は36%にのぼり、他の2つの群と比べて明らかな差が認められた。さらにこの36%のうち、中等度萎縮が10%を占めている点でも、他の2群の中等度萎縮が5%を切っているのと際だった違いを示していた。

 

1日2合までなら、脳に大した影響はない!

酒飲みにとって朗報ですね!

ただし大量に飲まない人にとってはですが・・・。

ぼくは毎日焼酎を4杯は飲んでるので・・・やばいかも。脳委縮が進行しているかもしれません。

 

一流の記憶法: あなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく(著者:六波羅穣)

六波羅穣さんは東京大学文学部卒の実用書作家です。

その著書一流の記憶法の中に以下のような記載があるので、引用します。

 

脳はたいていの有害物質であれば、血液脳関門というところで侵入を防ぐ事が出来ますが、アルコールは分子量が小さいため、その関門を通り抜けて、脳のいたるところに入り込んでいきます。(中略)脳内のさまざまところに悪影響を与え、例えば、運動をつかさどる小脳に悪影響を与え、人を千鳥足にさせます。また、短期記憶を長期記憶に転送する海馬にも影響を与えます。(中略)しかしさらに悪いのは、アルコールはそれを摂取してから永遠に脳に悪影響を与え続けることです。アルコールは摂取すればするほど、脳を縮めるのです。記憶力を高めることだけに主眼を置けば、お酒は一切控えるのが良いと言えるでしょう。

 

東大卒の作家もこのように述べています。

 

「アルコールは脳細胞を殺さない」派

アルコールが脳を委縮させるという記事はたくさんありました。

しかし逆に脳細胞を殺さないという根拠は一つしかありませんでした・・・。

しかも英語サイトで読めませんので、Google翻訳してみました。日本語がたどたどしいのはご容赦ください。

Grethe Jensen氏が1993年に行った共同研究の結果です。

脳細胞を殺さない、って主張しているサイトもいくつかありましたが、根拠はここだけみたいです。

1つしかなかったので、ゆっくり見てみたいと思います。

 

Alcohol Does Not Kill Brain Cells(Today I Found Out 2010/14/4)

参考サイト:http://www.todayifoundout.com/index.php/2010/10/alcohol-does-not-kill-brain-cells/

 

非アルコール性酒類とアルコール依存症の一致サンプルでニューロンを細かく計数した。彼らが発見したのは、2つのグループの間のニューロンの密度または全体の数に実質的な差異がなかったことである。(中略)アルコール依存症者であっても、飲酒問題のために脳細胞が死ぬことはありません。

アルコール依存症の人とそうでない人の脳細胞を計測した結果、脳細胞の数に違いはなく、飲酒で脳細胞は死なないという記載ですね。

 

イタリアの神聖な心臓カトリック大学で行われた調査によると、65歳以上の人のうち29%がアルコールをほとんど飲んだことがなく、精神的に障害がありました。その面では、適度な量のアルコールを定期的に飲んだ65歳以上の人々の約19%のみが精神的に障害を持っていました。さらに、健康問題などの他の問題が精神的に悪化する可能性のある様々なグループの中で、同じ傾向が現れたことがさらに判明した。どのグループでも、定期的に適度に飲んだ人は、まったく飲まなかった人やほとんど飲まなかった人と比べて、老齢で精神的に障害を負う機会が少なくなっていました。

イタリアの大学の調査によると、お酒をほとんど飲まない65歳以上の人の方が、精神疾患のリスクが高いという結果が出たようです。

お酒を飲むことでストレスが解消できるということでしょうかね。

もしくはお酒を飲む人はそれだけコミュニケーションの機会があり、それが影響している可能性もあるのかもしれません。

 

今ではネガティブ(アルコール消費量が過多になるとたくさんあるので、いくつかをカバーします):過度のアルコールを飲んだ結果、脳細胞は死ぬことはありませんが、脳細胞の能力互いに通信することは禁止されている。

やはりアルコールを摂取すると、脳の通信が阻害されるようです。

 

残念なことに、過剰飲酒の極端な習慣を持つ人々のために、Wernicke-Korsakoff症候群が発症するなど、脳には簡単に完全には固定されていない副作用があります。これは、混乱、協調の問題、幻覚、記憶障害、眼の問題、さらには昏睡や死を誘発することさえあります。ここで起こっていることは、チアミンを吸収する身体の能力を阻害するアルコール(多くのアルコール依存症はしばしば栄養失調であることが多いため)を長期間にわたり過剰に摂取するとビタミンB1欠乏症(10人のアルコール中8人がビタミンB1が欠乏している)自分自身の悪い食習慣のために)。これは、とりわけ、ニューロンの死を引き起こす。

アルコール依存症の人は栄養失調であることが多く、ビタミンB1欠乏症になると脳細胞が死ぬことはあるようです。

 

過度の飲酒に起因する脳に関連する副作用のもう一つは、高用量のアルコールが、脳細胞を殺さないで新しい脳細胞の増殖を阻害するということです。しかし、最近の研究では、少なくともラットには、アルコールがもはやラットに与えられなくなってから、以前に抑制された脳細胞の産生を補うために、新しい脳細胞の産生がオーバードライブになることが示されました。

アルコールを摂取しすぎても脳細胞は死なないが、新しい脳細胞の増殖は阻害されるようです。

ただし、アルコールを止めれば、生産性も元に戻るみたいですね。

 

要するに、1日の小さなワインのような適度に消費されるアルコールは、あなたにとって非常に良いことがあります。一方、過度に飲むことは、脳細胞を直接殺すことはありませんが、あなたの脳にはまだ悪いです。あなたの体は、少なくともあなたの脳が心配する限り、あなたがそれの規則的な習慣を作っていない限り、ほとんどの場合に引き起こされる損傷を修復することができます。

飲みすぎは脳に悪いですが、飲みすぎる習慣がなければ、脳のほとんどのことは修復される。と記事は締めくくられています。

 

結論

学術的な結論が出ていない状況でも、委縮する派、委縮しない派、両方読んでみての今のところの結論としては

・飲みすぎが脳に悪いのは、ほぼ間違いない。

・ただし、1日2合以下なら、ほとんど問題はない(朗報)。

というところでしょうか。

 

どうしても2合以上飲んでしまう人は、休肝日を設けて、1週間単位の飲酒量を調節するのが良いと思います。

ちなみに日本酒1合を各種アルコール飲料に換算すると

・ビールは中びん1本(500ml)

・ウイスキーはダブル1杯(60ml)

・焼酎は0.6合(110ml)

・ワインは1/4本(180ml)

が目安となります。

 

やっぱり、毎日焼酎4杯は飲みすぎってことですね・・・反省・・・。

 

「どうしても2合以上飲みたい!」

というなら、脳を大きくすると言われている、「運動」や「瞑想」の習慣を付けてプラマイ0を目指すしかないですね。

脳を大きくする参考

複数の研究により、慢性のストレスにさらされているラットを運動させると、縮んでいた海馬が元の大きさに回復することがわかっている。

脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方(著者:ジョンJ.レイティ)より

 

 

老化防止も 「瞑想」の効用、脳科学が解明(日経サイエンス:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80191730X21C14A1000000/