お盆のときに使う提灯をたくさんの種類があります。
宗派や地域によっても違うのですが、大まかにどんなものがあるのかピックアップしましょう。

提灯は、設置の仕方が違う2種類のタイプがあります。

1、上から吊るして設置するタイプ。
「御所提灯」などがそうです。
吊るすための専用の設備が必要になります。

2、下に置くタイプ。
有名な大内行灯や回転行灯がそれにあたります。

どちらでなくてはいけない、数は幾つか、などに決まりはありません。

お盆のときにはたくさんの親族が集まってきます。
正直お盆にどんな提灯を飾るかは、よっぽどの伝統にうるさい方でない限り重要ではありません。
そもそも、こうした数多くの提灯の種類は、それぞれのお寺や神社が編み出したもので人気があるものが残ったに過ぎないのです。

ある人はこれこれの提灯を使う必要があるというかもしれませんが、元を正せば、それぞれの神社が自分の商品を購入してもらうために作った伝統に根ざしているだけなのです。

あまり細かいことを言う人の意見に振り回されないようにしましょう。

 

お盆のときの提灯は何のため?

お盆のときに家に飾られる提灯。
提灯はいったい何の目的で飾る必要があると言われているのでしょうか?

神道でも仏教でもほぼ考え方は同じです。
2つ考え方があります。

一つ目は、お盆のとき、「先祖たちが迷わず帰ってくる目印として飾る」と言われています。
しかし仏教、神道の考え方では、「先祖たちはいつも後代を見て守っている」という考え方ですので、先祖たちは当然、自分の家くらい分かるはずです。
ですから提灯で先祖たちが迷わないように案内してあげるというのは、不思議な考え方です。

いずれにしても、提灯の準備も、先祖に対する気持ちを表わす一つの手段なのでしょう。

二つ目は、「亡くなった方の冥福を願う気持ちを表わす」と言われています。
いわゆる「供養」としてのお供え物的な考え方です。

お盆のときの提灯はあくまでも形に過ぎません。
実際、親が亡くなってからではなく、生きているうちにたくさん親孝行するほうが親は嬉しいのではないでしょうか?

 

お盆の準備はいつ、どのようにするの?

お盆の時の提灯などの飾り付けって、大変ですよね。
できれば早めに始めたいものですが、お盆の準備はいつ始めるといいと言われているのでしょうか?

一般的には、6月くらいから始める人が多いようです。
実際、各お寺、神社、神仏取扱店でも6月にはセールを始めています。

しかし、提灯その他の関係物品は、一年中いつでも購入できます。
購入後の飾りつけも、6~8月でないと行なってくれないなどということはありません。
神仏取り扱い店にとっては、6~8月以外のお客様も大切な顧客ですので、一年中いつでも設置してくれます。

お盆の提灯はどのように準備したら良いのでしょうか?
お盆の提灯には特に決まりがあるわけではありません。
極端を言えば一個あればいいのですが、そこは見栄えの問題があります。

左に置くと右にも置かなくては格好が付きませんので、対で購入しなくてはいけないようになっています。
すごく狭い部屋の場合は、一つだけでも良いようです。

 

提灯のお始末はどうするのか?

お盆の時期が終わったあとの提灯の始末はどのようにしたら良いのか?

いろいろと決まりごとの多い仏教、神道界ですが、時代の変化と共に処理の仕方も変わっているようです。

そもそも、お提灯はお盆のときに先祖を迎えることがお役目と言われていますので、お盆が終わり、先祖が帰ったとされたらお役ごめんです。
どのように処理しても何の意味もないはずです。
ですから、処理の仕方はあまり気にしないようにしましょう。

しかし、宗教界はしきたりが多ければ多いほど、お寺や神社が儲かるようになっていますので、当然お寺や神社も提灯の処理の仕方に関しても決まりごとをつけます。
昔から伝わる方法は、菩提寺に持って行き、送り火で燃やして処理してもらう方法です。

しかし、CO2地球温暖化の問題が出てきましたので、仏教・神道界も考え方を変えました。
燃やさなくて良い、ほんの一部だけ形ばかり燃やせばいい。
というものです。

中には絵柄の入った高価な提灯もあります。
これは、一年ごとに処分しなくて良い、ということになっているそうです。
提灯保管の注意点は虫が来ることです。
タンスなどに片付けるときは防虫剤も入れておきましょう。

 

お盆の提灯の点灯時間は?

お盆の提灯はいつ点灯させればいいのでしょうか?

今の通常の見方は、「夕方に点灯させてから、日が出る朝まで灯し続ける」というものです。
これらの風習は、今生きている人間たちの都合によるものです。
夕方からでないと提灯の雰囲気が出ないからです。

さらにはこの夕方以降の時間帯に、時々提灯を灯せばそれで良いという考え方もあります。
なぜなら、あまり長い時間、火もしくは電気灯をともすと安全ではないからです。

しかし、本来のお盆の提灯の目的を考えれば、先祖たちを迎える、先祖たちの道案内をするというものですので、一日中つけておくのが筋という人もいます。
先祖たちは24時間のうちいつ帰って来るか分からないからです。
ですから、一日中点灯している場合があっても、周りがどうこう言うことではありません。

このように、お盆の提灯の点灯時間にしても、その他の行事の取り扱い方にしても、仏教・神道には、地区また家庭それぞれに、いろいろなしきたり、伝統が存在します。
しかし、これが正しいという絶対的なルールが存在するわけではありません。

重要なのはお互いの考え方を尊重しあい、それぞれの宗教心を表わすことです。