初心者のためのテニスルール解説

初心者がテニスを始めるにあたり知っておきたいルールには、ポイント、ゲーム、セットに関すること、試合の始め方、コールの仕方などがあります。

<h4>ポイントに関するルール</h4>
ポイントとは得点のことですが、自分にポイントが入るのは、自分が打ったボールを相手が打ち返した時に、こちらのコートに入らなかった場合、相手が空振りした時、相手がサービスを2回失敗した時、相手のラケットや体、衣服がネットに触れてしまった時です。これらの場合、自分に1ポイントが入ります。

ただ、スコアにはポイント数が表示されるわけではありません。表示の仕方はポイントが入っていない時には0、1ポイント取ったら15、2ポイント取れば30、3ポイントは40、4ポイントでGと表示されます。審判がコールする時にはそれぞれラブ、フィフティーン、サーティ、フォーティ、ゲームと言います。

4ポイントを先に取ると、1ゲームを獲得できます。どちらかが1ゲーム獲得すると、また、0から第2ゲームが始まり、どちらかが6ゲーム先取するまで行われます。1ゲームを取るには4ポイント先取すればいいのですが、お互いに3ポイントずつ取り40対40になった時(デュースという)は、もう2ポイント取らないと1ゲームを獲得することができません。デュースからお互いにポイントを取り合うとプレイが延々と続くことになります。先に2ポイント差をつけたほうが1ゲームを獲得できます。

<h4>ゲームに関するルール</h4>
4ポイント先取したほうが1ゲームを獲得しますが、ゲームは6ゲームまで行われ、6ゲーム先取したほうが1セットを獲得します。ただし、ゲームカウントが5対5になった場合は、2ゲーム差をつけないと1セット取ることができません。7対5になったところで1セット獲得できます。また、ゲームカウントが6対6になることがあります。この時には、試合時間が長引かないようにタイブレークというルールを適用します。

ゲームカウントが6対6で、タイブレークになった場合は、12ポイント制でゲームを開始します。2ポイント差をつけて7ポイント取ったほうが、1ゲームを獲得します。つまり、7対5のように7ポイント取ったほうが1ゲーム獲得できるわけです。ただし、二人とも6ポイントになった場合は、2ポイント連続で先取したほうが1ゲームを獲得できます。タイブレークが行われた時には、ゲームカウントは7対6と表示され、7ゲーム取ったほうが1セットを獲得します。

<h4>セットに関するルール</h4>
6ゲーム先取したほうが1セットを取ることになりますが、セット数は大会によって異なります。アマチュアの大会では1セットマッチが一般的です。男子プロテニスのシングルスの場合は3セットマッチと5セットマッチがあります。3セットマッチなら2セット先取したほうが勝者で、5セットマッチなら3セット先取したほうが勝利します。

<h4>試合の始め方について</h4>
テニスでは試合を始める前に、コイントスが行われます。トスで勝ったほうは、最初にサーブする権利、レシーブする権利、あるいはテニスコートを選択する権利のいずれかを選びます。サーブの権利を選んだ場合は、コイントスで負けたほうがコートを選びます。テニスのゲームは、サーバーが相手のコートにサーブを打ち込むことで始まります。サーブはベースラインの外から対角線上に、相手のコートのサービスコートと呼ばれる範囲に落ちるように打ちます。ネットに向かって右側から打ち、1ポイント加算されるたびに左、右、左と交代で打ちます。

1ゲームが終わるごとにサーバーとレシーバーが交代します。サーブは2回までできますが、1回失敗したら「フォルト」、2回とも失敗すると「ダブルフォルト」となり、相手にポイントが入ります。サーブの際、ラケットでボールを打つ前にベースラインを踏んでしまったり、ベースラインを超えてしまったりした時にも、「フォルト」になります。

ネットに接触してから相手のサービスコートに入った時には「レット」となり「フォルト」とはみなされず、ノーカウントでもう一度やり直すことができます。サーバーは、自分のサービスコートに打たれたボールを打ち返しますが、ボールがワンバウンドする前にラケットに当たった場合は相手の得点になります。

<h4>コールの仕方</h4>
コールはサーブしたほうを先に言うので、サーバーが1ポイント取ったら、「フィフティーン ラブ」、レシーバーが1ポイント取ったら「ラブ フィフティーン」です。15対15なら「フィフティーンオール」、30対30は「サーティオール」、40対40は「デュース」です。

ゲームカウントやセットカウントは1対0なら「ワン トゥー ラブ」2対1なら「トゥー トゥー ワン」のようにコールします。1対1の同点なら「ワンオール」、3対3なら「スリーオール」です。タイブレークの時のコールも、ゲームカウントやセットカウントと同様になります。

 

テニス初心者に向いているおすすめラケット

<h4>1.軽すぎると逆に問題が</h4>

テニス初心者が悩むポイントは、ラケット選びです。ラケットを扱っている店に行くと非常に多くのおすすめラケットが並べられていますが、何が違うのか、どれが初心者向けなのかは非常に分かりにくいのです。テニスのラケットで注目すべき点は多くあるのですが、初心者の人が注目したいのは主に3つです。まずは全体の重さで、よほど力に自信がある人でない限りは振りやすいラケットから始めるのが基本です。ただ、軽いものを選んだ方がよいというわけではなく、軽すぎるものも逆に問題があります。軽いラケットは力がない人にとってはありがたい存在ですが、ボールの飛び方に難があるケースが多いので、ある程度の重さは必要です。260g程度の軽いラケットが販売されていますが、できれば300gくらいから始めた方がよいでしょう。店頭で実際に持ってみて、どうしても300gのラケットでは使いにくいと感じたのなら徐々に重さを下げていって適切な重さを判断してください。

<h4>2.ラケットの面の大きさをチェック</h4>

そして次にチェックしたいのはラケットの面の大きさで、基本的に大きいものほど初心者に向いています。こちらも大きければよいというわけではなく、ある程度の実力があるならラケットの面が小さくても特に違和感なく打てるでしょう。それを見越して面が小さいラケットを購入してもよいのですが、初心者のうちはボールに当てるだけでもなかなか大変です。最初から扱いが難しいラケットを購入するよりは、面が大きくて当てやすいラケットを購入して、慣れてきてから買い替える方が無難です。テニスラケットの面の大きさは平方インチで表され、大きいものは120インチ程度、小さいものは85インチ程度です。初心者は120インチに近いラケットを購入する方がよく、ボールを飛ばす楽しみを味わえます。しかし、先に書いたように実力があればラケットの面が小さくても問題はなく、その理由はスイートスポットの大きさです。テニスのラケットの面の中心部はスイートスポットと呼ばれ、ここに当てればボールはよく飛びます。そのため、初心者の人はスイートスポットに当てることをまず意識するのがよいのですが、ラケットによってスイートスポットの広さはそう変わりません。このスイートスポットの広さがどれくらいかはメーカーが公表していないので、明確なデータはありません。実際に使ってみて確認するしかありませんが、面が大きいラケットと小さめのラケットで比べた場合、スイートスポットにそこまでの差はないのが普通です。どのラケットを使う場合でも面の中心部で受けるのが基本なので、最終的にはスイートスポットへの当てやすさにそこまでの差は生まれません。しかし、最初は思いっきり空振りすることも珍しくはありませんし、ど真ん中でボールを捉えるのは難しいので、なるべく面が大きくて当てやすいものを選ぶのが効果的です。

<h4>3.グリップのサイズをどうするか</h4>

重さ、面の大きさと比べると重要性が伝わりにくいポイントが、実際に握るグリップのサイズです。グリップのサイズは1から3の数字で表示されているものが大半で、1が最も細く、3が最も太く作られています。最適なサイズは手によって変わりますが、女性の場合は2のラケットが、男性の場合は3のラケットがよく使われており、まずはこちらを目安にして実際に握ってください。手の大きさだけでなく手のひらの厚みの影響もあるので、こればっかりは握ってみないと最適なサイズは分かりません。基本的には細いほど手首を動かしやすく、太いほど手首が固定されるので、初心者の人はやや太めを心がける方が打ちやすいでしょう。手首を動かしやすいという点はメリットでもありますが、同時にデメリットでもあり、最初は手首を動かさないようにプレーするのが基本です。どうしても太いグリップだと気持ち悪い感じがするなら細い方でもよいのですが、こだわりがないなら太めで問題ありません。初心者のうちは、グリップなどあまり気にしない人も多いですが、慣れてきたらグリップテープを使うのが基本です。グリップテープはリプレイスメントグリップ、オーバーグリップテープの2種類があり、最初から巻かれているのは衝撃を吸収する役割があるリプレイスメントグリップです。その上に巻くのがオーバーグリップテープで、握りやすさや汗の吸収に大きく関わっています。オーバーグリップテープを巻けば当然ながらグリップは太くなるので、グリップテープの太さを見積もった上でグリップのサイズを選ぶ方が無難です。重さ、面の大きさ、グリップの3つの要素を押さえておけばラケット選びで失敗しないで済みますが、余裕があればストリングパターンもチェックして損はありません。日本ではガットと呼ばれることが多いですが、ラケットの面にある実際にボールと接する太い糸がストリングです。このストリングが多く目が細かいほどハードヒッター向け、少なく目が粗いほど力がない人向けです。目が粗いとストリングが切れやすいという難点もありますが、初心者のうちは、そこは気にしなくても大丈夫です。

 

テニス初心者に向いたスクールの選び方とは

<h4>1.まずは大まかな目標を</h4>

テニス初心者の人が1人で練習するより、テニススクールで指導してもらう方が圧倒的に効率的です。テニススクールには初心者から始めた人も多く、どう指導するのがいいのかノウハウが蓄積されているからです。ただ、テニススクールならどこでもいいわけではなく、選び方が非常に重要なポイントです。もちろん、エリアによってはテニススクールが極めて少なくて選択肢がほとんどない場合もありますが、選択肢が複数あるならじっくりと比較検討してください。まずはスクールをチェックする前に、自分自身の目標をはっきりさせるのが最初のステップです。仲間を作ってテニスを楽しみたいという人の場合、そこまでテニススクール選びで苦労はしません。このような場合は賑わっているかどうかを基準にするのがよく、コーチの質もそこまで気にしなくても大丈夫です。しかし、初心者だけどいずれは試合に出たい、もっとうまくなりたいといったように高いところを目指すなら、コーチの質が重要なポイントです。初心者の状態では目標を定めるのは難しいかもしれませんが、楽しむか本格的に取り組むかだけでも明確にするとよいでしょう。

<h4>2.どんなタイプのスクールがあるか</h4>

テニススクールは大きく4つのタイプがあり、1つ目は都心部に多いチェーン店のようなタイプです。飲食店ではチェーン店はお馴染みですが、それらと同様にどこであっても同じ指導を受けられるのが特徴です。チェーン店で指導内容がほぼ決まっているので安定感がある反面、コーチのレベルにはそれほど期待が持てません。アルバイトとしてコーチを務めている人も多く、テニスの上達を目指す人にとってはやや不向きな形態です。一方、テニスを楽しみたい人にとってはそこまでデメリットはなく、テニスを楽しむにはうってつけな存在です。2つ目はスポーツジムの施設の1つとしてテニススクールが存在するタイプです。コナミスポーツクラブ、ルネサンスなどがテニススクールのあるスポーツジムとしてよく知られています。このスポーツジムもチェーン店と呼んでも差し支えはないのですが、チェーン店のテニススクールと比べて施設が充実しているのがポイントです。テニスでも上達を目指すなら筋トレなどは欠かせないので、スポーツジムがあると非常に役立ちます。また、チェーン店のような形態ではあるものの、コーチのレベルも高い傾向にあるので、より上を目指したい人にとっても頼りになる存在です。もちろん、楽しむためにスクールに通っている人も多いので、テニス仲間を作る上でも役立ちます。3つ目はチェーン店やスポーツジムのようにどこかの組織に属しているのではなく、独立したテニススクールです。このタイプはコーチの質などもまちまちなので、素晴らしいコーチを出会える可能性がある反面、あまり質が高くないところもあります。4つ目は3つ目とやや似ていますが、家族経営のテニススクールのような小規模なところで、こちらもレベルについてはまちまちです。3つ目と4つ目に関してはそれぞれのテニススクールで形態なども変わってくるので、念入りに調査をしたいところです。

<h4>3.具体的なチェック方法</h4>

まずは通いやすい範囲でどんなテニススクールがあるかをチェックするのですが、どの形態にせよまずチェックしたいのは初心者クラスがあるかです。クラスの名前もそれぞれのテニススクールで異なる場合がありますが、初心者クラスは文字通り初心者向けのクラスです。しかし、初級クラスは初心者クラスとは別物として扱われるケースが多く、比較すると初級クラスの方がレベルは高いのが普通です。そのため、初心者クラスがないのに初級クラスがあるテニススクールの場合、初級クラスを初心者向けだと勘違いする場合があるので注意しなければいけません。テニススクールの所有するコートもチェックが必要で、コートが屋外にあると雨天時は練習ができません。振替などで安定してレッスンを受けられない恐れがあるので、なるべくなら屋内にコートがあるテニススクールを選ぶのが基本です。コートの種類は4つに分けられますが、天然芝のグラスコートや陸上競技のトラックのようなハードコートはテニススクールではなかなか見られません。オムニコートとも呼ばれる人工芝コートか、赤土や粘土が使われているクレーコートがよく見られます。この2つはいずれも体への負担が少ないのですが、クレーコートはややイレギュラーが多いので、人工芝コートの方が初心者向けです。テニススクールの実態は入会してみないと分からないことも多いですが、大抵のテニススクールでは体験レッスンを受けられます。体験レッスンなしで入会するテニススクールを決めるのは危険なので、なるべく体験して雰囲気を感じ取ってから入会するのがよいでしょう。また、通うのに時間がかかるとモチベーションが下がりやすいので、アクセス性も重要なポイントです。これらの要素とテニススクールの種類、体験した感想などを合わせて総合的に判断すればよいテニススクールと巡り会えます。

 

テニス初心者向けのストロークの練習方法は

<h4>1.下から上の動きで</h4>

テニスを始めたばかりの人が戸惑うポイントが、ストロークです。ストロークのラリーはテニスの基本と言っても過言ではありませんので、どんなプレイスタイルを目指すにせよストロークの技術は求められます。どうしてテニスを始めたばかりの人が戸惑うか、1つ目は距離感の問題であり、ラケットのスイートスポットに当てるのはなかなか困難です。そしてもう1つの問題点はラケットの振り方で、ラケットは横に振るものだと勘違いする人が多いのです。プロの試合などで真っ直ぐ飛ぶボールを見ると、ラケットを横に振るから真っ直ぐ飛ぶと勘違いしやすいですが、実際には下から上にボールをすくい上げるように打ちます。実際にはストローク1つでも細かい技術がいくつも使われていますが、まずは距離感とラケットの振り方から練習するとよいでしょう。距離感は慣れるしかありませんが、まずは利き手じゃない方の手でボールを持ち、落としてワンバウンドしたところを打ってください。遠くにいる相手が軽く投げたり打ったりしたボールを打ち返す練習法もありますが、いきなりこちらをやっても空振りに終わる場合が多いので、まずは自分のペースで練習するのが有効です。距離感の練習をする時、理想を言えばボールの飛ばす方向などにも目を向けたいのですが、最初はどこに飛ぶかなど考えてなくても構いません。ホームラン級の当たりでも全く問題ないので、ラケットの中心のスイートスポットに当てることを意識して練習すると上達に繋がります。距離感の練習をする時にはスイングのフォームは気にしなくてもよく、好きに楽しむくらいの気持ちで十分です。

<h4>2.ボールの行き先は気にせず</h4>

ある程度は芯でボールを捉えられるようになったら、今度は正しいスイングを意識して打ちます。練習相手がいるなら軽くボールを出してもらうのも手ですが、1人でも十分に練習は可能です。1人の場合、距離感の練習と同様にボールをワンバウンドさせてから打つのですが、必ず下から上のスイングを意識しましょう。下から上のスイングを意識した場合、高確率でボールはホームラン級の当たりになりますが、それで構いません。ホームランの当たりを嫌がってスイングが崩れる方が問題なので、どこに飛ばすとか考えず、スイートスポットに当てることと下から上に振り抜くことを意識して練習してください。実際、初心者に対してはとにかく遠くに飛ばす練習を取り入れているコーチも多く、有用な練習です。具体的にはラケットを振り切った時、手の甲が顔の前に来るくらいがよく、この下から上へのスイングを体に覚えさせるのが最初の難関です。最初はあらぬ方向に飛んでいくのが普通なので気にする必要はありませんが、いつまでもその状態ではいけません。真っ直ぐ打つためにはどうすればいいか、それはボールにかかる回転を意識してのスイングです。何も考えずにスイングしても上に行かず前に飛ぶ場合がありますが、これはボールに適度に回転がかかっているからです。トップスピンという意図的に順回転を多くかけてボールを沈める技術もありますが、普通のストロークの時点で軽いトップスピンはかかっています。この辺りの細かい感覚は練習でつかむしかないのですが、しっかりと下からボールをすくい上げる感覚でコートに入るように練習するのが次の段階です。

<h4>3.力を抜くことを意識して</h4>

ボールがコートに入るようになったら、次は予想外のところにボールが来てもいつも通りのスイングで打つ練習が必要です。1人で練習する場合はそのままボールを落として打つのではなく、わざと少し遠いところに落とします。実際の試合だと相手のボールに合わせて移動して打つ必要があり、動いてからの正しいスイングが欠かせません。この練習では誰かから球出ししてもらう方がよいのですが、1人でもある程度は対応できますし、走るので持久力も鍛えられます。テニスはメンタルが重要なスポーツ、これはプロによく投げかけられる言葉ですが、プロ以外のプレーヤーにとってもメンタルは重要です。ストロークを打つ場合に重要なポイントは距離感やスイングなどがありますが、ある程度の技術を持っているなら力を抜くことが欠かせません。これも初心者にありがちな思い込みですが、速いボールを打つためには力を入れなければいけないと考えて、思いっきりスイングする人も珍しくはありません。しかし、テニスのボールは軽いスイングでもそれなりに速く飛ぶので、試合形式で飛んできたストロークに力を入れて打ち返すと大抵は失敗します。プロでもストロークの時にはさほど力を入れておらず、力よりもフォームやタイミングの方が重要な要素です。ここで決めようとして力を入れて失敗する、これはテニスプレーヤーなら必ず経験するミスです。いかにして平常心でいつものスイングが再現できるか、これは上達の鍵なので、初心者のうちから力を抜いたスイングを心がけるのも有効です。力を入れるのはインパクトの瞬間で、それまでは脱力した状態をキープするのが重要です。

テニスの上達に役立つ、体幹を鍛える筋トレメニュー

<h4>1.ダイアゴナルとは</h4>

テニスに必要な筋トレと聞くと、腕や足を鍛えるメニューを思い浮かべる人も多いかもしれません。もちろん、テニス上達の上で腕や足は重要なポイントなのですが、同じかそれ以上に重要なのが体幹です。テニスの基本が回転の動きで、特にストロークは体の回転がうまくいかないとなかなか上達しません。ストロークほどではないにせよ、サーブやボレーでも体幹の力は役立つので、日頃から体幹を鍛えて損はありません。しかし、体幹がどこかと尋ねられても明確に答えられない人が多く、それもそのはずで明確な定義はないのが実情です。一般的には背中やお腹、胸辺りの胴体のことを指しますが、テニスで求められるのはまず腹筋と背筋のバランスです。どちらかに偏りがあると姿勢にも悪影響が出て、テニスでも効率よく力を発揮できません。プロサッカー選手の長友佑都選手が取り入れている体幹トレーニングがダイアゴナルと呼ばれるもので、こちらが腹筋と背筋をまとめて鍛えるのに効果的です。

<h4>2.ダイアゴナルの具体的なやり方</h4>

まずは四つん這いのように手足を地面につけるのですが、四つん這いとは違って膝は地面につけません。腕立て伏せで腕を曲げる前のように手と足先で体を支えた状態から、どちらかの足を後ろに伸ばします。そして、伸ばした足とは逆の手を前の方に伸ばし、伸びた状態で10秒キープするトレーニングです。左足を後ろに伸ばしたのなら右手を前に、右足を後ろに伸ばしたのなら左手を前に出し、10秒が経過したら元の体勢に戻してから、逆の手足を伸ばします。左右どちらも伸ばして1セットで、1回あたり2セットを行うと効率的に体幹を鍛えられるでしょう。ポイントとしては、ただ手を伸ばすのではなく、しっかりと地面に水平になるように伸ばすこと、それと顔と肩の高さを揃えることが挙げられます。完璧な姿勢でなくてもある程度は体幹を鍛えられるのですが、やはり正しい姿勢とは効果が大きく異なるので、つらい場合は姿勢でなく時間を調節するのが有効です。10秒もキープするのが難しいようなら最初は5秒以下でもいいので、姿勢を崩さないように心がけるのが重要なポイントです。手を伸ばした時、自然と手のひらは地面の方を向くものですが、手のひらを横に向ければより負荷がかかるので、効率的に鍛えたい人は試してください。ダイアゴナルで鍛えられるのは腹横筋、大殿筋、背中の多裂筋で、いずれも体幹に大きく関わっている筋肉です。さらに、内臓の位置を保つ効果も期待できるので、テニス以外の日常生活にも役立ちます。

<h4>3.サーブに役立つ肩周りのトレーニング</h4>

テニスの各種プレーの中で最も複雑な動きが求められるのがサーブで、ひねりが必要なのが厄介なところです。サーブでも体幹は求められるので、ダイアゴナルのように腹筋や背筋をまとめて鍛えられるトレーニングは役立ちますが、それ以外に肩の筋肉強化も欠かせません。肩の動きに大きく関わっている肩甲骨付近の筋肉に体幹というイメージがないかもしれませんが、こちらも立派な体幹の一種です。肩甲骨は鍛えにくいだけでなく、デスクワークなどで姿勢が固まっている人は動かすのも一苦労ですが、トレーニング方法はあります。最終的には腕立て伏せと同じ体勢で動かすのですが、まずは四つん這いになって肩甲骨を動かすのが基本です。四つん這いの状態から左右の肩甲骨を寄せていく感じで背中を反らし、次に肩甲骨を離すように体を丸める運動が有効です。この説明だけを見ると簡単そうに見えるのですが、肩甲骨をあまり動かしていない人の場合はなかなかうまくいきません。最初はうまく動かせなくても、毎日続けて肩甲骨が動く感覚をつかめば可動域も広がり、サーブで非常に役立ちます。肩甲骨の感覚をつかんだら腕立て伏せの体勢になり、肘は曲げずに肩甲骨だけを動かすトレーニングが有効です。ただ、この肩甲骨を動かすトレーニングは1人でやってもうまく動いているか分かりにくいので、誰かに見てもらうのがよいでしょう。1人でやる場合、スマートフォンなどで動画を撮影して実際の肩の動きをチェックするのが効果的です。この肩甲骨のトレーニングと合わせて行いたいのが小円筋のストレッチで、まずは椅子に座ってどちらかの腕を軽く曲げて腰の方に持っていきます。この時、手のひらを腰につけるのではなく、手の甲の方を腰につけるのが重要なポイントです。もう片方の手で、背中に回している方の肘をつかみ、そのまま前方に引っ張って10秒ほどキープします。反対側の腕も同じようにして1セットで、これを3セットほどやれば小円筋を刺激できるので、ぜひ試してください。小円筋と同様に肩を安定させるために必要な筋肉が棘下筋で、こちらを鍛えるにはチューブがあると楽です。チューブは高いものでなくていいので、柱など固定できるところに通して、肘を90度に曲げます。肘とチューブの高さを揃えた上で、肘を体から離さないよう心がけながらチューブを体の外側の方に3秒ほど引っ張り、また3秒ほどで元の状態に戻すトレーニングです。

テニス初心者は素振りの練習をどうすればいいか

<h4>1.フォームを意識する</h4>

テニスに限らず、道具を使う球技では素振りが練習として取り入れられています。野球やゴルフは素振りが欠かせませんが、テニスでも素振りの練習は上達の重要なポイントです。ただ、素振りにはデメリットもあり、正しいフォームでないと効果はあまり期待できません。逆に、素振りで間違ったフォームが身につく恐れもあるので、時間をかけて練習したけれども逆効果だったというケースも珍しくはありません。初心者の人ほどフォームは崩れやすいので、なるべくならテニススクールなどでコーチから指導をしてもらい、フォームが固まってから素振りの練習をする方が効果的です。正しいフォームを意識して素振りをしても、あまり効果を実感できない人も多いのですが、その理由としてまず挙げられるのは何となくやっているからです。フォームは正しくても、回数をこなすだけだったり、何となくやっていたりでは、効果は期待できません。素振りは反復練習の意味合いもあるのですが、飛んでくるボールを想定しながら打つイメージトレーニングの側面もあります。ボールがどこに飛んでくるといったことを全く考えないと、ただ何となくスイングの練習をしているだけに終わり、なかなか伸びないのです。そういう意味では、ストロークの経験が少ない初心者にとってはやや難度が高い練習と言っても過言ではありません。

<h4>2.なるべく具体的なイメージで</h4>

どのようなボールが飛んでくるかイメージできない場合、まずは体の真正面に来たボールを打ち返すイメージで問題ありません。実際の試合では無茶な体勢で打ち返さないといけない場面もあるものの、初心者のうちはボールを打ちやすい位置に足を運ぶのが基本なので、ボールの位置についてはそこまで詳しくイメージしなくても大丈夫です。ただ、ボールを意識するのとしないのでは大きな違いがあるので、真っ直ぐ向かってくるボールを打つイメージでスイングするのが効果的です。このような基本的な素振りに慣れてきたら、次はステップを交えながらの素振りに移行します。1人でのストロークの練習では、ボールの位置に合わせて足を運びますが、それと同様のことをボールなしでするのも有効です。ここでもボールのイメージは重要で、どこでボールがバウンドしたかを自分で決めてから移動します。足の位置を固定したままのスイングと、動いてからのスイングでは差が生まれるのが普通なので、動いてからでも安定したスイングができるように素振りをしてください。しかし、フォームの固まっていない初心者の人ほど素振りでスイングが崩れやすく、先に書いたように逆効果になる恐れもあります。素振りの練習をしたけれどもフォームの崩れを指摘された場合は、素振りのやり方を変えなければいけません。テニスに限った話ではありませんが、スポーツ選手の中にはスローで体を動かすやり方を取り入れている人がいます。実際の試合ではスローな動きを使うことはほぼありませんが、複雑な動作が必要な競技では体に動きを覚えさせるために、スローで動く練習も有効です。

<h4>3.スローで素振りをする練習</h4>

テニスのストロークやサーブはまさに複雑な動作が必要なので、スローでフォームを身につける練習は素振りに問題がない人であっても取り入れて損はありません。やや腰を低くしてラケットを構えた状態からテイクバックし、そのままラケットを下から上に持っていってボールに当て、フォロースルーでしっかりと振り抜く、このストロークの一連の動きを速くても5秒、できれば8秒から10秒程度まで引き伸ばして素振りをするとよいでしょう。ゆっくりならいつもより体の細かいところにも意識が向くので、この練習を繰り返すことで体に正しいフォームを覚えさせられます。特に注意したいポイントは足で、素振りだとどうしても体重移動が疎かになるケースが多いのです。腕の方に注意が向くのは仕方がないことですが、スイングの中でどのように体重移動をしているのかをスローの素振りで勉強すると後々に役立ちます。このスローな練習でも正しいフォームを意識する必要があり、大きな鏡の前でスイングをチェックする方法も有効です。ただ、正しいフォームを意識しながら体を動かし、鏡の方も見逃さないようにするのは難しいので、動画を撮影してチェックする方がよりよいでしょう。動画で見るとおかしいところにも気づきやすいので、素振りの練習が終わったら必ず動画を確認して改善点がないかチェックしてください。さらに、モチベーションを上げるために好きなテニス選手の模倣で素振りをするのも効果的です。ストロークはスタンスなど選手によって差がありますが、よほど癖がある選手でない限りは好みでも構いません。好きな選手が特にいない場合はテニスの教材を購入して、そちらを模倣する手もあります。素振りはやり方によってプラスにもマイナスにもなる練習ですが、素振りをしっかりとプラスの力に変えられるなら、ストロークの大幅な上達も見込めるので、ぜひ暇な時間に試してください。

 

テニスのフォアハンドの練習方法

<h4>フォアハンドストロークは一番の基礎?</h4>
テニスをする際に、基本中の基本と言われるのがフォアハンドで、このストロークが安定してできることが必要になります。フォアハンドが安定していないと試合はもちろんですが、ラリーが続かないため友達とテニスを楽しむこともできません。ただテニス初心者にとってフォアハンドは、最初に教えられるショットなので、はじめから上手に打つことはでないものです。またフォアハンドは、一見できそうな気がしますが、実はバックハンドよりも不安定になりやすいですし、繊細で難しいショットと言えます。

その為、テニス初心者は基本のポイントをしっかりと抑えて練習する必要があるので、練習方法や取り組む時の抑えておくべきポイントを知っておくと良いです。ちなみに、テニス初心者がフォアハンドを練習する際には、ボールを見ているか、正しい範囲内のグリップでラケットを握れているかがポイントになります。また、背中から腕にかけて力が入っていないか、軸足が正しい位置に置かれているかも、練習に取り組む際に抑えておきたいポイントです。

<h4>素振りと手出しで練習を</h4>
テニス初心者にとって基本となる体の動きを習得するための練習方法となるのが、何といっても素振りと簡単な手でボールを出す球出しです。グリップを握る基本の形は、体側に沿って利き腕を下した状態で、ラケットの面が地面から約45°程度の角度になるように握ります。スイングの基本の形は、利き手でない手でラケットを支えながら、ちょうど前習えをする感じの姿勢になり、軸足の股関節を閉じるように上半身だけをターンします。そうしたらラケットを支えていた手を離して、手首の形を同じ状態のままで腕全体を下におろすとテイクバックは完了です。テイクバックの状態から野球のバットスイングと同様に、脇を閉じながら軸足の股関節を開放すると共に逆足の股関節を閉じていきます。そのようにして打ち終わると自然と肩の上にラケットが乗っかることになるので、連続してこの一連の動作ができるように素振りと手出しを繰り返し練習します。

<h4>ラケット出しで練習を</h4>
素振りと手出しを繰り返し練習することで、ある程度安定した素振りができてボールを力みなく飛ばせる段階に進んだら、つぎはラケットで球出しするラケット出しをします。ラケット出しの練習では、手出しより勢いがあってラリーよりも勢いがないボールに対して、しっかりとフォームを崩さずに打てるかがポイントになります。フォームを崩さないためには、スイングの最初から最後まで軸足の位置が変わらないところに置くことが大切で、そうすれば背骨が回転軸となって安定して回転することができます。このようにラケット出しの練習では、腕に力が入っていないことや足の位置が変わっていないことを確認しながら行うことが大切なポイントになります。

<h4>テニス初心者が上達するためのラリー練習</h4>
ラケット出しでフォームが崩れないで打てる段階まで進んだら、つぎはラリーにおいても正しい位置に足を運べるフットワークを身につける練習になります。ただ、ストレートにボールを打つのとクロスにボールを打つのとでは、打点の位置や足の位置が変化するので、ストレートとクロスの両方を練習することが大切です。また、ラリー練習をしている段階でフォームが崩れてくるようならば、再度素振りや手出しに戻って練習してフォームを作り直す必要があります。それからテニス初心者の場合は、コントロールを身につけるためにも、最初から通常のラリーをするのではなくて、ミニラリーから始めることがおすすめです。またテニス初心者は、上手にボールコントロールができないことが多いために、ボールが遠くに飛んでしまったり力いっぱいボールを打ってしまったりしてラリーが続きません。お互いボールコントロールができない初心者同士では練習にならないので、自分より上手な人を相手に何度も繰り返して練習すると良いです。ちなみに初心者のうちは、ボールをミスすることなく打ち続けられることが先決なので、ボールのスピードやコントロールを気にしないで確実に返球する練習から行うことです。無理にボールのスピードやコントロールを意識してしまうと、当てるだけのスイングになって悪い癖がついてしまう可能性があるので、その点には注意する必要があります。このように、一つ一つ段階を踏んでフォアハンドストロークの練習をしていけば、誰でも身につけることができるものなので、焦ることなく地道に練習を積み重ねていくことが大切です。最初からラリー練習から入ったり、この練習順番を守っても基本となる素振りが正しくなかったりしたら、フォアハンドは不安定になってしまいますし、安定してもパワーのないボールになります。どのスポーツにも共通して言えることですが、何事も基本が大事で最初が肝心ということをしっかりと認識して、フォアハンドの練習に取り組んでいくことをおすすめします。

 

テニスのフォアハンドのテイクバックのコツ

テニスはラケットを使ってボールを打ち合うスポーツですが、ラケットを持った手の側に来たボールを打ち返すことをフォアハンドと呼びます。そしてフォアハンドで打ち返すことをテイクバックといいますが、そのコツについて紹介していきます。

<h4>【フォアハンドの基本】</h4>
フォアハンドはバックハンドと比べて初心者でもボールを打ち返しやすいフォームですから、自己流に陥りやすいと言う難点があります。あまり努力をしなくてもボールを打ち返せてしまうため、きちんと基本をおさえずにいきなりテニスを始めてしまうと、そのフォアハンドのフォームでテイクバックしてもいいのだと思ってしまって、自己流のフォームが身についてしまうのです。しかし、フォアハンドこそしっかりと基本を身に着けることが求められます。誤ったフォアハンドのフォームのまま練習を重ねてしまうと、今度はそれを改善することが難しくなるでしょう。誤ったフォームでテイクバックを続けているとミスが起こりやすくなり、上達を妨げる要因になってしまうのです。初心者のうちにフォアハンドの正しいフォームを身に着けるようにしましょう。
フォアハンドの基本は打つ準備の速さです。すぐにフォアハンドの体制を整えられるとボールを打ち返せる率が高くなります。そして腕でラケットの位置を調整するのではなく足で動いて微調整するのが基本です。

<h4>【ラケットを立てるテイクバック】</h4>
たとえばテニススクールなどに通って先生からフォアハンドのレッスンを受けているのに、プロのテニスプレーヤーはそれとは異なったフォームでテイクバックをしていると感じたことはありませんか。実は選手によってそれぞれ独特のフォームでプレーしていることがあります。中でもラケットを立てた状態でテイクバックをしているプロテニスプレーヤーが増えてきています。基本的なフォアハンドのフォームでは本来グリップの力を抜くように指示されるため、このようなフォームに疑問を感じる方も少なくありません。このような持ち方は基本を押さえていないのではなく、それなりの理由があってやっているのです。まずラケットを立てることで高い位置に飛んできたボールを打ち返しやすくなります。またヘッドも下がりませんのでラケットの面がフラットになり、ボールがあてやすいというメリットもあるのです。さらにはテイクバックをコンパクトにまとめられますので、ラリーが続いた時にも疲れにくくなります。しかしこれはプロの技ですから、初心者が真似をしようとすると失敗してしまうでしょう。ラケットの位置を高くすることはそれほど難しくはないのですが、ラケットを固定させておくためには手首や腕の力を必要とします。その力が不足しているとラケットの面が安定しなくなってしまって、上手くバックハンドできないだけでなく手首を痛めることにつながってしまいます。他にもそれほど高いボールを打ち返す機会が少ないのに、このようなフォアハンドのフォームを作ってしまうと必要以上に腕を動かすことになり、このフォームで本来得られるはずのメリットが少なくなってしまうのです。

<h4>【低いフォロースルー】</h4>
トップテニスプレーヤーのフォアハンドのテイクバックにて、フォロースルーを低くしている選手も多く見られますが、本来フォアハンドのフォロースルーは上にするのが基本姿勢です。このようなプロが行っている低めのフォロースルーにも、さまざまなメリットがあります。まず低い位置でフォロースルーしてテイクバックすると体の回転力を十分に活用でき、力強いショットが打てるのです。また高い位置でボールを打ち返せますので、高く飛んできたボールにも対応しやすくなります。さらには必要以上に体を大きくスピンすることを防ぐ効果もありますので、ムダな動きが減り体力消耗を防げます。

<h4>【まずは基本をマスター】</h4>
憧れのプロテニスプレーヤーがいた場合、その人のようなプレーをしたいと考えてフォームまで真似する方がいますが、初心者のうちは基本に忠実にプレーをするようにしましょう。そのためにも、まずは基本のフォアハンドのテイクバックを学ぶことが重要になります。基本のフォームについてはインターネットの動画サイトなどでも紹介されていますので、それを参考にしてみてもいいですし、本格的に学びたい方はテニススクールに通うのも手段のひとつです。どうしても憧れのプロ選手のようなプレーがしたいときは、ある程度基本の姿勢でボールが打ち返せるようになってからにしましょう。無理をしてプロの姿勢を学んでしまうとそれが悪い癖として身についてしまって、今後の上達を阻害してしまうことにもつながります。そのためにはプロのプレーを真似するのではなく、今現在自分に何ができるのかを考える、知ることが重要になってきます。また併せて体幹を鍛えることも必要です。プロはよくこんなフォームでよく打ち返せるなという姿勢でボールを打つことがありますが、それは強靭な体幹を持っているからです。体幹を鍛えるとさまざまなスポーツにも役立ちますし、テニスの上達も早くなりますので、テニス技術習得に加えて体幹トレーニングも取り入れてみましょう。

 

テニスのフォアハンドのグリップと握り方

<h4>基本的なグリップの握り方</h4>
テニスラケットはハンマーを握るようにもってはいけません。一見するとこの握り方のほうが力が伝わりやすく感じますが、これではラケットを上手に、そして素早くコントロールすることが難しくなります。基本的には握った時に、人差し指と中指の間に少し感覚をあけることを意識して握ります。
グリップの握り方は大きく分けて4つあります。1つ目はウエスタングリップです。一番厚い握り方で、強いボールやスピンを打ちたいときに好まれる握り方です。2つ目はセミウエスタングリップです。フォアハンド、バックハンドで打つときの基本的な握り方になります。中級者から上級者向けの握り方です。3つ目のイースタングリップは初心者が特にフォアハンドを打つ時に使用する握り方です。最後の4つ目はコンチネンタルグリップです。サーブやスマッシュ、スライスなどを打つ場面で使用する握り方です。
握り方を気にしない方もいますが、基本的な握り方ができていないと自分のイメージ通りにボールを打つことができなかったり、アウトやネットなどミスにつながります。テニスを始める時には、まずグリップの握り方をマスターしましょう。

<h4>コンチネンタルグリップの握り方</h4>
コンチネンタルグリップはテニスラケットを地面に垂直に立てた状態から、人差し指と親指の間で作ったV字型の部分で上から真っすぐに握ります。よく包丁を握るような感じと言われています。コンチネンタルグリップはすべてのグリップの基本となるので、初心者であればまず確実に覚えておきたい握り方です。この握り方だとフォアハンドとバックハンドを握り変えずに打てるメリットがあります。サーブやスマッシュも打てるので、初心者であればコンチネンタルグリップを覚えておけば、一通りのプレーができます。ただし力強いショットは打ちにくい握り方です。
コンチネンタルグリップに馴染めるように、ラケッティングという練習方法があります。ラケット面でボールを突く練習です。簡単に見えますが、この時にグリップの握りを意識しながらボールを突きましょう。

<h4>強いショットを打つ握り方</h4>
強いショットを打ち込むことができれば、相手のミスを誘うこともできます。チャンスの時にはエースを取ることもできます。強いショットを打つためには、ただ力いっぱいにラケットを振ればいいという訳ではありません。強く打つ方法の一つはラケットを長くすることです。ただロングサイズのラケットは値段が高いことや、ボレーなど特定のプレーに向かないなどのデメリットもあります。実はグリップの握り方を変えるだけで、ロングサイズのラケットと同じように強いショットを打てるようになります。その握り方とは、グリップエンドを包むように握ることです。グリップエンドを親指の付け根にあてて、小指はグリップエンドに引っ掛ける感じです。この握り方をすると、力強くラケットを振ることができます。そして少ない力でも力強いショットが打てるようになります。手の小さい方であれば、グリップサイズを小さくすることで、この握り方ができるようになります。
ラケットのサイズはそのままでも、握り方を調整するだけでもかなりの違いを実感できます。

<h4>フォアハンドの苦手を克服する</h4>
通常フォアハンドは利き手で持つため苦手と感じる人は少ないでしょう。でも徐々にレベルアップし、バックハンドも上達するとバックハンドに頼るようになり、フォアハンドが不安定になる傾向があります。特に上級者でフォアハンドが苦手だとごまかしがききません。相手は苦手に気が付いて、執拗にフォアハンドを狙ってきます。早い段階でフォアハンドを安定させることを意識しましょう。
フォアハンドが苦手になってしまう原因の一つは、手打ちです。利き手で打つのである程度は上手にコントロールできます。しかし手のひらだけで打っていると、徐々に疲労がたまってきます。試合中盤から終盤になると疲労がピークになり、自分の思うようなショットが打てなくなります。相手が自分と同じレベルか、それ以上のレベルであればなおさら手打ちでは太刀打ちできなくなります。それでフォアハンドの苦手を克服するための方法は、足からしっかりと手に力を連動させることです。例え手でラケットを握りボールを打つとしても、足の力で打つことを意識しましょう。
足の力をしっかりと手に伝えて安定したフォアハンドを打つためには、ポジショニングが重要です。思ってもいないスペースにボールが返球されると、足が追い付かないため手打ちで返してしまいます。常にポジショニングを考えながらプレーすることが求められますが、そのためには予測力を身につけることです。「相手がこのスペースに返球してくる」とある程度予測できれば、それに応じてポジショニングをとれます。結果、しっかりとボールをとらえられる位置からストロークできるので足の力を十分に手に連動させることができます。

 

テニス初心者のためのフォアハンドの打ち方

<h4>1.回転をかけて打つ</h4>

テニスのストロークには利き手で打つフォアハンド、利き手じゃない方を主体に打つバックハンドがありますが、やはり利き手ではない方を使うバックハンドを苦手としている人が多いのが実情です。しかし、利き手で打つフォアハンドの方を苦手としている人も多く、こちらの方がより深刻です。バックハンドでないと返せない場合はともかく、そうでないならストロークはフォアハンドで打つので、こちらに問題があるとテニスの上達には繋がりません。初心者や、初心者ではないけれどもフォアハンドを苦手としている人がどう打てばいいかですが、回転をかけるのがコツです。高速で相手のコートに飛んでいくフラット系のストロークを目標としている人も多いはずですが、フラットのストロークであっても多少は回転しています。ストロークは下から上にすくい上げるようにして打つのが基本で、下から上のスイングでラケットのスイートスポットに当てれば必ず回転はかかりますから、まずはこの下から上の動作を身につけてください。初心者にありがちなので横にスイングすることで、これではボールをうまく飛ばせません。回転はかかるかもしれませんが、下から上のスイングのトップスピン系の回転ではないので、あらぬ方向に行くのが大半です。

<h4>2.どんなスタンスで打つか</h4>

これはフォアハンドの打ち方というよりはストロークの打ち方ですが、まずは下から上のスイングを意識して練習しましょう。テニスの基本中の基本と言っても過言ではないので、しっかりと身につけて損はないテクニックです。フォアハンドは利き手で打つので、バックハンドと比較すると自由度の面で優れています。オーソドックに打つ、あえて体の前の方で打つなど様々な選択肢がありますが、だからこそどう打てばいいか迷うケースも珍しくはありません。まずは、どのようなスタイルでフォアハンドを打つのかをしっかりと決める必要があります。変わったスタイルを取り入れるのは基本ができてからでも遅くはなく、まずはスタンスを決めましょう。ストロークを打つ時に足をどう運ぶかは重要なポイントであり、スタンスと呼ばれますが、プロの試合でよく見られるのは足を横に揃えて打つオープンスタンスです。正面を向いた状態のままストロークができるのが魅力ですが、初心者にはやや難しいスタンスです。プロの場合はお互いに技術が高く、ストロークで走らされることが多いのでオープンスタンスの出番が増えますが、初心者のうちはスクエアスタンスで練習するのが有効です。スクエアスタンスは、両足を結んだラインが打ちたい方向に向いているスタンスのことで、ボールをしっかりと返したい場合に最適です。オープンスタンスは体重移動が難しく手打ちになりやすいのが難点ですが、スクエアスタンスはしっかりと前足に体重を乗せられます。初心者のうちはスクエアスタンスで足を踏み込んでストロークする、これを意識するとよいでしょう。

<h4>3.手首とラケット面の注意点</h4>

実際にフォアハンドの練習をしていて手首が痛い、これは初心者にありがちな失敗ですが、痛みを感じる人は特に手首に注意しなければいけません。これも自由度の話に関係していますが、バックハンドと比べるとフォアハンドは自由度が高い分、手首にひねりの動きを加えやすいのです。実際には、初心者の段階でフォアハンドのときに手首を返す必要はなく、手首を固定する意識が重要です。プロでも手首を返してフォアハンドを打つことなどほとんどなく、手首を動かさないように意識して練習するのは有効です。手首が固定されていないと手打ちで変な方向に飛ぶケースが増え、さらに痛めやすいといいことはまるでありません。フォームはどのレベルの選手にとっても重要ですが、初心者のうちにスイングのフォームを固めるのは上達の近道です。1人で練習してもフォームが合っているかなど、なかなか分からないので、できればテニススクールでしっかりと教えてもらうのが効果的です。フォアハンドがうまくいかない場合でも症状は様々ですが、その中でも特に厄介なのはネットにかかりやすい状態です。試合ではネットにかかったらその先はないので、ネットを超えないボールが多いならすぐに対策を練る必要があります。ボールが上に行かない場合にまず考えられるのは、ボールと当たった時のラケット面の向きです。スイートスポットに当てても、ラケット面が上向きだったり下向きだったりするとあらぬ方向にボールが飛びやすいので、ラケット面の調整が必須です。インパクトの瞬間にラケット面が下を向いているとボールは上に飛びにくいので、正面からボールを捉える練習が欠かせません。一応、あえてラケット面に角度をつけて回転をかけるテクニックもあるのですが、こちらは初心者のうちは手を出さない方が無難なので、まずはラケット面を正面に向けた状態でボールを捉えられるように練習するのが効果的です。ボールの飛び過ぎを恐れて軌道が低くなる場合もありますが、ネットにかかるのが最も問題だと普段から意識するとよいでしょう。

 

テニス初心者のバックハンドの打ち方のコツ

<h4>バックハンドはテニスの基本ショットのひとつ</h4>
バックハンドはフォアハンドの次に習うテニスの基本ショットで、打ち合いをするためにもフォアのみでなくバックも一緒に練習する必要があります。ただバックハンドの動作は、日常生活の中であまり使用することがない動きなので感覚をつかむことが難しくて、テニス初心者の多くは苦手意識を持ってしまいます。しかし、体の構造を考えると両手・片手に関係なくバックハンドの方がフォアハンドストロークよりも安定するようになっているのです。つまりテニス初心者であっても、バックハンドの打ち方のコツと正しい練習方法を理解して実践することによって、安定したボールを打てるようになります。その為に抑えておく必要がある練習に取り組む際のポイントは、ボールをしっかりと見ているのか、許容範囲内のグリップでラケットが握れているのかです。また、背中から腕にかけて脱力できているか、軸足が正しい位置に置かれているかもポイントで、その打ち方のコツを身につける練習をするのが大切です。練習によりバックハンドに対する自信を積み上げると、バックハンドに対する苦手意識がなくなって、いつしか武器になるレベルまで進歩すると考えられます。

<h4>素振りと手出しで基本の打ち方を練習</h4>
テニス初心者のバックハンドの打ち方のコツを習得するためには、基本となる体の動きを学ぶことが大切で、そのひとつがグリップの握り方です。グリップの握り方は、利き腕の力を抜いた状態で体に沿って降ろし、その際にラケット面が地面と約90°~45°程度になるように握るのがコツです。両手の場合は、利き手の上にもう片方の手を自然にくっつけて添えるようにして握ると、両手バックハンドの基本の形になります。両手バックハンドのスイングは、体の中心にラケットを構えた状態から、軸足の股関節を閉じるようにして折って横向きに上半身をターンします。そして、グリップをラケットの重さに任せる感じで軸足のポケットの位置に来るまで下げると、テイクバックは完了になるのです。その状態で野球のバットを振るのと同様に、利き手でない方の脇を閉じて軸足の股関節を開放して、今度は逆の足の股関節を閉じていきます。腕が力まずに打ち終われると自然に肩の上へラケットが乗っかることになって、この一連の動作が両手バックハンドの打ち方のコツです。片手バックハンドのスイングは、体の中心にラケットを構えた状態から、軸足の股関節を閉じるようにして折って肩を入れた状態で全身を横向きにターンします。テイクバックが完了したら踏み込み足をボールに対し思い切り踏み込み、体が前を向かないように利き手を後ろに引いて我慢しながら胸を開いていきます。一連の動作が終了した時に利き手側の側面がネットを向いて入ればOKで、これが片手バックハンドの打ち方のコツです。これらの動作がしっかりと行なえるように、基本の素振りと手でボールを出す手出しを交互に繰り返して練習すると良いです。

<h4>初心者はラケット出しからストレートラリー・クロスラリーへ</h4>
先に触れた練習で素振りが安定して、力むことなく手出しでもちゃんとボールが飛ばせる段階まで進んだら、今度はバックハンドの打ち方のコツを習得するためにラケットで球出しをします。ラケットで球出しする際のポイントは、手出しよりも勢いがあってラリーよりも勢いがないボールに対して、フォームを崩さずにしっかりと打てるかどうかです。その為には、軸足がスイングの最初から終わるまで動かない位置に置くことがコツで、足の位置が動かないことにより背骨を回転軸として安定して回ることができるのです。このラケット出しの練習時には、腕に力が入っていないこと、打ちはじめから打ち終わりまで足の位置が変わっていないことを確認しながら行うのが大切なポイントです。ラケット出しでもフォームが崩れないでバックハンドができるようになったら、次の段階としてラリーの中でも打てるように、正しい位置に足を運ぶフットワークを身につけることです。またストレートラリーとクロスラリーでは、打点の位置や足の位置が異なってくるので、ストレート・クロスの両方とも均等に練習することが重要になります。ただストレートラリーやクロスラリーの練習を進めている際に、フォームが少しずつ崩れてくることも少なくないことです。フォームに注意しながら少しでもおかしいと感じる場合には、もう一度素振りや手出しへ戻って基本から作り直していくことがテニス初心者にとっては必要なことです。このようにバックハンドは、段階を追って一つ一つ練習していけばテニス初心者でも身につけることが可能なことです。しかし、段階を経ることなくいきなりラリーから入ってしまったり、基本となる素振りが最初から間違っていたりしたら、バックハンドが不安定になるか安定してもパワーのないボールになってしまいます。テニス初心者は、そのことをしっかりと理解してバックハンドの打ち方のコツを正確に身につけていくことです。

 

テニスのバックハンドの練習方法

<h4>意識して練習する必要がある</h4>
テニス初心者でもバックハンドが得意という方もいるでしょうが、多くの方は不得意だったり何かしらの不満があったりすると考えられます。ただ、バックハンドは両手にしても片手にしても利き手が前にあることから、本来は打ち負けしにくいショットです。また両手のバックハンドの場合には、関節の自由度がある程度制限されることによって、ラケット面が安定しやすくなるのです。このようなことからフォアハンドよりも安定感があって、重い球が打てるはずで習得すると武器になると考えられます。その為にはバックハンドの練習をする必要があるのですが、初心者の方は練習方法というとラリー練習を連想してしまう方も少なくないです。しかしラリー練習では、どうしても回り込んでフォアハンドで打つことが多くて、バックハンドを打つ機会が比較的少なくなってしまいます。このようにラリー練習では打つ球数が減ってしまうので、毎回の練習に意識して取り入れる必要があって、そうしないとバックハンドを身につけられないのです。

<h4>バックハンドを上達させるためには?</h4>
どのような練習メニューを実施すると、初心者でも安定感のあるバックハンドで打てるようになるのかと言うと、手出しによる球出しを行うと良いです。なぜラケット出しではなくて手出しの球出しが、バックハンドを上達させるための練習なのかと言うと、その方が正しい打ち方を習得できるからです。実は勢いのあるボールというのは、多少変な打ち方であってもラケット面に当たれば相手のコートに返すことは可能なので、練習時はあえて実力が分かる手出しで球出しをするべきです。手出しの球出し練習において意識すべき注意点は、ラケット面で安定してボールを捉えるには、自然なテイクバックが重要ということを理解することです。シンプルに軸足の腰のポケット部分にラケットのグリップがくるように素早く脱力して準備することを、意識して練習をするのが大事です。2つ目も安定してボールをとらえることにつながることですが、テイクバックでできた打点の面を崩さないように体幹でボールを打つことを意識して練習することです。それにより安定した面がボールにぶつかって、腕に力が入っていないままでも力強いバックハンドが打てるようになります。3つ目は、打ちたい方向の後ろに軸足を入れることを意識して練習することで、それによりボールの打ち分けと球質を良くすることができるのです。つまり、軸足が打ちたい方向の真後ろに入ってボールが打てるようになれば、安定して正確なバックハンドができるようになります。

<h4>テニス初心者の両手バックハンドの練習法</h4>
両手バックハンドの練習の仕方にはいろいろとありますが、体を回転させることを習得することが基本になるので、その為の練習をすると良いです。具体的な練習方法としては、重いバスケットボールのようなメディシンボールを使用して、2人でキャッチボールをします。これによりフォームの練習にもなりますし、それと共に体幹のトレーニングにもなるので、一石二鳥の効果が得られることになります。バケツに水を入れて撒くイメージで素振りをすると、体を上手く使えるようになって体を回転させることの習得につながります。手出しによる球出しをする際に、おへそにラケットエンドをつけて打つ練習をすると、通常よりも体を捻らないと打てないので体を回転させる練習になります。こうした練習によって体の回転と左手できちんと押す感覚を身につけることで、テニス初心者でも両手バックハンドができるようになります。

<h4>片手バックハンドの練習法</h4>
ラケットを強く握らないで遠心力を感じる程度にゆっくりと大きなスイングを繰り返し練習することで、右肩を中心とした安定した片手バックハンドスイングができます。それに体の回転と右足のスタンスをスイングにプラスさせてラケットスピードを上げる動きを練習すると、さらに片手バックハンドスイングを安定させることになります。またスイングの最初で体に近いところから肘の曲げ伸ばしにより加速をつける動きを連携できるようになれば、スイングが安定すると共にラケットを加速させる体の使い方が習得できます。その為に、グリップを強く握らない状態で利き腕一本によりラケットを軽く大きく振る素振り練習をするのが一番です。ただし、この練習はあくまでもしっかりと片手でラケットを振る感覚を意識するための補助的な練習で、それを理解して片手バックハンドの練習法のひとつとして取り入れると良いです。それからショートクロスを片手バックハンドで打つことを習得する練習があって、それはシンプルに感じでしょうが短い距離のラリーによって角度をつけた感触を養うことです。そして、問題なくショートで打てるようになった段階で、今度はベースラインからのクロスラリーに挑戦して、打てるように練習することです。実際の試合では全てのボールでショートクロスを狙うわけではないですし、打ちやすい球と打ちにくい球があるので、両方をしっかりと身につけておくことが大事です。

 

テニスのバックハンドは片手と両手、どちらがいいか

テニスはいくつになっても楽しめるスポーツのひとつです。テニスを始めるようになってプレーする機会が増えるほど、もっと上手になりたいという欲も出てくるでしょう。テニス初心者にとって難しい技のひとつがバックハンドです。バックハンドの上達方法について紹介していきます。

<h4>【バックハンドとは】</h4>
テニスだけでなく卓球でも使われるバックハンドとは、ラケットを持つ手の反対の側に飛んできたボールを打ち返すことです。自分の身体とは反対側に飛んできたボールは、体の位置を変えて打ち返すよりもバックハンドを使った方がより確実に相手のコートにボールを打ち返せます。しかしこのバックハンドが上手くできず悩む初心者も少なくありませんし、バックハンドは両手や片手で行うなど人によってさまざまです。どちらを選ぶかは人それぞれで、たとえば好きなテニスプレーヤーがいたら、その選手が片手か両手、どちらのバックハンドをメインで行っているかで選んでもいいでしょう。また自分の打ち返しやすさも重要になってきます。人によっては片手のほうが打ち返しやすい、両手だと難しいといったように打ち返しやすい方法がありますのでそれで決めてもいいでしょう。

<h4>【バックハンド両手打ちのメリット、デメリット】</h4>
バックハンドを両手打ちで行うか片手打ちで返すかで悩むかたもいますので、まずは両手打ちのメリットとデメリットについて理解しておくと役立ちます。バックハンド両手打ちのメリットは、力のない方でもボールを打ち返しやすい点です。バックハンドで相手のコートに届くくらいにボールを打ち返すためにはそれなりの力が必要です。テニスを始める前に何かしらの筋トレを積んでいて腕力には自信があるならいいのですが、初心者や女性の場合はバックハンドでボールを返すのもなかなか難しいでしょう。両手打ちなら両手の力を合わせてボールを返せますので、初心者や女性でもバックハンドで打ち返しやすくなります。そして強いボールを打ち返せるもの両手打ちのメリットです。テニス初心者から中級、上級とすすんでいったときに、より強いバックハンドを返すことが出てくるでしょう。その時も両手打ちを練習しておくと、場面に応じて強いバックハンドが打てるようになるのです。しかしその反面でデメリットもあり、ひとつは体力が必要なことです。両手のバックハンドはリーチが短くなってしまうため、素早く動いて体勢を整えないとうまく打ち返せません。だんだんと初心者から上達して来るとボールのスピードも早くなってきますので、両手のバックハンドで返すときはより早い動きが必要になってくるのです。

<h4>【片手打ちのバックハンドのメリット、デメリット】</h4>
片手打ちのバックハンドのメリットのひとつがリーチが長い点です。片手で打てますので、体勢を整えなくても両手より素早くボールを打ち返せます。おかげで守備範囲も広くなりますので、自分のいる位置よりも離れた場所にボールが来ても、打ち返せる可能性が高くなります。他にもさまざまなショットを打てると言う点もメリットになります。同じバックハンドでもスライスやトップスピンといったさまざまなショットを打ち返せますので、多彩なプレーが展開できるようになるのです。テニス初心者のうちはとりあえずボールを打ち返すことに専念しますが、次第に上達してくると頭脳を使ったプレーを取り入れる場面が多々出てきて、それがテニスの面白さにつながっていきます。片手のバックハンドのデメリットは、打ち返すのにそれなりの技術が必要になることです。両手で打ち返すよりも腕力と技術が必要になりますので、ある程度練習を重ねないと、きちんと打ち返せるようにはなりません。

<h4>【初心者はどちらを選ぶべき】</h4>
初心者はバックハンドを返すことがまずは大切ですから、両手か片手かのバックハンドで迷ったときは自分のやりやすい方を選んでいいでしょう。多くの初心者がパワーと技術不足から両手でのバックハンドを選ぶことが多いです。両手のバックハンドも中級、上級になってからも使う機会が多いですから、初心者の内にしっかりと練習を重ねておきましょう。そして両手のバックハンドが上手くなってきたら、今度は片手のバックハンドも練習してみるといいでしょう。初心者でただ単純にテニスを楽しみたいだけであれば、無理に片手のバックハンドを練習する必要はありませんが、今後もっとテニスを上達したい、さまざまなプレーをしたいという気持ちがあれば、片手のバックハンドも練習しておくと役立ちます。片手のバックハンドは技術も必要ですが腕力も必要です。テニスの時間以外にも筋トレなどを行って腕の力をつける努力をしましょう。特に女性は男性よりも腕力の点で劣りがちですから、人一倍筋力トレーニングが必要な場合もあります。筋力をつけるためには筋トレだけでなく食事も重要な意味を持っています。食事でしっかりとタンパク質を補うと良い筋肉が付けられるでしょう。

 

テニスのバックハンドのグリップと握り方

<h4>バックハンドのグリップの握り方</h4>
バックハンドのグリップは片手打ちか両手打ちかで握り方が変わってきます。片手打ち、両手打ちでそれぞれメリットとデメリットがあるので、自分のプレースタイルなどを考えて決めます。
片手打ちのバックハンドのグリップの握り方にはイースタングリップ、セミウェスタングリップ、ウェスタングリップの3つがあります。イースタングリップは、親指と人差し指がグリップの左角に当たる握り方です。軽めのトップスピンなどを打ちたい時にはこの握り方が好まれます。セミウェスタンは親指と人差し指がグリップを握った時に左斜め45度の部分に接する握り方です。イースタングリップに比べると、強めのショットを打てる握り方です。ウェスタングリップはテニスラケットのグリップを真上から握ります。

両手打ちの基本的なグリップの握り方は、4つあります。1つ目は右手がイースタングリップ、左手がセミウェスタングリップという組み合わせです。プロ選手の多くもこの握り方を使っています。右手をイースタングリップに素早く握りなおすために、グリップチェンジの練習が必要になります。この握り方は利き手とは反対の左手にも力が入りやすいので、両手打ちの良さを最大限引き出すことができます。2つ目は左右両方がセミウェスタングリップという握り方です。バックハンドであっても右手に力が入りやすい握り方なので、スピンをかけやすくなります。ただし打点が他の握り方よりも前になるので、リーチが狭くなってしまいます。3つ目は右手ウェスタン、左手がセミウェスタンです。このグリップはボレーの時でも同じ握り方で打つことができます。通常はグリップチェンジが必要になるので、両手打ちはボレーに向いていないとされています。4つ目の握り方は、左右両方でコンチネンタルグリップです。スライスやボレーを打つときに使う握り方です。両手打ちの場合には、腕の力などによっても握り方が変わるので色々な握り方を試して自分に合う握り方を見つけましょう。

<h4>片手打ちバックハンドのメリット・デメリット</h4>
最大のメリットはバックハンドでも色々な種類のショットを打つことができます。上級者になると同じフォームからでもスライスやドロップショットを打つことができるようになるので、戦術パターンはかなり広がります。また手の長さをそのまま生かすことができるので、両手打ちに比べてテニスコート上の守備範囲を広げることができます。
バックハンドの片手打ちには高い技術力が求められます。しっかりとテニスラケットをコントロールするだけの技術と力がないと、とんでもない方向へボールは飛んで行ってしまいます。単純に考えて両手打ちに比べると半分の力になってしまうので、強いショットが打てないという弱点もあります。両手打ちに比べると習得するまでに時間がかかる握り方ともいえます。

<h4>両手打ちバックハンドのメリット・デメリット</h4>
初心者や女性には好まれる握り方です。力を十分にボールに伝えることができる握り方なので、手打ちになってしまっても返球することができます。バックハンドの握り方に慣れるまでは、フォアハンドと同じように強いショットを打ちにくいですが、両手打ちであれば強打しやすいというメリットもあります。
両手打ちは早く習得できますが、片手打ちに比べるとリーチが短くなってしまうので守備範囲は限定されてしまいます。特にシングルスの場合はダブルスに比べると体力勝負になるので、両手打ちしかできないとバックハンドを狙われてしまいます。また両手打ちの握り方では、スライスやボレーなどのショットが打ちにくいので別メニューでの練習も必要になります。

<h4>バックハンドグリップでスイングするコツ</h4>
特に両手打ちに当てはまりますが、腰や肩の体の回転を上手に使うようにしましょう。両手打ちの場合、手打ちであってもある程度の強いショットを打つことはできますが、変な癖がついてしまうと、後々戻すのが大変です。体のひねりを上手に使って打つ癖をつけると、バックハンドの威力をさらに向上させることができます。
そしてボールの軌道を安定させるために覚えておきたいのが、左手の使い方です。左手でグリップを押すことができれば、ボールは安定してきます。両手打ちでは両方の手の役割を十分に発揮させることを意識しましょう。
もう1つのコツはスイングを横方向ではなく、縦方向に意識してみることです。ボールを前に打つことを考えると、野球のボールをバットで打つようにテニスラケットを振りたくなります。この打ち方では両手が不自然な動きをしてしまうので、ボールを安定させることができません。縦方向へのスイングを意識的にしてみることで安定感は向上します。そして最後はラケットを頭の後ろまでくるようにスイングしましょう。
バックハンドを習得することができれば、フォア以上に強力な武器になります。初心者であれば、まずは両手打ちから練習をはじめましょう。

 

テニス初心者のためのサーブ練習方法

<h4>サーブはテニスでとても重要なショット</h4>
テニスのサーブの球種には、フラット・スピン・スライスの3種類があって、フラットサーブはラケットの面でボールを力強く打つことで直線的な軌道になります。それからスピンは、縦の回転をボールに与えることによって落下する軌道を持ったサーブで、スライスというのはフラットとスピンの良いとことったサーブです。ただ、テニスのサーブで最も重要なことは、しっかりと相手コートに入れることで、サーブが入らなければテニスは始まらないと言えます。その為、テニス初心者がまず身につける必要があるサーブは、何といっても相手コートに確実に入るサーブで、それを基本にしっかりと練習することです。しかし、ただ単純に打っているだけではテニスのサーブは上達しませんし、限られた時間のレッスンでは打つのも限界があります。また、コーチがサーブの一球一球に対してアドバイスをしてくれることも現実的には難しいものなので、個人でも上達できる練習法を知っておくと役立ちます。

<h4>身近なものを利用して練習する</h4>
しなやかなサーブのスイングを身につけるために役立つ最高のアイテムが、誰もが持っている身近な存在のタオルとペットボトルです。どのように使用して練習するのかというと、フェイスタオル程度のサイズのものを用意して、そのどちらかの端を団子状に結びます。そして、その団子を作った端と逆を持ってサーブの素振りの練習をすると、先端が団子状になっていることで重くなって、自然に加速するスイングを体感できます。ちなみに、野球のピッチャーが投球フォームの練習のために、タオルを使ってやるケースがありますが、それをイメージすると良いです。もうひとつのペットボトルは、中身を約3分の1程度入れた状態で、蓋のところを持ちタオルと同様にサーブの素振りを練習します。ただし、ペットボトルを使用する際には、ボトルの中身が底にあるのかふたの方にあるのかを意識しながら練習することが大切です。その理由は、スイングが加速しているのならペットボトルの底の方に中身が留まりますが、当てるだけのサーブに近いと中身が蓋の方に留まるからです。タオルとペットボトルどちらかを使用してサーブの素振りの練習をするのも良いですし、両方を使用して練習するのも良いので自分に適した方法を選ぶことです。

<h4>テニス初心者が体の使い方を覚えるための練習</h4>
テニスにおけるどんなショットでも体の捻り戻しがないと、どうしても地面からの力を腕へ、そしてラケットへと上手に伝えることができないものです。その為に、テニス初心者は特に手打ちになってしまったり、思ったようにパワーのあるボールが打てなかったりします。しかし、初心者にとってサーブで体の捻り戻しを意識することは難しいことで、なかなか体感することはできないケースが多いです。

そこで、通常は横向きで打つサーブという常識を一旦無視して、ネットに正対して立ち正面を向いてサーブを打つという練習をするのです。その時に注意して欲しいことは、トスを横向きで打っているのと同じ場所にあげるということで、そうしないと体の捻り戻しを使ったスイングが体験できません。この方法でサーブの練習をして体の捻り戻しの感覚が少しずつ掴めてきたのなら、徐々に利き足を後ろに下げていって、本来の横向きスタンスに近づけていきます。これにより美しいフォームでサーブを打てるようになりますし、実際のサーブでは単純に横向きで打てばOKなので何の問題もないので心配する必要はありません。

<h4>サーブのスピードをアップさせる練習</h4>
テニス初心者の中には、一度は速いサーブでサービスエースを取ってみたいと言った夢を持っている方もいるでしょうが、闇雲にラケットを速く振ったとしてもミスをしてしまうだけです。実はサーブのスピードアップに必要な要素はインパクトの当て方で、その理想はラケットヘッドから肩の付け根までがインパクトの時に一直線になっていることです。インパクトの時にはラケットの面は多少下に向いているので、ボールも上に当たるのがベストと考えられて、スピードアップのための正しいラケット面とボールの当たる位置が分かったと思います。しかし、テニス初心者が実際にサーブを打つ時に、この位置を意識して打つことは難しいので、その感覚を覚えるための練習法があるので実践してみると良いです。その練習方法は、本来はサーブとして成立しないことですが、ボールを自分のコートに一度バウンドさせてから相手のコートに入れるといった練習方法です。こうすることで、トスの位置・ラケットの角度・ボールのどこにラケットを当てたかなどが分かるようになって、正しいイメージでサーブを打つことができるようになります。そして、上手にできるようになってきたら、徐々にバウンドさせる位置を変えていって、本来のネットを越すサーブに近づけていくと良いです。こうした練習をしていくことでサーブが格段に上達していくので、焦らず地道に続けてみることをおすすめします。

 

テニスのサーブのグリップと握り方

テニスではサーブから試合がスタートしますが、サーブだけで点が入ってしまうこともあります。サーブを練習するにはグリップの握り方が重要です。

<h4>【薄いグリップがポイント】</h4>
サーブをするときにグリップは薄いほうがいいとか厚い方がいいと言う表現を使いますが、ラケットの面が下を向く状態の握りをグリップが厚い、グリップを包丁のように握ったときは薄いと表現します。サーブをするときはグリップは厚いよりも薄くしたほうがいいといわれていますが、その理由はボールに回転をかけるためです。ボールはある程度のスピードが加わるとコートから外れる可能性が高くなりますので、縦回転を加わてコート内に速いボールを打ち込む必要があります。そのためにはボールを上から押さえつつ、少し上に向かってスイングすると良いでしょう。

<h4>【薄いグリップでサーブを練習】</h4>
薄いグリップは包丁を持つようにラケットのグリップを握る方法になります。その状態で少し長めにラケットを持ってスイングを行うと、遠心力を使ってボールを速く遠くへ飛ばす力が加えられます。さらに手首の力が適度に抜けて、安定したサーブが打てるようになります。バックハンドやフォアハンドの練習と違って、サーブだけは自分一人でも省スペースでも練習できますので、時間を見つけて自主練習を積んでみましょう。サーブは初心者の内に正しいフォームを身に着けておくことが重要です。最初にヘンなフォームを身に着けてしまうとサーブが上手くならないだけでなく、ケガをしやすくなったり、上達しなくなったりするといったデメリットが生じやすくなります。

<h4>【ラケットの持ち方】</h4>
グリップの薄い持ち方にもいくつかの種類があります。ウエスタングリップと呼ばれるのはラケット面が最初から相手側を向いている握り方で、ボールを打ち返したい場所にまっすぐに打ち返せます。ラケットの正面が若干左側に向いているグリップの握り方がイースタングリップです。ボールを打ち返したい方向に対して、若干斜め右を向けて構えると、狙った方向にボールを打ち返しやすくなります。ラケットが正面に向かって横を向いている握り方をコンチネンタルグリップと言います。ボールを打つときに手首をひねって打ちますので、素晴らしいサーブを打つのに効果的な握り方です。

<h4>【サーブを打つフォーム】</h4>
サーブを打つときのフォームはラケットの握り方によって異なりますが、どのフォームを選ぶにしても後ろ足に体重を全てかけておくのがポイントです。そして握り方に関係なくボールを狙っている方向にまっすぐトスアップしていきます。この時にラケットをどういった軌道で背中までもっていくのかは特に決まった形はなく、指導する先生やプロによっても形が異なりますので、自分のやりやすい軌道を見つけるのがいいでしょう。テイクバックの姿勢が取れたらできるだけ短い時間のうちに体重移動をしてボールを打ちます。全体重が後ろ足にかかっていますので、前足を一歩踏み出すだけでも体重移動が簡単に行えます。テイクバックしたときにラケットが止まっている時間が長くなってしまうようであれば、ボールを上げる位置を少し低めにするなどして、ラケットが止まっている時間が長くならないようにしましょう。そしてサーブを狙った位置に打ち込むコツとしてはラケットを振る位置が重要になってきます。ラケットを狙っている方向に向かってしっかりと振らないと、ボールが思ったところに飛ばないのです。ボールを打つときは、手首を適度に動かすとボールに適度な回転がかかり、良いサーブが打てます。ただし必要以上に手首を動かしすぎてしまうと、手首に余計な力がかかってしまって手首をケガする危険性が高くなりますので注意しましょう。

<h4>【トスアップも練習必須】</h4>
サーブを打つときはトスをあげますが、このトスがサーブの成功を左右していると言っても過言ではないのです。トスを上げる場所も非常に重要であり、その高さは人によって違います。トスを上げ始める場所は目線の高さ位の位置で、そこから1メートルくらいの高さを目安にボールをあげます。この時にボールを高く上げ過ぎてしまうとトスが不安定になるだけでなく、風による影響も強く受けてしまって、上手くサーブが打てなくなります。このトスの位置は上手く打てる位置が人それぞれ異なることから、練習を重ねて自分にとってベストポジションを探すしか方法がありません。特に決まった位置があるわけではないので、練習してベストな高さを探してみましょう。またトスの上げ方のコツをつかんでおくとトスが安定しやすくなります。腕は軽く伸ばして肘と手首を固定する、ボールごと腕を下げてボールと一緒に腕を上げる、ボールがある程度の高さになった時にボールを柔らかく離すといった点に気を付けると、トスが安定してきます。トスアップが安定するだけでもサーブが上手くなりますので、サーブと合わせてトスアップも練習してみましょう。

 

テニスのサーブ トスの上げ方の練習方法

<h4>トスを上げるためのボールの持ち方の練習方法</h4>
サーブトスを上手に打てないことで悩む初心者は珍しくありません。テレビでテニスの試合を見ている時には、いとも簡単にサーブトスを上げているので自分も簡単にできるものと思います。サーブトスを上げる際に大切なのは、ボールの持ち方です。ボールを常に同じ高さ、同じ位置に上げることができれば安定したサーブを打つことができます。
トスを上げる時には、ボールを指のお腹でやさしく支えるイメージが大切です。野球ボールを投げる時のようにグッと握らないようにしましょう。トスを安定させるためには、極力ボールを回転させないようにします。トスを上げる時にボールに指がかかってしまうと、上にあげたときに回転してしまいます。ボールが回転している状態でサーブを打つと、自分のイメージとは違う方向へ行ってしまいます。トスを上げるときには、ボールを置いてくることを意識しましょう。
ボールを指のお腹でもっと軽く上にあげてみましょう。その時にボールに回転がかかっていないかに注意します。もしも回転しているようなら、ボールがどの指に引っかかっているのかを確かめます。そしてボールを必要以上に包んでしまっていないかも確認しましょう。ボールを回転させないで上げられるようになる指のポジションを見つけられるように練習します。

<h4>サーブトスを上げる練習方法</h4>
ボールの持ち方をマスターしたら、次はトスの上げ方の練習です。上げる時には手首のスナップを使ったり、肘を使わないように気を付けます。支点となるのは肩です。肩から指の先までを一本の棒と考えます。最初はぎこちない動きになってしまいますが、繰り返し肩を支点にすることを意識してボールを上にあげる練習をしましょう。
ボールが真っすぐに上がらない時は、肩を使っていない時です。手首や肘が曲がっている可能性があります。また初心者によくあるのは、ボールが自分の前ではなく後ろへ上がってしまうパターンです。これはサーブトスを上げる時の手が内側に返っていることが原因です。この失敗を克服するために、手を外向きにしてトスを上げる練習をしましょう。
膝の屈伸を利用してトスを上げることにも気を付けましょう。これでは安定したサーブトスを常に上げることはできません。どうしても膝を使ってしまう人は、座った状態で、ボールを上げる練習で改善できます。座っていると膝を使うことはできないので、肩を支点としたサーブトスを上げる方法をしっかりとマスター出来ます。

<h4>サーブトスの位置確認のための練習</h4>
これはサーブトスを安定させるための練習方法の一つです。まずはベースライン上に立ちます。そして自分が理想とするトスを上げたいポジションにベースラインから見て垂直にラケットを置きます。この時、ラケットのヘッドはネット側を向いています。トスは基本的に自分の前にあげます。それで立っているベースラインからトスを上げて、ボールがラケットの面に当たれば理想的なポジションにボールを上げていることになります。何度もこの練習をすることで、サーブトスの位置は徐々に安定していきます。
経験を積んでスライスやスピンなどのサーブも打てるようになったら、トスを上げる位置も少し変える必要があります。でも初心者でサーブトスを上げる練習をするときには、基本となる練習方法です。

<h4>力強いサービスを打つためのトスを上げる練習</h4>
サービスは自分の打ちやすいポジションにボールを上げて打つことができます。それで力強いサービスが打てればそれだけエースになる可能性が高くなります。サービスを強く打つためにはラケットのスイングスピードや手の力だけではありません。トスを上げるポジションも大きく関係しています。
サーブトスを安定させるためには、指のお腹で優しく支え、肩を支点として上にあげることでした。これは変わりません。強いサービスを打ちたいときには、少し体を捻った状態から始めます。その状態でボールを持った手を後ろ足の少し手前まで持ってきます。その位置から斜め前を目指してトスを上げます。いつもと違う位置からトスを上げることになりますが、手首や肘が曲がらないように気を付けましょう。この位置からトスを上げると体の内側から外側に向かってボールは上がるので、自然と体を捻ることができます。強いサービスを打つために体の捻りを利用する発想です。

<h4>室内でもできるサーブトス練習</h4>
空間が限られた室内でもできる練習方法は、イメージトレーニングです。もちろん実際のテニスボールを使って練習することもできます。イメージトレーニングするのは、ボールの上げ方と置き方です。
トスを安定させるためには、ボールを上に置いてくる感覚が必要です。それで割れやすいものを手にもって、そっと上に置いてくるイメージをします。なるべくボールを置いてくる位置の近くまで手を伸ばし、ふわっとおいてきます。テニスボールを使ってもできますし、なくても手の中にあることをイメージして練習ができます。

 

テニス初心者のサーブのコツ

<h4>1.トスの練習は必要</h4>

テニスのプレーの中で、特に異質なのがサーブです。いいサーブを打てればストロークやボレーなどのプレーなしでポイントが入るケースも多く、テニスの上達には欠かせないプレーです。しかし、動くボールを打ち返す他のプレーとは違い、自分でボールを真上に上げてそれを叩くサーブは、他のプレーとは独立した存在と言ってもよいでしょう。ストロークやボレーなどの技術はサーブにはあまり関係がなく、そのせいでサーブのみがうまくいかないという初心者も珍しくはありません。利き手じゃない方でボールを上げて、利き手でラケットを振りかぶりボールを叩く、この複雑な動作を同時にこなすのは難度が高いので、初心者は苦しめられます。この左右の手の動きは反復練習で何とかするしかありませんが、まずは左右のそれぞれの動きから練習するのが基本です。サーブのコツとして挙げられるのは、トスをある程度は正確に上げて打ちやすい状態を整えることです。プロでもトスをやり直すことがあるように、プレッシャーの中で完璧なトスを上げ続けるのはほぼ不可能なので、70点から80点くらいのトスを安定して上げられるよう練習してください。

<h4>2.具体的なトスの上げ方</h4>

ボールがあらぬ方向に行けばサーブの方もうまくいくはずがないので、トスの練習は欠かせません。サーブのスイングはある程度の場所がないと厳しいですが、トスはテニスボールさえあればどこでもできるので、最もお手軽にできる練習です。指、手首、肘の3つの関節を使わないようにする、これがトスを上げる時のポイントです。関節を使って振り子のようにボールを上げると、どうしてもコントロールが定まりません。そのため、毎回のように異なる位置に飛ぶケースが多いので、まずは関節を固定してボールを上げる意識を持つのが重要です。あとはひたすら練習をこなすしかありませんが、ボールを投げるイメージではなく手のひらを使ってボールをやや前に押し出すイメージを持つのが効果的です。真上にボールを上げてしまうと、やや苦しい体勢でラケットを振る格好になり、思うようには打てません。トスは初心者を卒業するとあまり練習しなくなる人もいるのですが、上達のためにトスの練習を継続して損はありません。ただ、トスを綺麗に上げられてもサーブがうまく打てるとは限らず、利き手のスイングの方も重要です。回転をかけられたサーブは受ける方としては厄介ですが、テニススクールでまず教わるのは回転をかけないフラットサーブです。実際には、フラットサーブでもある程度の回転はかけないとアウトになりやすいのですが、最初は回転を抑えて打つのが基本です。

<h4>3.グリップや体のひねり</h4>

サーブを打つ時のグリップの握りはコンチネンタルグリップで、ここはつまずきやすいポイントです。ストロークでのグリップの握りは、握手をするように握るイースタングリップが多く使われています。その影響か、サーブでもイースタングリップに近い握りで打つ人が多いのですが、サーブの上達を目指すなら包丁を持つ時のように握るコンチネンタルグリップが基本です。イースタングリップに近い握り方をしている人ほどコンチネンタルグリップに変えた時に苦労し、まるでボールを打てないというケースも珍しくはありません。まるでボールが飛ばないようなら困るので、イースタングリップからコンチネンタルグリップへ徐々に近づける矯正方法で調整するのがよいでしょう。徐々にグリップの握りを薄くし、調整しながらコンチネンタルグリップまで持っていってください。コンチネンタルグリップでサーブを打つ際のコツは、しっかりと体にひねりを加えることです。テニスを習い始める人ならプロの試合を見たことがあるはずですが、プロのサーブに近づけようとして手の力だけでサーブを打つというのがよく見られる光景です。テニスの動きの多くには体幹の回転が使われており、サーブでのテイクバックから振り抜くまでの流れでも例外ではありません。トスと同時に利き手の方の体を後ろにひねって、その反動も利用してラケットを振り抜くのが正しいサーブの打ち方です。プロの試合でもサーブのダブルフォルトでポイントを献上するシーンは見られますが、無条件で相手にポイントを与えるダブルフォルトは最も避けなければいけません。初心者のうちはなかなかサーブをインさせるのは難しいので、確実に入れるためのセカンドサーブを練習するのも手です。セカンドサーブが安定していればダブルフォルトの心配もなく、結果的にファーストサーブも積極的に打てます。初心者だからこそ上達のためにはファーストサーブを練習した方がよいのですが、試合形式で失敗続きではモチベーションも下がってくるので、下から打つアンダーサーブでボールを入れるのも手です。もっとも、アンダーサーブも初心者の時にはなかなか難しく、入れるのは意外と難しいショットです。ストロークと同じく、アンダーサーブでもしっかりと回転をかけることがポイントです。

 

テニス初心者のボレーの練習方法

ボレーが必要な理由は?
打ち返されたボールをダイレクトに返すことにより相手の時間を奪って、ポイントを取るひとつの手段になるのがボレーです。シングルスであれば、チャンスボールに対してネットに詰めて仕留める、サーブアンドボレーでネットにでて仕留めるといった場面で使います。またダブルスなら、チャンスボールをポーチで仕留める、ストレートアタックをブロックするなどで使用されるケースがあります。特にダブルスが強いプレーヤーはボレーが上手い人が多くて、さらにダブルス巧者となれば左右だけでなく前後のコントロールに関しても正確です。それから打つ構えをした段階で、深く打つのか浅く打つのか全く区別が出来ないフォームなら、相手の裏をかくこともできます。テニス初心者としては最初からやるのは難しいことですから、ひとつずつ練習を重ねていく必要があります。

テニス初心者の練習方法
テニス初心者は、まだラケットのスイートスポットの距離感が把握できていないので、ラケットにノーバウンドのボールを当てること自体が難しいです。その為、テニス初心者にとってボレーの関門となることは、ラケットを適切な位置にもってきてボールを当てることです。そう考えるとテニス初心者のボレーの練習方法として、まず始めることはラケットを持たずに来たボールに対して手をセットすることから始めると良いです。具体的な練習方法としては、ふんわりしたボールをパートナーに、胸より上や体の左右に投げてもらって利き手でボールをキャッチします。これによりボールとの距離感を養うことができますし、それによりボールに対して適切な位置に手をセットする感覚が養われるのです。慣れてきたら第二段階として、ふんわりしたボールを胸より上や体の左右に投げてもらって、右側なら左足を左側なら右足を出してキャッチします。これによりボレーに必要な、踏み込んでボールを打つ感覚が養われて、体重移動を使ってボールを打つボレーの技術を習得することにつながります。ただ、この練習方法の弱点といえるのが、テニス初心者の方にとって面白みがないので長続きしませんし、すぐにラケットを握って練習しようとすることです。しかし、長い目で考えると上達の近道なので、地味で面白みがない練習方法であっても続けていくように心がけることをおすすめします。

実際にボールを使った練習方法
先のキャッチボールでボレーの感覚がつかめたら、今度は実際にボールを使った練習をすることになりますが、その前に打ち方の手順を理解しておくと良いです。ボレーの打ち方の手順は、ラケットと腕の角度に注意し体の前にラケットを持ってきて待機した状態から、相手がボールを打つ瞬間にスプリットステップをします。そして、フォアにきたのなら左足を、逆にバックへきたのなら右足を踏み込んで、ラケットを振るのではなくてボールを当て体重移動で運ぶイメージで打ちます。ちなみにボールを当てるラケットの面の向きは、きたボールによりますが基本はほぼフラット面のスライスを作ることを心がけると良いです。ただ面の向きについては、ローボレーとハイボレーで異なってくるので、普段からボールをたくさん打って練習量を増やし覚えていくことが大事です。その為の練習方法は、とくかくサービスライン付近でストローク&ボレーの練習を多くして、深いボレーと短めのボレーを打ち分けられるように練習します。また、できることならその際に速い球と遅い球を混ぜるように、パートナーへお願いすると実践を考えた練習になって、試合の時でも慌てることが少なくなります。

ひとりでも可能なボレーの練習方法
ボレーのグリップの握り方はストロークと少し違って、ラケットの面を地面に垂直にして持って、ちょうどグリップと握手をする感じで握ります。ポイントは人差し指と中指を若干離すことで、このような持ち方をすることでボールに力が伝えやすくなります。ひとりで練習する際には、こうしたグリップの握り方など基本的なことを確認して、チェックすることも必要なことです。それからストロークと違ってラケットを振って当てるのではなく、ボールの軌道にラケットを差し出すようにして当てます。そこで、サッカーのフティングのようにラケットとボールを何度も跳ねさせて感覚を掴むこともボレーの練習になりますし、ひとりでも可能な練習方法になります。また壁に向かって打つことも効果的な練習方法のひとつで、ボールをラケットの面越しに見るような感じで実践すると上手にできます。それから、跳ね返ってきたボールの高さに合わせて、膝や腰を使いラケットに当てることを心がけて、しっかりと自分の体より前で打つことです。ラケット面でボールを押し出すというイメージで、自分も壁になった感じでボールを跳ね返せるのが理想と言えます。その為にも、自分の体から半歩ほど前に壁を作るイメージして、ラケットをその壁に沿わすようにして当てる練習をするとできます。

 

テニス初心者のためのボレーの打ち方のコツ

<h4>ボレーが苦手なテニス初心者は多い?</h4>
テニスでは、ボレーが上手いと相手に対してプレッシャーをかけられるため、試合の主導権を握りやすくなります。特にダブルスでは大きな武器になるので、積極的にボレーがうてると試合にも勝ちやすくなると言えます。しかし、ノーバウンドで相手のショットを打つため恐怖感があるのか、意外とテニスのショットの中でボレーは苦手意識が強いです。特にテニス初心者の方は苦手意識が強いですし、それと共にあまり練習したがらないショットです。ただ、普段からあまり練習していないということは、逆に考えると練習すれば成長できる可能性があるということです。ボレーは練習すれば必ず上達するので、ボレーが得意になったといえるように、テニス初心者は練習することをおすすめします。

<h4>チャンスボールをボレーで決めるコツ</h4>
チャンスボールを相手が返してくれて、あとはボレーで決めるだけという場面で、思わずミスをしてしまうテニス初心者も少なくないです。例えばネットに引っかけてしまうとか、大きくオーバーしてしまうなどのミスをしてしまうと、精神的なダメージも大きくてプレーに大きく影響してしまいます。そのようなことを少しでも減らすために、チャンスボールをボレーで確実に決める打ち方のコツや注意点を知っておくことも大切です。チャンスボールをボレーで決めるコツは、足を使い前に詰めるようにして打つことで、そうすることによってコンパクトなテイクバックであってもスピードは十分でます。また、ボレーは相手のショットが速くても遅くても同じテイクバックで準備して打ち方を変えなくて良いので、練習時には同じ打ち方で練習することです。そうすれば自分が一番安定するボレーの打ち方のコツを習得できて、ボレーの安定感が増してミスを減らすことができます。

<h4>サーブアンドボレーの打ち方を安定させるコツ</h4>
テニスのシングルスでもダブルスでも上手くて強いプレーヤーは、流れるようにサーブアンドボレーを頻繁に使うと言われています。それによりリターン側は大きなプレッシャーがかかって、なかなかブレークができませんし、リターンミスも増える可能性が考えられます。テニス初心者のサーブアンドボレーの打ち方のコツは、闇雲に前へ詰めているだけではなくて相手のリターンコースを予測することです。自分のサーブに対して相手がどこへ返してくるのかを、ある程度考えボレーの準備をして、ファーストボレーで確実に返球できるようにはます。その為には、スプリットステップをサービスライン付近で行って、どこにリターンされるのかを見定めて、向かう方向に足が動き出せるようにするのです。こうした一連の流れを無意識にできるようにマスターすると、テニス初心者でもサーブアンドボレーの成功率が確実に上がります。テニス初心者にとって難しいでしょうが、サーブの練習においてこの一連の流れを徹底的に意識して実践することが大事なのです。

<h4>ロブボレーとドロップボレーの打ち方のコツ</h4>
対極する2つのボレーがあって、そのひとつがネット際にボールを落とす短いボレーのドロップボレーです。もうひとつは、相手の頭上を越してコート深くにフワッとしたボールを落とす長いボレーのロブボレーです。このように全く違う性質のボレーということで、一見打ち方が全く違うように考えてしまう初心者も少なくないですが、実はかなり打ち方が類似しているのです。また、パワーやスピードよりもコントロールやタイミングの方が重要になるので、テニス初心者や女性プレーヤーにおすすめのショットです。ただ、あまり打っている人がいないで、逆にドロップボレーとロブボレーを練習して自分の武器にするのもひとつの方法と言えます。先にも触れましたがロブボレーは、相手の頭を超え相手コートの深くに打つボレーなので、打ち方のコツとしてはラケット面を上に向けるようにすることです。また、打ちたい方向にフォロースルーを取りながら若干スライス回転をかけると、相手の頭上をフワッと越すボレーが打てます。その後は、ボールの回転量やフォロースルーの長さを調整して、距離の感覚を練習で養っていくと、ロブボレーが実践でも自信をもって打てます。もうひとつのネット際へ落とすドロップボレーは、ロブボレーと基本的にほぼ同じ軌道なので、ミニ版のロブボレーとイメージすると分かりやすいです。打ち方のコツはほぼ一緒ですが、フォロースルーを小さくしてスライス回転量を少し増やすといった違いがあって、そうすることで山なりのフワッとしたボレーがネット際に落ちます。

パンチボレーのコツ
テニス初心者の中には、パワーとスピードがボレーにないことを悩んで、ラケットを意識なく振ってしまいボレーをミスしてしまう方も少なくないです。そんなテニス初心者におすすめしたいのがパンチボレーで、弾く感じでコンパクトにラケットヘッドを押し出すボレーです。打ち方のコツは、ラケットを前へ構えてボールを待つこと、少し後ろにラケットヘッドをずらしてボールをはじき出す感じでパンチすることの2つです。

 

テニスのスマッシュの練習方法

<h4>スマッシュに対して正しい意識を持つ</h4>

まず、練習前に心に留めておきたいのは、スマッシュはファーストサーブとは異なるという点です。サーブならファーストサーブがアウトになってもセカンドサーブがありますが、スマッシュには2度目のチャンスはありません。1回で確実に相手のコートに入れる意識をもって打つことが必要です。

実際の試合では、1回のスマッシュでポイントを取れることは少なく、打ち返されることが多いですが、それでもスマッシュを打つことができれば、相手の体勢を崩せるという効果があります。ただし、1回で決めなければと思うと体が力んでかえって失敗するので、「スマッシュを決めよう」という意識を持つ必要はありません。ただ、確実にコートに入れるという意識は持って練習をしましょう。

また、スマッシュの練習に時間をかける人は少ないようですが、スマッシュのミスが多いと、ポイントを失って試合に不利になるだけでなく、精神的にもマイナスの影響があり、それを引きずってしまうことがあります。ですからスマッシュの重要性を意識して、毎回十分の時間を取ってスマッシュの上達を目指しましょう。

<h4>スマッシュをミスしてしまう原因を知る</h4>

スマッシュでボールに当て損ねたり、振り遅れる原因の1つは、構えた時の肘の位置が低いということです。肘が低いままテイクバックをしてスマッシュを打つと、打点が低くなったり、振り遅れたりしてしまいます。また、頭上のボールは水平方向のボールより遠くに見えますが、落下とともに加速していますから、自分が思っていた以上にボールが早く落下してきて目測を誤って振り遅れてしまうということもあります。さらに、ボールの落下点を的確に見極めてそこに素早く入ることができないというのもスマッシュがうまく打てない原因です。

<h4>確実にスマッシュを打つための練習</h4>

肘が下がっていることが原因の場合は、万歳するような感じでテイクバックをするように意識します。素振りをしているときにも肘の高さを意識してみてください。動画撮影をして自分の肘の位置をチェックしてみるのもいいでしょう。

スマッシュの練習をする時には、様々な位置に球出しをしてもらうようにします。そして、前後左右に動きながら連続してスマッシュを決めるという練習をします。その時には強く返すことよりも、確実に返すことを意識してください。的を置いてそこにめがけてボールを打ち込むようにしましょう。

落ちてきたボールを的確な判断で打ち返すには、何度も練習してタイミングをつかむしかありません。その時に意識したいのはボールは意外と早く落ちてくるというのを頭に入れて早めに構えて、早めにテイクバックをとり、ゆっくりスイングするようにすることです。また、その中でなるべく高い打点でとらえるように練習します。慣れてきたら、打った後のスイングのスピードを上げるようにすると良いですね。

また、高いロブ(高くて緩やかなボール)ほどタイミングをつかむのが難しいので、低いロブからだんだん高いロブへと球出しを変化してもらい、タイミングを合わせる練習をしましょう。高いロブでもうまくスマッシュできるようになったら、高さをランダムに変えて球出ししてもらいます。

ボールを上にふかしてしまうことが多い場合は、ロブをサービスラインより前に上げてもらい、サービスラインの内側に打ちこむという練習が効果的です。ちなみにふかすというのは、テニスでよく使われる表現で、ボールが考えていた以上にすっぽ抜けてアウトになってしまうことです。打点が後ろにならないようにして、上からたたきつけるような感じで打ちます。また、打つ時にはネットのぎりぎりの高さのところをボールが通過するようにして、サービスボックス内にできる限り浅く打ちましょう。

落下点がなかなかつかめない場合の練習方法としてよく行われているのは、ロブを左手でキャッチしてみるという方法です。何回か試して、感覚がわかってきたら今度はラケットを持って左手でキャッチするイメージで動き、スマッシュの練習をしてください。

また、スマッシュを打つ時に迷って中途半端なショットをすると必ずミスしてしまいます。振り切るのかつなぐのかどちらかはっきりさせることが大切です。つなぐ場合には、ハイボレーかインパクトでラケットを止めるスマッシュという方法で対処します。

<h4>試合を想定して練習する</h4>

スマッシュの練習をする時には、漫然と行うのではなく、試合を想定して練習する必要があります。ポイントを取るには、またミスを少なくするにはどこに打てばいいのかということも意識しながら打ってみてください。日ごろからこのような意識をもって練習していれば、実際の試合の時にも余裕をもって対戦できます。また、自分が0対40で負けている、デュースにするためには3本連続で決めなければならないなど、自分にプレッシャーをかけて練習するとスマッシュの精度を上げるのに効果的です。

 

テニス初心者のスマッシュの打ち方のコツ

<h4>素早く落下点に入る</h4>

スマッシュできるボールだと判断できた時には、体を横向きにして、テニスラケットを肩に担ぐようにし、ボールの軌道を確認しながら落下点まで動きます。横向きになると体を回転させてしてスイングでき、ボールの軌道も見えやすくなるでしょう。体を横向きにするメリットは、順クロス以外にもさまざまな方向へ打ち返すことができるということです。それから、右利きの人なら、左手を上げながらボールを左手でキャッチするような感覚で動きます。左手を上げると落下点を測る目印になりますし、体が開くのを防ぐこともできます。この時にラケットを持っているほうの肘が下がらないようにも気を付けてください。

落下点に入るために少し下がる時にはサイドステップを使います。サイドステップは反復横跳びと同じで、半歩ずつ下がるので微調整をしながら動けるのが特長です。一方、かなり後ろに下がりたい時にはクロスオーバーステップを使います。これは足をクロスさせながら一歩ずつ大きく下がる方法です。落下点に入る時には、落下点の真下に入るのではなく、それよりも1~2m後ろに下がって、打つ時に踏み込んで打てるようにしましょう。

スマッシュのミスの主な理由は、準備が遅いことです。ですから、スマッシュのチャンスと思ったらすぐに落下点に入れるように素早く動き、体勢を整える必要があります。

<h4>打点の位置と打ち方</h4>

スマッシュは高い打点で打つと考えている人もいますが、なるべく高い位置で打とうとして伸び上がると肘が伸びてしまい、タイミングがずれやすくなります。肩の関節にも負担がかかりますし、伸びきって打つと打球の威力も弱まります。それで、打点をなるべく高くとは思わずに、伸び上がらないで肘が軽く曲がるぐらいの高さで打つのがコツです。自分が打ちやすいと思う高さで打ってください。インパクトの時には肘が軽く曲がっていて、その後に肘が伸びます。また、打点は体の前になるように注意しましょう。後ろになるとスマッシュがベースラインを割ってしまう可能性が高くなります。打点が前なら、体重をかけて浅い位置に打ち込むことができます。

スマッシュを打つ時には、力まないことが大切です。体をリラックスさせて、打つ瞬間だけ力を込めます。そして体を回しながら最後まで振り切ります。テイクバックの時には体が横向きですが、インパクトの際には前を向いている必要があります。また、フォロースルーで体が前や横に大きく傾いてしまわないように安定した姿勢を保つようにしましょう。コースとしてはできるだけセンターを狙います。ネットはセンターの部分が低くなっているので、ネットにボールがかかりにくいというメリットがあります。

<h4>スマッシュの種類と打ち方</h4>

スマッシュにはロブをダイレクトに打ち込むオーバーヘッドスマッシュ以外に、グラウンドスマッシュとジャンピングスマッシュがあります。グラウンドスマッシュは非常に高いロブで、オーバーヘッドスマッシュがやりにくい時に一旦ボールをバウンドさせてから打つ方法です。ただ、グラウンドスマッシュでは打つまでに時間があるので、相手の動きを見すぎてミスすることがあります。ボールが弾んだ時に相手の位置を確認したら、迷わず自分の決めたコースへ打ち込むようにしましょう。

ジャンピングスマッシュは力みがちになるので、リラックスして打つことを心がけます。打つ際には、右利きの場合は横に向けた右足を軸足にし、上半身を後ろに倒して右足でジャンプします。空中で右足と左足を入れ替えてボールを打ち、左足から着地します。ジャンピングスマッシュでは足の運びやリズムが大切なので、素振りやロブとスマッシュのラリーなどの方法で練習しておくと良いですね。

<h4>スマッシュを打つ時のグリップ</h4>

通常、スマッシュを打つ時にはコンチネンタルグリップがよいとされています。コンチネンタルの握り方は利き手の親指と人差し指をV字に開き、V字部分をそのままグリップに当てて包丁を持つ時のように握ります。この握りだとラケットヘッドを返しやすくなりスピードも上がります。

ただ、コンチネンタルグリップだとしっかり握れない、面が向いている方向がわからないということで、厚い握りになってしまうことがあります。コンチネンタルはボレーやショット、サービスなどで上達するためにも必要な握りなので、ぜひ習得したいものです。

コンチネンタルグリップだと、手のひらの向き、そしてラケットの面の向きが同じになります。握り方でラケットの面がどちらに向いているのかを意識しながら、ラケッティングや壁打ちの練習をして、コンチネンタルグリップに慣れるようにしてださい。ラケッティングで、ラケットの上でボールをポンポンと何回も軽く打ち上げる時にスライス回転をかけると、厚い握りよりもコンチネンタルのような薄い握りのほうがやりやすいことがわかります。そのようにして薄い握りの感覚を身に着けるようにしてください。

 

テニスのリターンの打ち方のコツ

<h4>リターンの重要性</h4>

リターンとは相手の打ったサーブを打ち返すことです。このリターンがうまくできると試合を有利に運べます。リターンはサーブに比べると防御のイメージがありますが、攻撃的に利用することもできるもので、サーブよりも重要と考える人も少なくありません。また、ボレーやストロークが強くても、安定したリターンができないとなかなか試合に勝てません。リターンがうまい選手はどんなサーブを打っても確実に打ち返すので、相手にかなりプレッシャーを与えることができます。テニスの試合ではリターンは非常に重要ですが、実際の練習量としては少ないようです。リターンも上達できるように、十分の練習時間を取りましょう。

<h4>スプリットステップでタイミングを取る</h4>

うまくリターンするためのコツの1つはスプリットステップでタイミングを取ることです。スプリットステップは、その場で軽くジャンプすることですが、一般的なタイミングとしては、サーバーがボールを打つ直前にジャンプして、サーバーが打つ瞬間にボールの行方を予測し着地します。そして、着地と同時に自分が判断した方向へスタートをきります。

スプリットステップのメリットは、軽くジャンプすると着地した際に反動が得られ、ジャンプしない場合よりも強い力を発揮できるという点です。これにより、ラケットが届く範囲を広くすることができます。ですから、着地して反動が完全に失われてから動いても意味がありません。反動を利用してスタートすることがポイントになります。

また、「サーバーがボールを打つ直前にジャンプして、打つ瞬間に着地する」というのをマニュアルのように当てはめてスプリットステップをしようとすると、なかなか上達しません。大事なのは、サーバーの動きをよく見て判断することです。動きをよく見ていると体が自然に反応し、ベストのタイミングでスプリットステップができるようになります。ただ、初心者の場合は、最初のうちはなかなかうまくいきません。段階的な練習をして、徐々にタイミングをつかんでいきましょう。

<h4>リターンの際の構え方と打ち方</h4>

構える時には、足幅を広げ両膝を曲げて、重心を低く落とします。重心は膝にかけるというよりは股関節にかけるイメージで構えます。また、両手打ちの場合のラケットは、利き手はフォアハンド、利き手でないほうはバックハンドの握りで、体の中心で構えます。片手打ちの場合は、利き手をバックとフォアの中間で握ります。フォアで握ってしまうとバックハンド側を責められた時に不利になるので、どちらでも対応できるように中間の位置で握るようにしましょう。

立つ位置は、ベースライン内側、ベースラインのやや後ろ、ベースラインからかなり離れた後方のいずれかになります。それぞれ、メリットとデメリットがありますが、ベースラインのやや後ろ、2~3歩ほど離れた位置に立つと安定したリターンができます。なお、セカンドサーブの場合にはファーストサーブの時よりも前進して構えます。サーバーがモーションに入ったらタイミングを見計らいスプリットステップをしてスタートし、できるだけコンパクトに打つようにします。

ボールを打つ時には、ラケットを後ろに引いてテイクバックを取りますが、リターンの時のテイクバックはストロークを打つときのように大きくは取りません。引きは30度~45度程度です。テイクバックが大きすぎると振り遅れてしまうので注意しましょう。テイクバックの際には、ラケットが上を向かないように意識します。上を向いてしまうと、スピードのあるサーブの場合には何とか当てて打ち返すことができますが、遅いボールが来た時にミスしやすくなります。ボールがラケットに当たる瞬間のことをインパクトと言いますが、インパクトの際には、ラケットが地面に対して垂直になっている必要があります。ボールの高さとラケットの高さを同じにし、高さが変わらないように面を維持してボールを打つようにしましょう。

サーブは、ストロークと違って高い打点から打たれるもので、勢いもかなりあります。ですから、手だけで打ち返そうとしてもとても対応できません。リターンの際は、体重移動で全身のエネルギーをボールにぶつける必要があります。そのようにして初めて確実にボールを打ち返すことができるのです。そのためには打つと同時にしっかりと踏み込み、体全体で向かっていく必要があります。フィニッシュまで良い姿勢を維持することが重要なので、体がぶれないように、背筋を固くするイメージで打ちます。

また、相手がサーブを打ってきたほぼ同じ方向へ打ち返すように意識すると安定したリターンができます。打つ時には相手の足元を狙って打ち込みましょう。うまくリターンするにはスプリットステップからボールを打って踏み込むまでの過程をリズミカルに行うのがコツなので、リズムに乗って出来るようになるまで練習しましょう。

 

テニスのリターンの練習方法

<h4>的確なインパクトのための練習</h4>

打球が飛んでいく方向は、インパクトの際のテニスラケットの面の角度で決まります。初心者だとテイクバックの際にラケットが上を向いていてそのままの状態でボールを打ってしまい、アウトになることが多くなります。インパクト前の10cm、インパクトの後の10cmの位置では、ラケットが地面に対し垂直になるように意識するようにしましょう。また、ボールを打つ時には、腕だけで打つのではなく体を回転させるように注意します。1人でリターンの練習をするには、壁打ちや素振りが効果的です。

素振りの際は、サーブをイメージしながらテイクバックをコンパクトに、インパクトの際のラケットの面を地面と垂直にする、打ち込んだ後にしっかり踏み込むということを意識して練習してください。自分の素振りの様子を撮影してフォームをチェックしてみるのもいいでしょう。

壁打ちでリターンの練習をするときには、壁と自分の立つ位置との距離を短くし、インパクトの位置が体の前になるように意識します。壁との距離が短いと早くボールが跳ね返ってくるので、確実に打ち返そうとすると、テイクバックはおのずとコンパクトになるはずです。ちなみに壁打ちの練習はライジングショットの練習にもなります。ライジングショットは、ボールがバウンドした後、ボールが最も高い位置になる前に打ち返すショットです。ライジングショットでも素早い反応が求められ、テイクバックをコンパクトにする必要があります。プロはリターンでもライジングショットを使うことが多いですが、初心者の場合は確実に相手のコートに入れることが先決なので、ライジングショットに関しては将来の課題としてください。

<h4>構える位置を変えて練習する</h4>

サーブを打ってくれる相手がいるときにリターンの練習する場合は、同じコースのサーブを打ってもらい、同じ位置で何回も練習をします。まず、ベースライン1~2歩後ろの位置に立ってリターンします。この位置からのリターンは最も安定します。また、ベースラインの内側で構えると、サーブの跳ね際を打つことになります。メリットは、打球が変化する前に打つことができること、相手が構える前に返球できることで、攻撃的なリターンになります。ベースラインからかなり後ろの位置で構えると、サーブの変化が終わり、スピードも衰えてからリターンすることができます。構える位置を微妙に変化させて、違いを実感しましょう。

<h4>異なる球種、スピードが速いサーブを打つ練習</h4>

いろいろな球種とコースのサーブを打つ練習も必要です。サーブには回転が少ないフラットサーブ、回転がかかり縦に落ちるスピンサーブ、曲がって滑るようにバウンドするスライスサーブなど様々なタイプがあります。それぞれのサーブに対応できるように練習しましょう。サーブの球種を見分けるのにもコツがあります。右利きのサーバーの場合、フラットやスライスはトスを右肩の上にあげ、スピンの場合は、頭の上か左肩の方にトスを上げます。トスの上げ方を注意してみると球種を予測し的確な動きができるでしょう。

練習を重ねて、安定して相手のコートに打ち返せるようになったら次の練習に進みます。試合ではサーブはベースラインの外から打ちますが、練習ではサービスラインの1~2メートル後方から打ってもらいましょう。また、台の上に乗って打ってもらうこともできます。このような練習をすることによって、角度が急で、スピードも速いサーブに対応することができるようになります。

打ち返す時にはボールがネットのセンターを通過するようにします。センター部分は高さが低くなっているので、ミスを防げます。

<h4>リズムよく打つ練習</h4>

リターンの際にはスプリットステップで、相手がサーブを打つ瞬間に着地、ボールのコースの方向に軸足を入れ、インパクトと同時にボールが飛んできた方向に足を踏み込み打ち返すという一連の流れを意識します。リターンではこのリズムがとても大事なので、この流れをリズムよく行えるようになるまで練習しましょう。

スプリットステップは、サーバーがサーブを打つ瞬間に着地するというのが一般的ですが、大事なのはサーバーの動きをよく見ることなので、まずは相手の動きをよく見てタイミングをつかむようにしましょう。スプリットステップをしてラケッ卜の準備が遅れてしまい、どうしてもリターンがうまくできないという場合には、膝抜きを試してみることもできます。

スプリットステップと膝抜きの違いは、スプリットステップがその場で軽くジャンプするのに対して、膝抜きはジャンプせずに膝の力を一瞬抜くというところです。膝の力を一瞬抜いて落ちるとき生じる反動を利用してスタートします。膝抜きはスプリットステップと違い、動作のロスが少なく体に与える負担も軽減されます。ただし、一瞬、膝の力を抜くので体のバランスが崩れやすいですから、自分の重心を探してそこに力をあずけるような感覚で膝抜きをします。

 

室内でできるテニスのフットワーク練習方法

<h4>テニス上達のポイントはフットワーク</h4>
テニスの上達に欠かせないのがフットワークのよさです。ラケットワークが上手であっても、フットワークが悪いと上達にも時間がかかります。そして試合に勝つことも難しいでしょう。これまでテニスをしたことがない人でも、フットワークがいいと短期間で上達することはそれほど難しくありません。

<h4>フットワークの種類と練習方法</h4>
・サイドステップ
テニスにおいては基本のフットワークです。簡単にいえば、反復横跳びと同じステップになります。サイドステップを早く、小刻みにできると球に対する調整力が高まります。室内でもできる練習方法は、両足にゴムチューブをかけ、ゆっくりとゴムの抵抗力を感じながらサイドステップを繰り返すことです。体育館のように、ある程度の広さがあるのであれば実際にステップをしながら移動することも可能です。自宅のように広さが確保できない場合でも、反復横跳びの感覚で同じ場所を行き来する動きを繰り返すだけでも十分効果があります。ゴムの抵抗を少しずつ強めることも効果的です。地味な練習ですが、これによってサイドステップに必要なお尻の横についている筋肉を鍛えられます。素早く足を広げ、サイドへの動きが可能になります。

・クロスステップ
サイドステップと同じように基本的なステップですが、コート全体をカバーできるステップなので、最近のテニスの試合ではよくみられるステップとなっています。早い動きに対応でき、コート内を長く移動するときにも適したステップです。クロスステップをするときには足の内側の筋肉、特に太もも内側の筋肉を使います。室内で筋トレをするときには、太もも内側の筋肉を鍛えることを意識するとクロスステップにいきてきます。ジムなどにあるマシーンを使うことも効果的です。
・スライドフットワーク
このフットワークはクレーコートなど滑るコートで試合をするときにできていると有利になります。スライドさせながら、つまり滑りながら打点に達して打ち返します。プロではナダル選手が得意とするフットワークの一つです。そのためクレーコートでの試合では、かなりの確率で勝利を収めています。スライドフットワークで大切なのは、足を踏み込んだ際に体がぶれないようにすることと、踏み込み過ぎて前傾姿勢にならないようにすることです。そのために太ももの外側の筋肉を鍛えることを意識しましょう。室内でできる筋トレ方法として、直立した状態から一歩前を踏みだす方法があります。その際に先ほど触れたように体がぶれないように、前傾姿勢にならないように注意しましょう。踏み出したら太ももの内側に負荷がかかっているのを確認できます。前だけでなく、直立した状態から斜め前、横と方向を変化させながら筋トレをしてください。

<h4>フットワークに必要な腹筋の筋トレ方法</h4>
それぞれのフットワークの種類によって必要になる筋肉は違います。太ももの内側、外側、お尻の筋肉などが必要です。練習したフットワークを最大限生かすためには腹筋の筋トレも必要です。いわゆる体幹トレーニングです。柔らかく鍛えられた腹筋があることで、どんなステップでも安定したショットを打てるようになります。脚力の筋トレをしっかりとしていても、腹筋が鍛えられていないと、せっかく球に追いついても安定したショットは返せません。テニス選手が目指す腹筋はムキムキの筋肉ではなく、柔軟性がありながらもどんな態勢でもしっかりと体を支えられる腹筋です。室内でできる筋トレ方法はバランスボールを使うものです。自宅でもそれほどスペースを取らずにトレーニングができます。バランスボールに肘をつき、つま先で立ちます。肘とつま先の2点で体を支えます。この時に頭から腰、つま先までが一直線になることが大切です。くの字に曲がったり、腰が反らないように気を付けてください。このトレーニングでフットワークに欠かせない柔軟な腹筋を鍛えることができます。

<h4>フットワークに必要な足の筋トレ方法</h4>
しなやかなフットワークに必要なのは、足でしっかりと地面をつかむことです。足が靴の中でまるまっていたり、硬くなっていると全力でボールを追いかけることができません。そのため足の筋トレ、特に足裏や足の指の筋トレが必要です。簡単な足裏筋トレ方法は、タオルギャザーと呼ばれる方法です。椅子に座り、足の裏にタオルを回して自分のほうに引っ張ります。足裏の筋肉を鍛えるためには効果てきです。足の指は足指じゃんけんのように、グー・チョキ・パーを意識的に何分かを繰り返し続けることで鍛えることができます。大切なのは意識的に足の指を動かすことです。とても地味な筋トレではありますが、続けることで地面をしっかりとつかめる足へと鍛え上げることができます。

<h4>まとめ</h4>
それぞれのフットワークで、どの筋肉を使うのかを理解して筋トレすることが必要です。どのフットワークであっても共通して足裏の筋肉や腹筋を鍛えることが大切になります。室内での筋トレはすぐに効果が目に見えるものではありませんが、続けることで確実にフットワークを向上させることができます。

 

テニスのフットワークのコツ

<h4>左右に動くコツ</h4>
テニスの上手下手は打ち方だけではなく、フットワークが大きく関係しています。フットワークのコツをつかむと一気に成長できます。一方で打ち方だけに気を取られてしまうと、なかなか試合で勝つことは難しいでしょう。
テニスのフットワークの基本となるのは左右の動きです。左右に相手を振ることで自分のペースに持ち込むことができます。相手も同じことをするわけですから、左右に動くフットワークを身に着けておくことが大切です。横の動きで必要になるのは、サイドステップです。基本的なフットワークですが、これができると左右のショットにも慌てずに対応できます。サイドステップのコツは少ない歩数でベストの打点に入り込むことです。勘違いしてしまう人も多いですが、ステップは細かければ良いという訳ではありません。より少ない歩数で打点に到達できれば、余裕をもってしっかりと打ち返すことができます。

少ない歩数ということは、一歩ずつの歩幅が大きくなるということです。歩幅を大きくしてもブレずに正確なショットを打つために必要になるのは、脚力と体幹です。この部分の筋肉をしっかりとトレーニングしておくことが左右のフットワークを安定させるコツとなります。もう一つは相手のショットを常に予測することです。相手がショットした後に反応していては、対応が遅れてしまいます。「ここに打ってくるだろう」という予測をたてて動き始めることです。フットワークのことで頭がいっぱいになっていると、相手のショットを予測することは難しいでしょう。でも初心者であっても予測する習慣を身に着けておくと、経験を積んでいくにつれ自然に体が動くようになります。プロ選手の場合、相手の動きや姿勢などを見てショットを予測しています。そのレベルに達するのは簡単ではありませんが、予測力も身に着けることができます。

<h4>前後に動くコツ</h4>
ご存知のように、テニスコートは左右よりも前後に広く作られています。そのため左右だけでなく前後に動くことが多くなります。実は前後に動くフットワークを苦手としている方は珍しくありません。前後のフットワークは見事でも、ネット際の浅いボールやコート奥に打ち込まれる深いボールに対応することができません。前後に動くフットワークを身に着けることができるかが、テニス上級者であっても差が出てくる部分です。浅いボール、深いボールのどちらかだけでなく、どちらにも対応できるフットワークを身に着けると有利に試合を進めることができます。

まず後ろに下がるフットワークのコツです。初心者によくみられるのは、前を向いたまま後ろ歩きのようにして下がってしまうケースです。これではボールに追いついて打ち返すことは難しいでしょう。仮に追いついても体のバランスが崩れてしまっているので、正確にショットを打つことが難しくなります。下がる時には2つのフットワーク、クロスステップとサイドステップを組み合わせることがコツになります。ボールに合わせてしっかりと後ろに下がるためには、横向きになる必要があります。これができるようになったら、クロスステップで十分に下がり、サイドステップで微調整をします。体にこの2つのステップを叩き込むことで、かなり深くまで打たれても体のバランスを崩さず、ミスの少ないショットが打てるようになります。
ネット際の浅いボールに対応するためには、どれだけ早く最初の一歩を踏み出せるかが勝負になります。つまり前へ移動するフットワークのコツは最初の反応の速さです。ここでも左右の動きと同様に予測力が必要になります。それに加えて反応を早くするためには目を鍛えることが必要です。体は目で見たことが脳に伝えられます。その後、脳から反応するように筋肉に信号が送られます。目を鍛えることで、脳に伝えるスピードを速くできます。そして脳から筋肉に送る信号も速くなります。

<h4>スプリットステップのコツ</h4>
スプリットステップは初心者でもできるフットワークの一つです。相手がショットを打つまでの間、肩幅程度に足を開いて軽くジャンプするフットワークです。特別難しい技術ではありませんが、ケースによっては経験者であってもスプリットステップを忘れてしまうことがあります。このフットワークを忘れてしまうと、素早く相手のボールに対応することができません。
スプリットステップをするときには、両足が同時に地面につくことを意識することがコツです。こうすることで予測した地点へすぐに動くことができるので、ベストな打点で打ち返すことができます。最初は違和感があるかもしれませんが、練習を重ねることでコツをつかむことができます。

まとめ
テニスコートを前後左右に素早く動くためには、基礎となるフットワークをしっかりと身に着けておくことが大切です。フットワークを練習する時にも、コツを意識しながら体を動かすことで上達が早くなります。

 

テニスのフットワークの練習メニュー

<h4>テニスのフットワークの種類</h4>

テニスのフットワークにはいくつかの種類があります。1つはサイドステップと呼ばれるもので、反復横跳びの要領で足を動かします。サイドステップは打点の微調整をする時にも使われるものです。クロスオーバーステップでは、体を正面に向かせて、足を交差させながら横へ走ります。回り込んでショットを打つ時に使われ、長い距離を素早く移動することができます。また、スマッシュの際に後ろに大きく下がったり、打ったあとセンターマークに早く戻りたい時にも使用するものです。

バックステップは横向きで、後ろに移動します。サイドステップよりも素早く移動できるのがメリットです。スプリットステップは、相手がボールを打つ直前に軽くジャンプして、打つと同時に着地するフットワークで、反動を利用するのでジャンプしない時よりも強い力を発揮できます。スキップ&ホップは、ネットプレーに持ち込む時に使うフットワークです。スキップ&ホップではアプローチショットのときに後ろの足を上げますが、これにより前への体重移動が抑制され、フルスイングが可能になります。

スライドステップは、足を滑らせて移動するフットワークですが、このフットワークは遠いボールを打ちに行くときの体のブレを軽減するために使用します。スライドステップはクレーコートだと下が土なのでシューズが滑り、このステップが使えます。スライドステップを使用できるので遠いボールでもよく取れ、ラリーが続くことも多くなるでしょう。日本はオムニコートが多いですが、特性はクレーコートに似ておりやはり滑るのでスライドステップを使えます。

<h4>スライドステップの練習メニュー</h4>

オムニコートやクレーコートでのスライドステップをうまくするには、ボールを相手に左右に投げてもらって、それをキャッチして素早く戻るという練習が良いでしょう。この時、素早くスタートしてすぐに戻ることを意識します。右と左にランダムに投げてもらったり、少し遠い距離に投げてもらったりして練習しているうちに、自然にスライドを使えるようになります。

<h4>サイドステップの練習メニュー</h4>

サイドステップの練習でよく使われるのはゴムチューブを使った方法です。両足をゴムチューブの輪の中に入れて、ひざ下5cm程度のところに固定し、それから反復横跳びの要領で移動していきます。練習の際は少し腰を落として、ゆっくりと移動するようにしましょう。慣れてきたらスピードを上げますが、転倒しないように注意して練習してください。移動の方向は左から右、右から左と交互に行います。距離は20mほどですが、それよりも短くすることもできます。

もう一つの方法はシャドーランと呼ばれるもので、2人1組になり向き合って、相手がサイドステップで動いた時にそれに合わせて、自分も同じ方向にサイドステップをするというものです。10秒を3セットで行います。

<h4>フットワークのための筋トレ</h4>

フットワークを向上させるためには筋トレも並行して行う必要があります。必要な筋力がないと、いくらステップの練習をしてもなかなか効果が上がりません。筋トレの1つの方法はフロントランジと呼ばれるもので、ハムストリングスや大腿四頭筋を鍛えます。このトレーニング方法は、足を前後に大きく開いてから両足のひざを直角に曲げもどす、というのを繰り返すというものです。また、サイドランジは、横に踏ん張る、または切り返す動きを強化するためのトレーニングで、フロントランジのサイドバージョンになります。

スクワットは体幹、ひざ、太もも、ふくらはぎ、体幹を鍛えるためのもので、フットワークの向上にも役立ちます。方法は、足を肩幅よりも少し大きく開き、背中をまっすぐにしてお腹に力を入れます。 そして、お尻を後ろに突き出すようにしながら、股関節を曲げていきます。ひざはつま先より前に出ないように注意しましょう。腰が曲がらないようにしながら下まで降りたら、背中をまっすぐにしたまま元の位置に戻ります。

<h4>オンコートでのトレーニング</h4>

オンコートでのトレーニングの1つはラインタッチです。まず、サイドラインをタッチして、そこから順番にラインをタッチして移動していき、元のサイドラインまで戻るという練習です。動く時には股関節を曲げて体勢を低くし、タッチする時には常に体をネット側に向けます。体勢を低くしているので臀部や太ももの筋肉を鍛えることができます。

もう一つの方法は、センターマークに置かれた8つのボールを1つずつテニスコートの8つのラインの交点運ぶというものです。置きに行くときはダッシュで、戻ってくる時にはバックステップで戻ります。前後に動くフットワークを鍛えることができます。

ボールを置くときや拾うときには、体勢を低く保てるように股関節を曲げます。そして、ボールを置く時にピタリと止まるようにしましょう。ボールを置く位置の直前まで大きなスライドで加速して、直前で急にスピードを落とすということを意識してトレーニングしてください。

 

初心者でも出来るテニスシングルスの戦術

<h4>基本的なシングルスの戦術</h4>
テニス初心者でもできる基本的な戦術は、ミスをしないことです。そして相手にミスをさせることです。テニスは攻めるよりも、守ることでポイントを取ることができるスポーツです。リスクを冒してポイントを取りにいくよりも、守って、守って、相手がミスをするのを待つ、もしくはミスをするようにプレーします。テニス初心者の場合、難しい戦術を実際の試合で実践するのは簡単ではありません。戦術のことよりも、ラケットの正しい握り方や打ち方、フットワークなどで頭はいっぱいかもしれません。そこで大切なのは、難しいことをしようとするのではなく、ミスをしないように堅実にプレーすることです。これを続けることで、相手のミスを誘うことができます。基本的なことをしっかりとできればポイントはとれます。

<h4>自分のペースで試合する</h4>
練習では上手にサーブを打ち、相手のボールにもリターンできるのに、試合になるとできないというケースは珍しくありません。試合では練習よりも緊張しますし、どうしても力が入ってしまいます。いつもは出来ることが出来なくなってしまいます。一つミスをしてしまうとさらに焦ってしまい、ミスが連続してしまうものです。
自分のペースでプレーできるように、意識的に平常心を心がけましょう。ポイントが有利に進んでいる時でも、勝ちを意識することなくいつもと同じプレーを続けていくことが大切です。負けている時でもポイントを取りに行くことに思いが集中してしまうと体が硬くなってしまいます。これまで練習でしてきたことをもう一度思い出して実践してみることが逆転につながることもあります。初心者にとって、まず大切なことはミスをしないことです。

<h4>緩急をつけたショット</h4>
サーブもストロークも全て全力でしていては、すぐに疲れてしまいます。そして相手もボールの強さやスピードに慣れてしまいます。最初はポイントを取れていたのに、徐々に取れなくなってきます。サーブ一つでも強さを変えることで、相手のミスを誘うことができます。それまでずっと強いサーブを打っていると、同じ感覚、同じ強さで相手は打ち返してきます。そこで一度少し弱目のサーブをすると、同じ強さで打ち返してしまうとほとんどの場合、アウトになります。一度のサーブで相手は「次はどれくらいの強さか?どれくらいのスピードか?」と考えるようになり、それまでと同じプレーができなくなる可能性が生まれます。サーブだけではなく、ストロークでも同じことが当てはまります。プレーに緩急をつけることできれば、スピンなどの技術がなくても、ある程度の戦術をもって試合に臨むことができます。

<h4>サーブの打ち方</h4>
シングルスの試合ではサーブをどこに打つかによって試合の流れは変わってきます。サービスエースを取れれば、それまでの流れを一気に変えることもできます。ワイドに打つか、ボディーに打ち込むか、もしくは速いサーブをセンターに打つか。上級者の試合になると、相手のプレースタイルやそれまでのリターンの成功率などを考えて配球を考えます。しかし初心者の場合、まず大切なのはサーブを入れることです。つまりミスをしないことです。「サービスエースを狙おう!」と変に意識してしまうと、余計な力が入ってしまいとんでもない方向にボールが飛んで行ってしまうこともあります。それで練習と同じように丁寧にそして正確なサーブを打つことを意識しましょう。
試合が進んでいくと、徐々に相手の苦手とするポイントもわかってきます。どの方向にサーブを打つと返しにくいのかということもわかるかもしれません。その場合には、少し意識してそのポイントを狙ってサーブを打ちましょう。しかしあくまでも正確なサーブ、ミスをしないサーブが大切です。余りにも狙いすぎてサーブが入らなくなってしまうなら、それまでと同じようにサーブを打つことです。

<h4>サーブ後の戦術</h4>
サービスエースを取れればポイントになりますが、前述したようにまずは正確なサーブを心がけましょう。そしてサーブを打ったらすぐに次のプレーに頭を切り替えます。テニスは前後左右にボールを打ち分けることで相手を揺さぶります。どちらに打たれてもリターンできるように、基本的にはベースラインの真ん中に構えることを意識しましょう。どちらか左右に偏った位置に構えてしまうと逆方向を狙われてしまいます。サイドライン際から打ち返した場合にも、すぐにセンターマークの位置まで戻ることを徹底しましょう。
相手が浅い位置に、つまりネット際に返した時にはチャンスボールになります。ボレーをしてポイントを取りたいですが、この時にも基本的にはセンターマークの位置を頭に入れておきましょう。そしてボールを打ち返したら、スプリットステップで待ちましょう。肩幅程度に開いて軽くジャンプするフットワークです。このフットワークをマスターしておくと、どの位置であっても素早く反応することができるようになります。

 

初心者でも出来るテニスダブルスの戦術 

<h4>ダブルスの基本知識</h4>
テニスのダブルスの試合はシングルス以上に頭を使うスポーツです。つまり戦術が多岐にわたります。初心者であっても基本的な知識や戦術を覚えておくと、いい試合ができます。
ダブルスで大切なのはコースを選ぶことです。相手は2人いるので、初心者の場合どこに返球したらいいのかわからないこともあります。直線で返してしまうと、簡単にボレーを決められてポイントされてしまいます。それでダブルスでは基本的に対角線上の相手に返球するようにしましょう。
ダブルスではシングルスと違って陣形によっても戦術が変わってきます。2人とも前方に出てきていれば攻撃的な陣形です。逆に後方でプレーするのであれば、守備を固めた陣形となります。よくテレビの試合で見るのは前方後方に1人ずつの陣形です。これは攻撃と守備がバランスよくできる陣形です。

<h4>サーブの戦術</h4>
ダブルスでは相手のバックハンド側を狙ってサーブを打つことがポイントです。フォアハンドよりも、バックハンドが苦手という人が多いため、バックハンド側を狙うことで効果的なサーブを打ち込むことができます。返された後も後衛がバランスを崩しているようであれば、有利に試合を進めていくことができます。選手によってはバックハンドのほうが得意というケースもあるので、その場合にはフォアハンド側を狙ったサーブにしましょう。サーブを打った後は、積極的にポーチを狙いましょう。簡単に言えば速攻です。通常はどんな感じのサーブかを探るためにクロスにリターンするのがセオリーです。ここで積極的に前衛がボレーで速攻を狙えます。最初から相手に「速攻がある」というイメージが植え込まれると、その後の試合運びも有利になります。相手側にサーブ権がある時には、「速攻があるかもしれない」ということを頭に入れておきましょう。

<h4>ポジショニングの戦術</h4>
ダブルスでは大きく分けると2つのポジショニングがあります。1つは雁行陣と呼ばれるスタイルです。これは前衛と後衛に分かれます。前衛はネットの近くに、後衛はベースライン付近でプレーします。それぞれが攻めと守りで完全に分かれるスタイルなので、役割分担がはっきりとしていて、初心者にも好まれる戦術です。このポジショニングでは通常後衛同士がラリーをしながら相手のミスを誘います。前衛はタイミングを見計らって、ボレーを狙います。これがサーブの戦術でも説明した速攻、ポーチです。この戦術はシングルスでは使えませんし、ダブルスならではのアグレッシブなプレーです。ポーチは相手前衛の足元を狙いましょう。
もう1つは平行陣です。このスタイルでは2人ともが前衛、もしくは後衛で並んでプレーします。2人ともネット近くの前衛でプレーすれば、かなりの攻撃的なスタイルになります。また後衛に徹すると守りを固めたプレーになります。
通常、初心者には雁行陣が好まれます。試合中にそれぞれが今何をしないといけないのかがはっきりわかりますし、前衛がタイミングを狙ってボレーやポーチでポイントを稼ぐことができます。パートナーとの相性やプレースタイルなどを考えてどのスタイルがマッチするかを探ってみましょう。

<h4>高い軌道のボールを心がける</h4>
初心者の場合ダブルスの試合では、高い軌道のボールを多用することも効果的です。例えばコートの深い位置にボールを打たれた場合、そのままクロスで返してしまうと相手の前衛が速攻を決める可能性が高くなります。この場合には高い軌道のボールを打って、相手コートの深い位置を狙っていきましょう。自分も体勢を整えることができます。
相手のサーブのスピードが速い場合にも効果的な戦術です。無理にリターンしようとするとコントロールできずにアウトになってしまいます。またはただ返すだけになってしまい、相手に速攻のチャンスを与えることにもなります。打ちにくいと思ったら、高い軌道で打ち返しましょう。サービスエースで相手に試合の流れを持っていかれないように注意しましょう。

<h4>相手のミスを誘う戦術</h4>
シングルスの戦術と同様、ダブルスでも相手のミスを誘うことも戦術の一つです。初心者であれば複雑な戦術よりも実際的で簡単に実践できます。ダブルスといってもオープンスペースは必ずできます。オープンスペースができたときにしっかりとそこに打ち込むことで相手の陣形を崩すことができます。
テニスで相手のミスを誘うためには、いつもしているプレーに少し変化を加えるだけでも十分です。例えばそれまでとは違うポジションで待つことや、ショットに緩急をつけることなどでも相手のミスを誘えます。また前衛と後衛で分かれる雁行陣から2人とも並んでプレーする平行陣に変更すると相手は「どこに返そうか?」と考え始めるので、それまでと同じようにショット打つのが難しくなります。ダブルスも自分たちがミスをしないように徹底することが大切です。練習の時と同じことを試合でもできれば初心者であっても十分に勝算があります。

 

テニスの戦術パターン

<h4>シングルスの戦術パターン</h4>
テニスのシングルスとダブルスでは戦術パターンに大きな違いがあります。シングルスの試合ではしっかりと守り、相手のミスを待つ堅実な戦術が好まれます。中には積極的に攻めているのにポイントが取れずに負けてしまう人もいます。負けパターンの特徴には、自分のプレーだけで頭がいっぱいになっていることがあります。つまり冷静に自分と相手、試合全体を見ることができなくなっているので、無理に自分から試合を動かそうとしてしまいます。結果としてミスをしてしまい、試合の流れも相手にもっていかれてしまいます。

勝ちパターンの特徴は、基本に忠実であることです。テニスの試合において、特にシングルスではミスを犯さないことが鉄則です。サーブやストロークはもちろんのこと、無理にポイントを取りにいくとミスをしやすくなります。相手からの返球を待つときにはスプリットステップを踏みながら待つことなどは、基本ではありますがミスを犯さないために欠かせません。高いラケットコントロールなどを持っていても、こうした基本的な戦術パターンができていないと、試合の流れを自分に引き寄せることは難しいです。
そして相手のミスを誘うこともシングルスでは重要な戦術と言えます。自分でポイントを取りにいかなくても、相手がミスをすれば自分のポイントとなります。ネガティブに聞こえるかもしれませんが、テニスは相手のミスをどれだけ誘えるかが勝負を分けます。そのためには、テニスコートの特徴を最大限生かして、前後左右に相手を揺さぶることも含まれます。初心者であればよくみられるミスですが、常に全力でサーブやストロークを打っていると、自分も体力を消耗しますし相手も返球に苦労しないでしょう。力加減を上手に変化させて緩急をつけることもできます。経験者であれば、ボールにスピンをかけるなどの戦術も有効的でしょう。でもここでも覚えておきたいのはミスを犯さないことです。
試合になるとこの2つのパターンが逆になってしまうことがあります。つまり自分がミスを犯さない以上に相手のミスを誘ってしまうということです。あくまでも基本は自分がミスをしないテニスをすること。これが最も大切な戦術といえます。

<h4>ネットプレーの戦術パターン</h4>
冒頭で述べたように、最近は攻撃的テニスよりも守備的テニスが好まれます。それでも試合によってはネットプレーを積極的に取り入れなくては勝てないこともあります。例えば相手のストロークが安定している時などは、打ちあってもポイントを取ることが難しいかもしれません。そんな時はネットプレーの基本的な戦術パターンを試してみましょう。
ネットプレーの戦術において大切なのは、アプローチです。どんなアプローチショットか、どんなサーブを打つかによって大きく左右されます。オープンコートを大きく作るサーブを打つこと、相手の返球パターンを絞らせることで有利にネットプレーに持ち込めます。ネットについたら、迷わずにエースをとりましょう。一瞬でも迷いが出てしまうとこちらのオープンスペースを狙われます。ネットプレーということは、後ろはがら空きですからロブを打たれれば、まず返球できません。
相手を走らせる戦術パターン
テニスコートはサッカーやバスケットボールなどと比べると小さく、それほど走るスポーツというイメージはありません。それでもコートを上手に使えば、相手を走らせて体力を消耗させることができます。体力が消耗してくると、それまでは問題なくできていたプレーでミスをしてしまいます。そして冷静に試合を見ることができなくなるので、相手のミスから試合の流れを引き寄せるという基本的な戦術パターンがぴったりとはまります。
サーブ権を持っている場合には、相手を走らせる戦術が使えます。サーブの基本はワイドに打つことです。コートの外側に相手を追いやり十分にオープンコートを作りましょう。オープンコートができたら際どいボールを返す必要はありません。真ん中付近を狙い返します。この戦術の目的は相手を走らせて疲れさせることです。それで無理に難しいプレーをして自分がミスをしないように気を付ける必要があります。これができれば最初のプレーで相手を10m程度は走らせることができます。
相手の返球が浅くなった時にも、走らせるチャンスです。早い段階で前に詰め、確実にコートの外へ追いやるボールを打ちましょう。オープンコートに打つことで、相手を走らせることができるので、ボールにスピードや威力がなくても大丈夫です。
1度のプレーで相手を走らせることができるのは10m程度です。でもこれを何度も続けていくと確実に相手の体力を消耗させることもできます。試合開始直後はあまり効果がないように感じますが、中盤から終盤にジワジワと効果が出てきます。この戦術パターンを実行する時にも、自分がミスをしないという鉄則を忘れないようにしましょう。