大室山(おおむろやま)の「山焼き」を初めて見てきました。
この山焼きは700年以上昔から続く伝統行事です。
初めて見てみた感想と特徴は
・大室山まで伊東駅からバスで40~50分
・先着70名は500円で火を付けられる
・駐車場がヤバイ混雑
・「熱さ」と「迫力」が凄すぎる
・焼け跡には何も残らない
・目の前が伊豆シャボテン動物公園
です。

大室山の山焼きとは

大室山はススキにおおわれた、キレイなきつね色した山です。
動物の毛皮のような、油揚げのような、可愛らしい色をしています。
この一面のきれいなススキを、
全て、容赦なく、一瞬で、焼き尽くす。
それが大室山の山焼きです。
春の訪れを告げる風物詩で、毎年2月ごろに行われています。
ちなみにススキを焼く理由ですが、昔はススキを茅葺き屋根に使ったり、肥料に使ったりしてとても重宝していました。
じゃあなんで焼いちゃうの!って話ですが、古いススキを焼くことで
虫よけが出来て、さらにススキの新しい芽が育ちやすい土壌になるからです。
焼畑農業みたいですね。

大室山まで伊東駅からバスで40~50分

観光案内所のおじいさんに聞いたところ
「大室山はバスで・・・30分はかからないけど、20分以上はかかるね~」
といわれて、おぉ意外と近いじゃん!と喜んだのも束の間、実際はバスで行きが40分、帰りが50分かかりました。
車で行くと30分くらいって意味だったのかもですね。
バスの交通費は伊東駅から710円で、スイカは使えないですが車内で小銭への両替ができます。

先着70名は500円で火を付けられる

500円払うと大室山に火を付けることができます。
使うのは灯油が染み込んだ布が先端に詰められた、竹製の松明です。
これはもはや「堂々と放火できる権利」ですね。絶対貴重な経験になると思います。
ただし午前9時から先着70名だけが買えるようで、かなり早く行く必要があります。
自分で火を付けなくても、見ているだけで十分面白いので無理はしなくてもとは思います。

駐車場がヤバイ混雑

駐車場がすごく混むので、車で行くなら注意が必要です。
山のすぐそばの駐車場は山焼きの時間には満車を超えて、キャパオーバーです。
駐車スペースだけじゃなく、駐車場内の車道を含む全ての空間が車で埋まってました。
この後どうやって出庫するのか、訳がわかりません・・・。
駐車場を諦めた人達が路上駐車するものだから、山道も渋滞してました。
ノーリスクで行くなら、バスがいいと思います。

「熱さ」と「迫力」が凄すぎる

山焼きを見るだけならスペースに余裕があるので、直前に行ってもすぐそばで見られます。
正直こういった伝統行事を面白いと思うことは少ないのですが、
大室山の山焼きには大いに感動しました。
山の下から点火すると、ゆっくりと山頂に向かって火が広がっていきます。
最初はゆっくりですが、火の量がある一線を超えると、急にダムが決壊したみたく炎が大きくなり、一気に山を包み込みます
ススキが焼ける熱で顔が火傷するくらいヒリヒリします。
3mを超える火柱、山が焦げる臭いと煙。ひたすら熱く、ただただ圧巻です。

焼け跡には何も残らない

山が燃えている時間は10~15分くらいでしょうか。
あっと言う間です。
焼け跡には煙を上げる真っ黒に焦げた燃えカスだけ。他には何も残りません。
まるで戦禍や大災害みたいだ、と思いました。
災害や戦争で焼け野原になってしまった街はこんな風に一瞬で燃えてしまったんだろうか、
離れている所でこれだけ熱く煙く辛いなら、その中で亡くなった人はどれだけ苦しかっただろうか、
一面真っ黒に焼き尽くされた焼け跡の中、家族がこの中にいるかもしれないと想像したとき、胸が締めつけられました。
迫力あるエンターテイメント性だけじゃなく、色々と考えさせられる貴重な経験でした。

目の前がシャボテン公園

大室山の山焼きで圧倒された後におすすめなのが、伊豆シャボテン動物公園です。
本当に大室山の目の前にあるので、絶好のアクセスです。
シャボテン動物公園の中からも、真っ黒に焦げた大室山がよく見えました。
動物との距離感が近い動物園で、カピバラと触れ合ったり、エサをやったり、元祖カピバラ温泉を見たり、と癒されるのでオススメです。