メダカの飼育方法

メダカを飼育する時、特に重要なものの一つが水です。
一般家庭では水道水を使用する場合がほとんどでしょうが、水道水に含まれるカルキ(残留塩素)の問題があります。
カルキはメダカにとって害があるものなので、一昼夜汲み置きした水を使うようにしましょう。
メダカは水温に差がある水に移したりするだけで体調を壊したりするため、汲み置きすることで水の温度も気温を同じ程度になれば、さらに好都合です。

水槽の水は日にちが経つと、酸性に傾いてしまいます。
酸性が強すぎるとメダカにとって良いことはありませんが、いきなりイオン濃度や水温に下がる水に入れ替えるとメダカの体調を害する可能性があるため、必ず水あわせを行い、ゆっくりと新しい環境に慣れさせる必要があります。

メダカを飼育する上で日光も重要です。
日光に当たることにより、丈夫なメダカに育ちますし、健康状態を良好に保つことができるからです。
そのため水槽はできるだけ日光が当たる場所におきましょう。
日光が当たる屋外飼育が理想的ではありますが、屋内飼育の場合は蛍光灯を使用して光を補給してください。屋外飼育の場合は夏場など水温が高くなりすぎないように注意する必要があります。

 

初心者のメダカ飼育

初心者がメダカを飼育する場合はどのような点に注意すべきでしょうか。

メダカにも飼育が難しい種類と易しい種類があります。
体の色がオレンジ色をしている一番ポピュラーな品種のヒメダカ、体は白くて丈夫なシロメダカ、クロメダカとシロメダカの交配から生まれたアオメダカは飼育が易しいので初心者向きの種類でしょう。
逆にダルマメダカ、アルビノメダカなどは飼育がやや難しい種なので初心者にはハードルが高いかもしれません。

メダカを購入するときは同一種類のメダカを10匹以上、もしくは多種類のメダカを10匹以上購入します。10匹以上購入すれば、雄と雌が多数混合するので繁殖に都合が良いからです。

メダカを自宅に迎える1~2日前に水槽やバケツに水を汲んで、カルキを除去しておきます。
メダカを水槽に入れると水槽内を飾りつけしたくなりますが、しばらくはメダカ以外は入れないほうが良いでしょう。
小石などを入れてしまうと、餌の量、糞の量がわかりづらく適正な餌量が判断できなくなります。
半月程度経過すれば、餌や糞の量もバクテリアによる糞の除去程度もわかるようになりますで、それから水槽に小石や水草を入れて飾り付けを楽しみましょう。

 

メダカの稚魚を飼育する場合

メダカの稚魚は小さいので、水槽とは別にした小さなパックに入れて飼育する人もいるようですが、実際は大人のメダカと同じ環境を作ることが大切です。
大人のメダカと同じ、水草など環境が整った場所で飼育をしましょう。

さらにメダカの稚魚は水温変化にも大人のメダカより敏感なので、今まで以上に水温変化に気遣う必要があります。
餌に関しても大人メダカ用をすり潰して与えるという方法がありますが、できれば稚魚用の餌をペットショップなどで購入して与えましょう。

さらに注意すべき点は、先に孵化した稚魚が孵化したての稚魚を食べてしまうことを避けることです。
産卵時期が前後しているタマゴは別々に孵化させなければ、遅く産まれた稚魚を餌の対象としてしまいます。またたとえ同時期に産まれた稚魚であっても、成長により大小ができた場合は同じことが起こる可能性があります。
稚魚に大小があるようでしたら、あらかじめ別容器に移して飼育しましょう。

その後、大人のメダカと同じ水槽に入れる場合は、稚魚の体長が最低でも2cm程度になってからが安心です。

 

メダカの飼育用品

メダカを飼育するためにはどのようなものを揃えれば良いのでしょうか。

まずはメダカを入れる水槽ですが、大きさは30cm前後の水槽がメダカの飼育に手軽で使い勝手が良いでしょう。
水量が少ないので水交換などのメンテナンス回数が増えますが、小型ですので設置場所を選びません。
もっと大きくても構いませんが、水が入ったときの重量が重くなってしまうので思わぬ事故に繋がりやすくなります。

そして水槽の底面に敷くための砂や砂利などの底床です。
水草の定着や水の浄化処理能力アップのために用意した方が無難でしょう。
水草も水を浄化する作用があるので、できるだけ入れましょう。
また水中に酸素を補給するという点でも水草は重要ですし、メダカにとっては産卵場所になったり、隠れ場所になったりします。

最後に餌です。
メダカは雑食性ですので、プランクトンをはじめ、ボウフラ、小さな昆虫まで様々なものを食べます。
屋外で飼育していれば自然にそれらの食べ物が水の中で繁殖してメダカの餌になる可能性がありますが、それだけでは足りませんので人工餌も与えましょう。
1回に与える量の目安は、与えてから5分ほどで食べきれる量です。
水質が悪くなる原因ですので、食べ残しが出ないように気をつけて下さい。

 

メダカの繁殖

メダカの飼育で楽しみの一つが繁殖でしょう。

オス1匹、メス1匹での1対1の交配も不可能ではありませんが、もう少し効率的に繁殖する場合はオスメス合わせて10匹程度を飼育する必要があります。
できれば若干メスが多いほうが理想的です。

メダカは水温が20度以上で日照時間が12時間から13時間の環境下で産卵を行います。
地域差はありますが、一般的には春から夏にかけて、月で言うと4月から9月ごろになります。

メダカは産卵したタマゴを水草などに付着させますが、そのまま孵化まで放っておくと、孵化した稚魚は親メダカたちに食べられてしまいます。
従って産み付けられたタマゴは水草ごと別容器に移し替えましょう。

タマゴは水温25度程度で飼育している場合、だいたい7日から10日で孵化します。
きちんと受精しているメダカのタマゴは透明で、指でつまんでも潰れるようなことはありませんが、無精卵や死んでしまったタマゴはすぐ潰れますので、このようなタマゴは水槽から取り除きます。
そのままにしておくとカビが生えて正常なタマゴに悪影響を与える可能性があるからです。