二泊三日なのに天気予報はずっと雨。いきなり冷たい雨でのお出迎えの札幌。
新千歳空港、函館空港よりかなり広い。最近函館空港ばかり行ってたので、その大きさに驚いた。
札幌駅までJRで40分。立ちっぱなしには少し長い時間だが、運良く2席だけ残っていた。
札幌駅から10分ほど地下鉄南北線に揺られていくと、我々の今回の旅行の駐屯地である「ベッセルイン札幌」がある中島公園駅に着く。このホテルを選んだ理由は、トリップアドバイザーで「朝食が美味しいホテル2020年」でランキング4位のため。ちなみに僕が大好きなラビスタ函館は3位だった。最近はラビスタ函館のせいで、旨い朝食がないとダメな身体になってしまった気がする。
※南北線の札幌駅、大通駅、すすきの駅、中島公園駅あたりは何往復もしたので、1日地下鉄乗車券を購入して正解だった。土日祝だけ売っている「ドニチカ」は3回地下鉄に乗れば元がとれる。東西線ももちろん乗れるのでお得だ。
中の島駅にある「すみれ本店」を目指す。駅から徒歩10分だ。小雨まじりの札幌は11月なのに超寒かった。すみれ本店はコンクリートうちっぱなしのおしゃれな外観、中に入ると建て直したばかりのようなキレイさ。いかにも儲かってる感じがした。名前を書いたりはなく、ただ並ぶだけスタイルだったが、コロナのせいか先客は4人家族1組のみ。10分ほどで入れた。食券で味噌チャーシュー麺、チャーハンをポチる。味噌ラーメンは「さすがはすみれといった」の旨さ。表面にはラードが張ってて最後までスープがアツアツ。これは極寒の日は一口飲んだら涙が出るかもしれない。普通のラーメンのペースで食べたせいで、口の中が火傷でめちゃくちゃ痛い・・・。チャーシューは柔らかいけどパサパサしてて味がなかったので増やさないで良かった。チャーハンは、味噌ラーメンほどの感動はなかったけども、とても旨かった。すみれ本店、また来たい。今度は醤油味、塩味、すみれ飯(錦糸卵ごはん)も気になるところ。いつかホルモン味噌(だっけな?)もチャレンジしてみたい。
すみれで満腹になった後は、腹ごなしに藻岩山に行こうと南北線大通駅で乗り換えて、東西線の円山公園駅に向かった。駅からバスで山の麓まで行って、そこからロープウェイで山頂に行こうと思ったが、バスがなんと1時間に1本しかこない。きちんと調べてくれば良かったと後悔したが後の祭りで、バス停に到着した時点で40分待ち。これは時間がもったいないので、諦めて大通駅まで引き返し、駅の目の前のショッピングセンター3階の珈琲店で休憩。1階には人気店らしいパン屋があって若い女性で賑わっていた。この喫茶店が女子受けしそうな、メルヘンチックおしゃれな雰囲気で、うれしいことに地域共通クーポン「電子版」が使えたので勇んで初めての使用。ウエイトレスも初めてだったようで少し困らせてしまったが、なんとか会計を済ませることができた。
今日は早朝の飛行機だったので、ホテルで小一時間仮眠を挟む。寝ころがりながらブルージャイアントシュプリームをキンドルで読む。
冬の入り口らしく16時には日が落ちてきた。そろそろお楽しみのジンギスカン「だるま」の時間だ。
すすきのの夜の街はコロナ自粛ムードの中、それなりに賑わっていた。妖艶に赤く光る店が点在してて、中からバニーガールが手招きしている。日本よりも東南アジアの歓楽街を感じさせる雰囲気だ。
だるまに開店30分前に到着すると先着は、女子高生とそのお母さんの2名だけだった。2人とも明らかにテンションが上がっており、楽しみにして来た様子が伺えてとても微笑ましかった。コロナの影響でさすがの名店も空いてるのかと思いきや、回転時間には30人ほどの行列になっていた。店内は12人ほどしか入れないので、最後尾はかなり待つことが予測された。
ラム肉は1種類欠品(しばらくお休みの表示)だったので、頼める肉を全部、つまり成吉思汗、上肉、ヒレ肉をオーダー。飲み物はウーロンハイ。どの肉も柔らくて臭みがなくとても旨い。つけタレの酸味が良い具合。一味、ニンニクを入れるとこれまた旨い。みんな黙々と食べてはすぐにお会計するので回転が早く、平均滞在時間は30分といったところ。店員さんは皆女性で明るいが、ゆっくり食べられる雰囲気ではなく40分ほどで会計。2人で8,000円ほど。
目の前にあるゲームセンターでクレーンゲームをして時間をつぶしてから、牡蠣がうまいという「五坪」という居酒屋へ。札幌によく来るスキー好きな友人のおすすめだ。店内はテーブル3つ、カウンター6席だけの小さいお店。開店時間3分前に行くとすでに4人ほど並んでいたが、ほかに予約がなかったようで無事に入ることができた。なぜか開店前からスナックのママっぽい中国人女性がカウンターでタバコを吸いながら飲んでいた。店長と親しげに話していたので、恐らく開店前から飲める特権を持つご常連さんだろう。驚くべきは牡蠣の安さ。生でも焼きでもなんと1個150円。とても東京ではありえない超特価である。しかも生ガキ4個頼むと、「3つオマケしときました」とか言って7つ来たりする。牡蠣好き妻のテンションはこの時点もうMAXになっていた。ぼくも気持ちよくなり白ワインボトル2本入れてしまい、完全に飲みすぎでベロベロに。生ガキ、焼かき、アサリ焼き、カキフライどれも美味しかった。これはすばらしい名店と出会えた。
ホテルまでの帰り道の途中で寄ったコンビニで酒とつまみ(タラの干物)を買う。ホテルのすぐそばにノアの箱舟のようなおしゃれな建造物があった。外から覗いてみる意外と海鮮炉端焼き屋らしい。その後、部屋に戻るもほとんど飲めずに失神するように就寝。
前日の天気予報だと今日は1日雨だったが、カーテンを開けると曇り空だが雨はまだ降っていない。
予報をもう一度みると曇りときどき雨に変わっていた。多少の回復でも旅行中だとうれしいものだ。
まずは楽しみにしていたランキング4位の朝食。昼にスープカレーを食べる予定なので軽めにしておいた。イクラ、マグロ、サーモン、ホタテ乗せ放題の海鮮丼、それとスープカレーをいただいた。イクラのプチプチ感強く、どこか人工ものっぽい感じがしてあまり食が進まなかった。朝食はラビスタ函館のほうに軍配が上がる。
電子地域共通クーポンが19,000円分あったので、使い切るために札幌駅前の佐藤水産本店に。自宅用に生鮭の身、カマ、麹漬け、ルイベ漬けをチョイス。お互いの実家には鮭やらイクラが入った高級セット(1つ7,000円)をそれぞれ購入して冷凍便で送った。良い親孝行をした。
札幌にはスープカレー屋がいろいろあるけれど、東京に進出しておらず口コミ評価も高い「イエロー」へ。札幌でしか食べられないからと選んだ店だ。開店時間には席が一杯になるくらいの行列が出来ていた。中に入ると、夜はバー営業しているのかおしゃれな感じ。二人ともオーダーしたのは1番人気の野菜チキンスープカレー。ぼくは正直まともにスープカレーを食べたことがなかったので、有名店の味はどんなものかと期待しつついただくと、・・・あれ?味が薄い。北海道の野菜は美味いのは知っていて、ブロッコリーやベビーコーンの野菜の味が引き立っているのは確かだけど、肝心のスープカレー自体が口に合わない。「圧力をかけて煮込んだ骨の旨味に魚介スープを加えた異次元スープです。圧力をかけることで白濁した色のスープカレーになりますが、乳製品は一切使っておりません」と強い自信を感じさせるメニュー紹介だっただけに、肩透かしをくった気持ちになった。しかし正直な感想を言ってしまうと、妻の機嫌を損ねる可能性がある。妻はかなりのスープカレー好きだからだ。ぼくは「野菜が旨いね」とか無難な感想をいいながら、頑張って完食した。しかし、よく見ると妻の食べる手が止まってる。小声で「・・・もう一軒行ってもいいですか」と悲しそうに言っている。妻の口にも合わなかったようだ。じゃあハシゴしましょうということに。
正直いうとかなり満腹だったけど、スープカレーの思い出が嫌なままだと可哀そうなので、もう一軒の人気店「すあげ」まで歩いて行った。店にはすぐ入れたけども・・・スープカレーがオーダーしてから40分くらい来ない。そういやさっきのイエローも結構待ったな・・・。スープカレーって時間かかるの?どんどんスープカレーの印象が悪くなる。ちなみにオーダーしたのはイカスミ野菜カレーとチキンカレー。ここは通常のスープカレーにプラス150円でイカスミを加えてくれる。これが名物らしい。せっかくなので両方の味を試してみる。やっときたスープカレー、味はイエローに比べるとしっかりめでご飯も進む。これならまぁまぁかなと思いきや、妻は「これもあんまり・・・」らしい。スープカレーはあたり外れが大きいのかしら。あとやっぱりスープといってもカレーはカレーですごく胃がもたれた。おじさんの2杯食いはかなりリスキーだ。
今日は天気が良ければ小樽まで足を延ばそうと思ったけれど、強い雨が降ってきた。一度ホテルに帰って休憩を挟むと、妻はベッドで爆睡。ぼくもブルージャイアントの続きを読んだ。
せっかく札幌にきたのに観光らしいところに行ってないので、申し訳程度に時計台、札幌タワー?、周辺のイルミネーションを楽しんだ。そのあと・・・昨日いった「五坪」にまた来てしまった。
美味しい牡蠣を1時間堪能してから。「ひとりでこれるもん」という居酒屋へ。ここも友人のおすすめだ。かなり分かりづらい場所にある店だったけど、入るとほぼ満席。予約しておいてよかった。「ドスイカ、たちぽんがうまい」と聞いていたので、それぞれオーダー。飲み物は飲み放題が3コースあって、せっかくなので地酒が飲める一番いいコースでお願いした。妻は馬レバー刺しに感動しており、結構なお値段だったのにお替りをしていた。ほかにも馬刺し盛り合わせ、山わさび丼、だし巻き卵をいただく。だし巻き卵が感動的においしかったので、今度来たらまたオーダーしたい。その後はすすきのの完全無人システムのカラオケを楽しんだあと、ホテルへ。ベロベロになったのでそこからの記憶があいまい。

翌日は10:30の飛行機なので帰るのみ。空港でお土産をみるくらいしかできない。
ランキング4位の朝食ビュッフェをいただく。胃が疲れていたので、卵かけ納豆ご飯、みそ汁が染みる・・・。うまい。うまい。
外を見ると雪が降っていて、しかも積もっている。さすが北海道だ。久しぶりに雪を見た。心が洗われる。
新千歳空港はお土産屋がかなり大きい。ぼくは休憩所で座って待っていたのでわからないが、買いものをした妻いわく半日は平気で潰せる大きさらしい。実際ちょっとだけ見てくるといった妻が30分戻ってこなかった。楽しすぎて時間を忘れていたらしい。
最後、搭乗手続きでちょっとしたトラブルがあった。ANAのネット予約で座席指定を済ませていたはずなのに、手荷物検査でQRコードをかざすとエラーが起こった。女性職員が事務的に「座席指定が済んでいませんね。先に済ませてください」と言った。ぼくはその冷たい言い方に多少ムッとして「済ませたつもりだったんですが・・・」と言ったところで、空港の電子案内板で搭乗便がANA便からフィリピン航空に変更になっていたことを思い出した。「もしかして搭乗便が変更になった関係でリセットされたんですか?」と聞くと、また事務的に「それは関係ありません。座席指定が済んでいません」と繰り返す。ぼくはうんざりして搭乗券を確認してもらうと、たしかにそこには座席が印刷されていた。「座席指定は済んでますね。今確認するのでここでお待ちください」を手荷物検査場の横で立って待つことに。すみませんくらい言ってほしかったのですが、忙しそうだしお互い嫌な気分になりそうなので、黙って狭いところで邪魔にならないよう、つっ立って待つこと5分ほど。ANAの女性職員が来て「申し訳ありません。本日搭乗便が変更になった関係で座席が指定されておりません。あいにく満席でございますので・・・」と言われたところで、え、まさか乗れないとか・・・?という不安がよぎる。「満席なのでお隣の席をご用意できませんでした。前後の席になってしまいます」と言われホッと一安心。乗れるならいいや、と思いきや妻が「え、隣じゃないんですか?」と食って掛かっていきそうだったので、妻をなだめつつなんとかやりすごした。「最後の最後で嫌な思いした。ANA嫌いになった」とおかんむり。
さらに悪いことに、結局乗り込むと妻の隣が空席になっていて、そこでまた妻はまたお怒りに。移動するのもなんなので、結局隣にはできずに、なんだかなぁな最後の空の旅でした。