突然の通風発作

あれは平成28年11月、秋晴れの日曜日でした。
1時間ウォーキングした後の夕方、左足首の捻挫のような痛みが出てきました。
「あれ、歩いてるとき足ひねったかな?」
と思いつつも
「痛みは気になるけど、歩けるし。大したことないでしょ」
と病院に行かずに、そのまま就寝。そして翌朝の早朝です。
左足首に走る激痛で目が覚めました。
左足首には掛け布団が乗ってるだけなのに、その重みで激痛が走ります。痛すぎで悶絶。悶絶するとまた痛い。
「痛い、痛い、痛い!!なにこれ、まさか骨折!?」
急いで整形外科を調べ、会社に有休の連絡を入れて、着替えようとするも痛みでズボンが脱げません。
見ると左足首が赤く腫れています。痛くて靴下も履けません。
仕方なく下はパジャマのまま、靴は右足だけ履きます。
さすがに救急車を呼ぶのは気が引けたため、タクシーを呼ぶも、タクシーまでケンケンパする羽目に。
おじさんにはケンケンパすらキツイ。タクシーまでたった50mの距離でしたが、途中何度も掴まれるところで休憩しつつ、なんとかタクシーの乗り込み、やっとのことで整形外科に到着しました。
ケンケンパで近づいてくる私に、病院の受付の人がびっくりして車椅子を貸してくれました。
あれほど車椅子がありがたかったことはありません。文明の利器ってスゴイです。
その後、問診、触診(これまた痛い)、MRIを経て医師に言われたのは
「骨と靱帯には異常はありません。もしかしてですが、尿酸値高いですか?」
これが私の初めての「通風発作」でした。
さすが整形外科医、慣れたものです。「通風の発作」と「骨折」を勘違いする患者はとても多いそうですね。
その日はロキソニン(痛み止め)を処方され、またタクシーでがんばって家まで帰りました。

いざ、口コミ評判が良い「両国東口クリニック」へ

JR総武線、両国駅にある「両国東口クリニック」
きれい、丁寧、と口コミ評判が良く、距離は遠いですがここに通院することに決めました。
決め手は「通風専門医」がいることです。
完全予約制のため、おそるおそる電話連絡をすると、看護師さんが経緯と症状を丁寧に聞き取ってくれて安心しました。
1回目の通院は「通風クリアランス検査」を受けることになります。
実際に両国東口クリニックに行ってみると
・ホテルのロビーのようにキレイ
ロビー全体が落ち着いたブラウンの色合い、中央に暖炉のオブジェと本、ウォーターサーバー
・受付の接客が丁寧
・完全予約制なので待ち時間がほとんどない
と確かに口コミ通りでした。

通風クリアランス検査とは

通風クリアランス検査とは、尿酸がたまりやすい体質を3つのタイプに分け、どのタイプなのかを確定させる検査です。
すなわち「尿酸を体外に出しにくい体質」「尿酸を体内に作りやすい体質」さらに「2つの混合体質」の3タイプです。
クリアランス検査前は、
・前日21時までに食事をなるべく軽めに済ませる
・前日は禁酒
・尿酸を下げる薬やヨーグルトを飲まない、食べない
・当日はクリアランス検査まで食べない(水はOK)
といった日常生活の制限があります。
検査当日はまずクリニックで水を500ml飲み、すぐに尿を全て出し切ってから、1時間尿を貯め、それから出た尿を全部採取してさらに30分後に血液検査します。
尿が出るまで時間がかかるので、その間エコー検査、栄養士からの指導も受けます。
検査は全部で2時間程度で終わります。
3日後の検査結果が出るまで、尿酸を下げる薬は処方されません。タイプによって薬が変わるからです。
しかし通風専門医はなかなか予約が取れないので、結局1カ月後の予約になりました。
それまでに発作が出てしまった場合は、痛み止めで対応するしかありません。

2日目の通院で薬がもらえる

2回目の通院日にクリアランス検査の結果が出て、やっと薬が処方されることになります。
私は「尿酸を体外に出しにくいタイプ」でした。
最初のうちは1日半錠ということで、1錠が半分に割られた薬が処方されました。
小さすぎて「この量で本当に効くの??」というのが正直な感想です。
その他、クリアランス検査時の血液検査、エコー検査の結果を聞きます。
エコー検査では「小さな腫瘍」「内臓の石灰化」が見つかりかなり焦りましたが
「まぁ40歳程度なら、このくらいの腫瘍と石灰化は大丈夫でしょう。」
と言われました。尿酸値が高いと石灰化が進み、これが悪化すると結石になるそうです。

服薬に関して

薬局で薬を受け取るときに言われた注意点は、
・稀に肝臓に悪影響を受ける人がいるので、「だるさ」を感じたら服薬を止めて医師に相談すること。
・服薬を始めたばかりだと、体が薬に拒否反応を示し気持ちが悪くなることがある。これも続くようなら服薬を止めて医師に相談すること。
ということでした。
実際、服薬を始めた頃は少し「吐き気」がありました。
しかし1週間も経たないうちに不快感はなくなり、平気で服薬できるようになりました。

3回目の通院は「薬の増加と血液検査」

3回目の通院では、薬を飲んでから何か変わりないかを聞かれます。

前回の1カ月後、3回目の通院では処方後の経過を聞かれます。
医師「何かありましたか?」
私「服薬当初は吐き気があったくらいで、他は特にありません」
医師「そうですか。では血圧を計りましょう。・・・正常ですね。次の予約は○月×日でいいですか。」
と問診は3分くらい。あと今回から薬が1錠になりました。
今日まで半錠薬を飲んできたため、血液検査もします。尿酸値が下がっているか期待です。
最後に栄養士からの食事指導も受けました。

4回目の通院は「検査結果とまた血液検査」

前回から1カ月後、4回目の通院です。
今回は前回受けた「半錠飲んでるときの血液検査」の結果が出ます。
尿酸値は「3」くらい下がっているかなと期待しました・・・が、なんと「0.1」しか下がっていませんでした。誤差レベルです。
初診から3カ月経って尿酸値がほとんど下がっていないのは大変ショックでした。
医師は「まぁ半錠ですから。今日の血液検査の結果を見て、次回薬の量をまた決めましょう。」
ということでしたが、ちょっと不安になってきました。
問診が3分であっと言う間に終わるのも心配をあおります。
両国東口クリニックの通風専門医は人気があって時間が限られるので、有休を取らないとなかなか予約が取れません。
なのに今のところ数字見て薬の量を決めるだけなので、通風専門医にしたメリットが感じられません。
せめて尿酸値が下がっていれば・・・この日は失意の中、薬1錠を処方され栄養士の食事指導を受けて帰りました。

 

栄養士から指導されたこと

プリン体の影響は全体の1~2割程度
「プリン体が多い物を食べると尿酸値が上がる」
と良く言われますが、これは半分正しくて、半分間違っているそうです。
尿酸は食べ物で増える部分もありますが、その大部分は体中でエネルギーを作る際に一緒に出来る副産物です。
尿酸値が高い原因の内、プリン体摂取量が影響する割合は全体のせいぜい10%~20%程度。
逆に8割~9割を占めているのが、「尿酸を出しにくい」「尿酸を作りやすい」といった体質です。
つまりプリン体を抑えるよりも、体質に応じた薬を飲む方が8~9割に直に効くため効果的ということになります。
食生活だけ気にしていれば、尿酸値はコントロールできるわけではないようです。

プリン体の多い食べ物、低い食べ物

2割程度とはいえ、プリン体が尿酸値に与える影響がある以上、食生活に気をつけるに越したことはありません。
食事の際に気をつけるよう指導されたのは以下の通りです。

肉関係
・鶏肉はプリン体が多い。焼き鳥でお腹一杯にしたり、二日連続鶏料理は避ける。
・レバーもプリン体が多い。二日連続食べないように。
・肉だけでお腹一杯にするとプリン体をたくさん摂取してしまうので避ける。
・肉の中で一番プリン体が少ないのは豚バラだが、その分脂が多いので注意。
・ソーセージやハムといった加工食品の方がプリン体は少ないが、その分添加物が多いため摂り過ぎは高血圧などの原因になる。肉類を減らした分の補助として食べる。

魚介類関係
・魚は肉よりもプリン体が多い。
・特にマグロ、カツオにプリン体が多いため食べすぎないよう。寿司1~2艦ならOK。
・干物も旨味が凝縮されている分プリン体が多い。
・意外に魚卵はプリン体が少ない。普通に食べる分ならイクラもタラコもOK。鉄火丼を食べるならイクラ丼の方がよっぽど良い。
・一番やばいのはシラスやチリメンジャコ。スプーン一杯で強烈なプリン体量。シラスかけご飯、シラスパスタは避けること。

野菜関係
・意外と野菜にもプリン体が含まれているが、尿酸を外に出す成分があるので野菜なら気にしなくてもOK。
・ただしほうれん草だけはシュウ酸を多く含み、尿路結石の原因になるため食べ過ぎに注意。
・干し椎茸は旨味が凝縮されている分プリン体が多いが、水に戻して使えば問題なし。

その他
・海草はたくさん食べた方が良い。
・豆腐、納豆もプリン体多い。豆腐なら一日1/3丁、納豆なら1パックくらいに抑える。
お酒だとビールはプリン体が多い。焼酎はほとんどない。

尿をアルカリ性にすること

 

通風だけに目が行きがちですが、実は尿酸値が高いと結石にもなりやすいそうです。
そこで大事なのが尿をアルカリ性によせることです。
尿酸は酸性の尿には溶けにくく、アルカリ性の尿には溶けやすい性質があるためです。
尿をアルカリ性にするためには
・水をたくさんの飲むこと(一日に2リットル、できれば2.5リットル)
・乳製品を摂ること
・海草をたくさん食べること
を勧められました。

肥満についても

肥満は尿酸の排出に悪影響のため、なるべく運動すること。(2018年2月現在78kg、171cm・・・)
週末に1時間程度ウォーキングすることから始めるよう言われました。
また、休肝日を設けること。(現在休肝日なし・・・)
週に1日でも休肝日を作ると、肝機能改善(現在、ガンマgtp110)、肥満解消に繋がるようです。
現在尿酸値がまだ「10」程度のため、適正値に戻せるようがんばりたいです。
さもないとまたいつ発作が起こるか分かりません。・・・あの激痛は2度と御免です。